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言葉はあまりにも便利で、そして、あまりにも無力である。何としても伝えたい想いが言葉を鍛える。 「言葉が何かを明らかにするよりは、何かを隠蔽することもあるのです。」
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Posted by ブクログ
「言葉」についての感性が磨かれる一冊。 普段は意識せずに使用している言葉の深さと限界を感じることができる。
本書はご本人曰く、初の「文芸もの」。 「言葉」が隠蔽しようとしているものが何であるのかについて。 「言葉」に強いこだわりを持って、紹介された何篇かの詩や言葉。 「ここで取り上げた詩作品の素晴らしさを読者と共有できるだけでも、この本を著した甲斐がある」とまえがきにあったけれど、共感したり、「国境を越え...続きを読むた文体」に圧倒されたり。どれも思わず書きとめておきたくなるような18章だった。青年時代の平川さんにもお会いできたようで、嬉しかったので★★★★★
読み終えて、言葉を鍛える ならば、本当に多く人が紡いだ言葉を読み、それを自分の中で咀嚼し、アウトプットし続けなければ…鍛えられるものではないなあと思いました。
安保闘争の頃の詩人何人か オーデン 平成天皇 司馬遼太郎はナショナリズムとは何でないのかを語っているがでは愛国心とは? リービ英雄 羽田浦地図1984と小関智弘さん 鈴木志郎康 「完全にコントロール」の嘘 鮎川信夫 吉本隆明 「日本封建制の優生遺伝子」振り返ると半世紀前、封建的なものからどうやっ...続きを読むて自由を得るか、は切実で、ひょっとすると他の例えば「何で生計を立てるか」のような現実的なテーマ以前に差し迫ったことだったように思われる。封建的なもの、権威主義的家族主義などはかなり解消されたように見えても、その一番忌避したかった要素が実は少しずつ形を変えて、「都合の良い上下関係で解釈した他者との関係性の中で図々しくも設定した自分の価値」にすがるような、おぞましいものになっているのかもしれない。戦地で親友を亡くし、内地で枕元に焼夷弾落とされ、それでも生き残って戦後の社会を築いた世代にあった良質な深みを、コロナ後の社会はまた掘り下げてゆくしかないのかもしれない。
言葉と詩について書いてある本書の内容に共感できる。引用する詩は難しいものが多いが、筆者の視点が分かりやすい。▼「嘘」(P164~)……後ろめたさという制御……この人(安倍総理)の言葉には何か決定的に重要なものが欠落しているとしか思えないのです。いつも、自分というものを棚上げにしたところで、相手を打ち...続きを読む負かす道具としてだけ、言葉が存在しているということであり、後ろめたさなしに、嘘が言えるということなのでしょうか。これほど言葉をぞんざいに扱うものに、どうして信を置くことができるでしょうか。▼詩人とは政治家の対極にある場所から言葉を発するものです。ひとつの言葉に、自らの全重量を載せるようにして、言葉を紡ぎだそうとするもの。
ブルキナファソの友人がいる 彼の話す言葉はフランス語とジュラ語 もちろん、 私は話せない でも、出逢った時から なにか惹かれるものがあり 「言葉」にかんしては それほど苦労したということがない むしろ、うまく伝えられないところを 楽しむほどのところだったような気もする 日本語で話し合える友人がいる...続きを読む 日本語であるがゆえに 時には 最良の表現を探せども うまく見つからないことが ままある 言葉は難しい 言葉はおもしろい 「大事より些事が大事」 深くうなづいてしまった 生きていく上での極意とも思った
「理解できるものは理解し、理解の困難なものは、そのままのかたちに〜自分の理解の領域にないものを、ただちに許すべからざる異質なものとして拒むという態度をおとりにならないで下さい」 この言葉がすごく刺さった また「天皇は言論という道具を奪われている」の一文にも動揺した 普段の生活で天皇陛下のことを考え...続きを読むる機会になんてめったにないけど私たちと変わらない一個人なんだとハッとさせられた 言葉、大事にしようとすればするほど嘘っぽくなって心の内に感じてることと若干ずれてて表現できない露出できないことに悲しくなる 小池昌代のりんごのひとつの重さだけで「あのひと」の不在を表したことにぞくっとした
まだ自分にはここに書かれている詩たちを理解するのは難しい感じがした。 でも、「伝わらないところで言葉が鍛えられる」というのは、なんだか納得できるような気がした。
人類は言葉なんてなくても生きていけるが、様々な言葉を生み出し世界を分節していった。今我々に必要なのは言葉のもつ温かみなのかもしれない。
詩というものにふれたことがない。言葉を徹底的に削ぎ落とした詩が俳句なんだと思っているが、そういう概念みたいなものを考えるだけで、そういったたぐいのものにほとんど関心を持ったことがない。そんな人間に詩の解説をされても、よくわからないというのが本音ではあるが、この作者が言葉を紡ぎ出す時にどれだけ考えて書...続きを読むいているのか、その丁寧な文章から推し測る事ができる。
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平川克美
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