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決して少数派ではない「敏感すぎる(HSP)」人。実は「大きな音や騒々しい場所が苦手」「話し声がすると集中できない」「人から言われる言葉に傷つきやすい」「頭痛や下痢になりやすい」などは、単なる性格や体質の問題ではないのだ。この傾向は生きづらさを生むだけでなく、人付き合いや会社勤めを困難にすることも。最新研究が示す過敏性の正体とは? 豊富な臨床的知見と具体的事例を通して、HSPの真実と克服法を解き明かす。過敏な人が、幸福で充実した人生を送るためのヒントを満載。
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Posted by ブクログ
HSP傾向の高い引きこもりの弟を理解するために閲覧。弟は、まさにこの本で解説されている過敏傾向をすべてMAXで持ち合わせているタイプだと判明…一体今までどれだけ苦しんできたのか…。 私自身が過敏さ0%の超鈍感人間なせいで、身近にいる過敏傾向の人たちのことをよく理解できていなかったなと反省。今まで何...続きを読む冊か読んだHSP関連の本はどれも今ひとつピンと来ない内容でしたが、本書での臨床に基づいた詳細な分類と解説のおかげで、やっとある程度はHSPの全体像を把握できたかなと思います。 過敏な方を理解したい人にも非常にオススメですし、過敏さに悩まされている方には是非オススメしたい一冊。ヨガやマインドフルネス、各種エクササイズなど改善策が掲載されていて実用的な内容です。
精神医学の視点からHSPが解説されている 過敏性は大きく「神経学的過敏性(感覚過敏など)」と「社会心理的過敏性(人の言葉に傷つきやすいなど)」の2つに分けられる 前者は、一般に遺伝要因や生まれ持った生得的要因が強いと考えられており、 一方、後者は、養育要因や社会的体験ら愛着対象との関係などが強く影...続きを読む響していると考えられている 別の本で5人に1人は生まれつきHSPの特性があるって書いてあったけど、後天的にHSPになった人もそこに含まれてるってことかな 後天的になったケースだと発達障害や愛着障害といった複雑な背景が絡んでくるから、判別が難しいらしい ✏過敏性には低登録という一見相反する症状が伴うことがある 低登録の症状として、最初の一言を聞き逃す、捜し物が目の前にあるのに気づかない、服に値札がついてることに気づかない、スイッチの切り替わりが悪い(なかなかやり始めないのにやり出すとやめられない)などがある ✏親側の条件にコントロールされて育つと、その人自身もいつの間にか、自分の期待通りなら「良い人」と思い全面的に肯定するけど、期待と少しでも違うと厳しい評価になり「悪い人」とみなして全否定するという、全か無かの二分法的な態度を身に着けてしまいやすい ✏無条件に愛されることを味わえないことで、その人も無条件に愛するということができず、最初は全肯定し理想化するけれど、やがて粗が見えてくると騙されたと感じ、全否定し始める
■感覚プロフファイルと4つの因子 ①低登録 低登録とは感覚の閾値が高く反応が起きにくい傾向 ⓶感覚探求 新しい刺激を求める傾向 ・感覚過敏 感覚の鋭敏さという意味以外に感覚的な刺激に対し能動的な回避行動を行わず、それを受動的に甘受する傾向も併せ持つ ④感覚回避 不快な感覚刺激を避けようとして...続きを読む行動する傾向 ・我々の人生がうまくいっているかどうかのバロメーターといえる3つの指標、社会適応度、生きづらさ、幸福度という観点で見ても、これら4つの因子は比較的ゆるやかな関連しか示さない ・低登録や感覚過敏、感覚回避は社会適応度や生きづらさ、幸福度と比較的軽度の相関を示す ・もっとも強い相関は感覚過敏と生きづらさの間に認められるが決定的に左右するほど強い結びつきではなかった ■過敏な人に最も特徴的な認知の傾向はネガティブな認知ではなく全部良いか、全部悪いかのどちらかになりやすい両極端な認知の傾向、即ち二分法的認知 ・二分法的認知は全か無か、白か黒かの認知 ■低登録が高い状態は感覚調整障害の一つであり神経学的レベルの障害によって起きるというのが一般的な理解。 ■成人において低登録の傾向が顕著なタイプは大きく二つに分かれる。 ・一つはシゾイドと呼ばれるタイプで他人のことに無頓着で誰とも積極的には交流せず別にそのことを苦にも思わず十年一日のごとく日々を過ごすタイプ ・もう一方のタイプは虐待を受けたり心理的なトラウマを抱えた愛着障害のケース。情緒不安定な傾向を伴っていることも多く慢性的なうつや気分の波、自傷行為、不安定な家族との関係に苦しんでいるタイプ こちらのタイプは切実に親密な支えを必要としているが拒否されたり傷付くのが怖くて自分からアクションを起こせなかったり自分に自信がなく愛着不安も強いため安定した関係が築きにくい面を持つ ■不安の根源は幼い子供が母親から離れるときに感じる分離不安に由来している。それは愛着不安と言い換えることもできる。愛着するがゆえに愛着した存在から離れることに不安を感じる。 ■過敏さとどう付き合うか ①刺激量を減らす 刺激は外からだけではなく自分の頭の中からも生み出される。人はいくつもの心配ごとや課題、期限を抱えているとそれが雑念にもなりやすい。未解決の問題や感情的なわだかまりを引きずっていると、そこから沸き起こる怒りやいら立ちが強い刺激を心の中に生み出してしまう。 どうすれば心配ごとや様々な雑念を減らすことができるか。役に立つ有効な方法は頭で考えるのをやめて書き留めるということ。頭で考えていると思考や感情というものは際限なく堂々巡りを繰り返しやすい。心配ごとややらなければならない課題が思い浮かび、漠然とそのことを考えていると歯止めが利かなくなりやすい。雑記帳でも雑念帳でもいいので、そこに思い浮かんだ懸案事項を書き出し、そしてそれに対する自分が取れる対策や方針を書くと頭の中でその場面が繰り返されるということを防ぐことにつながる。 ⓶刺激を予測のつくものにする 生活や活動を構造化して予測がつくように整理し、それを習慣化すること。過敏な人にとって同じ刺激でも突発的で予想外の刺激ほど強く不快に感じられる。秩序が保たれ予測できるようになると同じことが起きてもその苦痛は半減する。 課題に取り組む場合も時間や順番を決め決まった儀式のように行う。スポーツ選手などもこの儀式的方法を試合の前に取り入れる人が少なくない。 ③安全限界を超えない 刺激が閾値を超えてしまいそうになったらその手前でとどめること。限界を超える前に生じるかすかな兆候を見逃さないこと。イライラや疲労感、集中力の低下は限界を超えつつある兆候として最もよく見られるもの。これまで楽しかったことが楽しくなくなったり重荷に感じられたりするのも負荷が限界に近付いていることを教えてくれる。 ■うつ病を改善したポジティブ・トレーニング 有望な結果が出たのは二つの方法。 一つは人生において良いことを三つ書いてもらうという取組。 もう一つは自分の強みとなることを新しいやり方で生かすことに取り組んでもらうこと。 この二つの方法や取組の間気分や意欲が改善しただけでなく、その後6か月間にわたってうつの改善が持続し幸福感の高まりが認められた。
自分の過敏性は、発達障害と愛着障害の両方が背景にあるのかなと本書を読んで感じた。また、愛着障害のタイプは、親密な感情や心を通わす関係を持ちたいと思わない「回避型」であるともわかった。
岡田尊司先生の本で精神科の勉強をしようと思っています。先生の文章はとても読みやすくやす、優しさを感じて好きです。 つい先日、適応障害と診断されてしまい、自分で解決できていない問題を抱えたままでは、これから先に進めないとの想いもあります。 そんな中で、自分と向き合う、自分を知る作業の一環としての読書で...続きを読むもあります。 この本の診断の結果では、過敏な傾向にはあるが軽度、といったところ。自分の感覚だけで物事を見ることは、物事を見ているとはいえないなと改めて思いました。そして、多かれ少なかれ、気づいていようといまいが、みんな何かしらの問題を抱えて生きているのだなぁとしみじみと思いました。
HSPという概念に興味があり、読んだ。 HSPが精神医学史において取り入れられなかった理由から始まり、広い概念である"HSP"、いうなれば「過敏性」に関して、とても深く掘り下げられた本。 まず、過敏性を「神経学的過敏性」「心理社会的過敏性」「病理的過敏性」の3つに分類し、各過...続きを読む敏性の「社会的適応度」「生きづらさ」「幸福度」を具体的な数値で示すなど、研究結果が詳細に示されている。 さらに、過敏性に関連がある精神疾患の中で、特に「発達障害」「愛着傷害」を重点的に取り上げている。それぞれの疾患との関係性について、十分に考察されており、面白い。 この本を読むと、世間で流行している"HSP"という概念が、複雑なものを単純に一括りにした、少なくとも現状では「俗語」の域を出ないものと分かる。(著者が直接そう言っているわけではないが、私はそう感じている) とても勉強になったが、内容が少々専門的過ぎるので、マイナス1とした。
話題のHSPについて扱った本。著者が精神科医のため、精神論やスピリチュアルに寄ることなく、神経学や統計的見地に基づいて過敏性について語ってくれているため、読みやすさはやや損なわれるものの、説得力が大きい。 特に本書の後半では過敏性に対する対応策について語られており、過敏性について前向きに向き合えるよ...続きを読むうになっている。 この対応策は臨床上、過敏性が主たる問題でない人でも役に立つものばかりでその部分だけでも読む価値がある。
過敏さの区分と状態について確認できる。 解決するのは一筋縄ではいかない。愛着基地を確保したうえで、自身が変化していくための日々の積み重ね、実行が望まれる。
周りのことに過敏な人についての話題だったが、逆に、無頓着である「低登録」も同様に生きづらいらしい。 結局は、人が生きるうえで「困る」かどうかが、生きづらさや不幸感のカギになるのだ。 氏の提唱している生きづらさを決める特質の一つに「愛着障害」があり、今回もそれにつながっていく。 その「愛着形成」のた...続きを読むめに必要なのは、他者からの「反応」であり、この先、それがAIにとってかわられていくという部分には、人間の、生き物としての知れなさに怖さを感じる。 人らしさをあえて追求しつつある現代社会は、「人らしさが失われても平気な社会」が実現しつつあることへの反作用と考えると、言うまでもなく、「人らしさを失う」速度の方が速い。 どこかで底打ちになるのか、それとも、他者としての人を必要としなくなる社会が来るのか、それを見守ることはかなわないだろうが、かなり変容した社会になることは想像に難くない。 とはいえ、だれかが生きづらさを持ち、愛着の支えを必要としたとき、、その本人よりむしろ、その人を支える人を支えることが、早い回復につながることが往々にしてあるらしい。 「人」という字は、本来は、人が足を開いて立っている姿であり、支え合っている姿ではないのだが、実は、それが本質で、人は一人では立てない、誰かが誰かの支えを必要とし、また、他の誰かの支えを借りる、それが人、そう思い直す。
過敏というのがどういうものかを、非常に丁寧に書いている。なによりもデータをしっかり描いている点が評価できます。もっと広まらないかな…
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