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ミーコは、風俗と福祉の仕事を両立しながら娘のチーコを育てるシングルマザーだ。幼い頃に両親に見捨てられ、躾の厳しい祖母との関係に苦しんだ過去を持つ。苦労の絶えないミーコだが、彼女の特技は、毎日一つ、小さく光る宝物を見つけること。ミーコの宝箱に入っている、一番大切な宝物とは……。一人の女性の半生を通して、母と子、人と人の絆を温かく描き出す。
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Posted by ブクログ
両親を知らず、祖父母に育てられた主人公のミーコ。彼女の人生と人柄を彼女の周囲の視点で描かれています。 祖父がミーコに伝えた 『ミーコの目は、何のためについていると思う?』 『毎日、小さな宝物を見つけるためだよ』 ということが物語の軸でもあると思う。 そして、ミーコは決して他人と比較をしない。 人...続きを読む生に起きる出来事に本来は意味なんてなく、自分が勝手に意味づけをして、人は生きている。 必ず自分の周りに良いと思えることもたくさんあるのだけど、ついつい誰かと比べた不足を考えてしまう。本当は、自分の周りには幸せなことがあるはずなのに。 主人公のミーコは、幸せを見つけ続けて生きてきたのだろう、と思う。きっと苦しみや寂しさや悲しみを感じることもたくさんあっただろう。それでも、懸命に生きて幸せを感じながら、周りに優しさを感じさせて生きたのだろうな、と思います。 誰かと比べるのではなく、日常の幸せに目を向けて生きていく、そこから生まれる人と人の絆の優しさを感じる1冊です。 最後に厳しかった祖母の愛情がミーコに伝わった時に、何か救われるような気持ちで涙が溢れます。幸せいっぱいの物語ではないけど、宝物を見つけ続けた主人公ミーコが精一杯に生きてきたのだな、と感慨深い物語でした。
48/100 風俗と福祉の仕事を両立しながら娘のチーコを育てるシングルマザーのミーコ 幼い頃に両親に見捨てられ、躾の厳しい祖母との関係に苦しんだ過去を持つ。苦労の絶えない彼女の特技は、毎日一つ、小さく光る宝物を見つけて優しかった祖父の作ってくれた宝箱に入れておく事。 彼女の一番大切な宝物とは… 人と...続きを読む人との絆を温かく描き出す!
あらすじにあったのは今まで読んできた森沢さんの作品からはイメージしづらい“風俗”の文字。 リアルな描写もあったけれど、この物語には欠かせないピースだと思う。 読んでいくうちに、風俗の仕事に対してだけじゃなく自分の選択や人生へのミーコの覚悟と 目の前のことをありのままに受け止める姿に 圧倒さ...続きを読むれる。 一本筋の通った人ってこういう人なんだろうなぁ。 毎日宝物探しをして、祖父からもらった宝箱に そっとしまっていたミーコ。 誰かにとってはガラクタでくだらないものが ミーコにとっては小さくきらきら光る宝物。 その違いは、計りしれないほどの大きな大きな差だと思う。 ああ、わたしが目指したい“場所”ってこういうところだった…って久しぶりに強く意識する。 ミーコと出会った人たちも 自分自身を見つめ直し少しずつ変わっていく。 そのときの微妙な心の動きや 変化する貴重な一瞬を見届けられて 胸が熱くなったし、その新しい一歩が自分のことのように嬉しかった。 輝きを取り戻し、穏やかなものに。 ミーコには、そんな力がある。 もちろんミーコ自身に そんな意識はないだろうけれど。 森沢さんおなじみの作品つながりは今回も、しっかり存在してた…! これがまた良いところで登場するんだよねー チーコとの、母娘の会話もとってもよかった。 親の無償の愛に“直接触れてしまった”ときの あの、込み上げてくる感情はもうどうしようもない。 こらえることもしないで ただただ涙を流すしかない。 ミーコの半生を見守りながらその達観っぷりに憧れ ムカついたり、一緒に笑ったり泣いたり… ほんの数時間で一気に読んじゃった。 森沢さんの描く世界は、やっぱり生きている!
宝箱にいれるものを毎日考えながら生きる、ということが何を意味するか。 「今日はなにかいいことあった?」 毎日聞いてくれるひとがいる。 応えるミーコがいる。 周りに惑わされることなく、日々感謝して生きてきたミーコ。 その積み重ねが、ミーコのほんとうに大切な宝物、チーコに受け継がれる。 はたからみる...続きを読むと不幸なのかもしれない。 でも幸せかどうかは本人が決めること。 チーコは、愛され、幸せになる、と感じさせてくれる、あたたかなお話。 心がけひとつで、人生はこんなにも変わってくる。 そうだよな~、とおもいます。 もっと早く森沢さんの本に出会っていたかった。
風俗の話からでしたが、全然重いものではなく気持ちの良い展開でした。説教くさくもなく、すんなり心に染みる言葉もありラストは涙流れました。すき
ミーコという一人の女性の半生を7人の人物が語る連作短編集。 ミーコにはモデルとなった女性がいるそうですが、ストーリーは完全な創作だそうです。 みんな、その年のクリスマスイブのミーコの話をします。 ミーコは両親がいなくて、祖父母に育てられ、シングルマザーになり風俗と介護の仕事をしている女性ですが、ミ...続きを読むーコは皆から本当の愛情を得ていました。 そして、ミーコの方も、祖父に作ってもらった宝箱に、自分の大切なものをしまっています。 ミーコの愛すべきとても可愛らしい人柄がわかります。 ミーコ自身。 ミーコの祖父。 小学校の同級生。 中学の養護教諭。 ミーコと恋愛をした大学生。 ミーコの勤め先のオーナー。 26歳になったミーコの娘、チーコ。 がミーコについて、語ります。 どの話も、優しく愛情深いミーコの個性が際立ち、クリスマスには毎年、お汁粉を作るミーコの習慣がツボでした。 森沢語録 「ミーコの目は、毎日、小さな宝物を見つけるためについている」 「あんたの手は、人に「ありがとう」って言われるためにある。一生、ありがとうの手にしなさい」 「人は生きているだけで幸せ」 「人間の心は傷つけたくても傷つかないようにできている。傷つかないで磨かれるだけ」他。
「ありがとうの手」私の手もそうでありたいと思った。 言葉の1つ1つが心に届く。 最後の文章に2人の名前が入っていて、幸せが続くように感じました。
いきなりハードシーンで、この物語はどこへ進むのか心配になったけど、そこはやはり森沢作品。感動の波で溺れそうになりました(笑)。祖父母との決別は描かれていませんが、随所に見られるミーコのトラウマ、老い先短かい祖父母が下した苦しい決断を考えると想像に難くない。でも最後の最後で厚い氷が解けていく様にほっと...続きを読む胸を撫で下ろした。おかげで森沢作品の中でもお気に入りの一冊となりました。おススメ。そして最後にミーコとチーコが幸せでありますようにと願ってやまない!! あらすじ(裏表紙より) ミーコは、風俗と福祉の仕事を両立しながら娘のチーコを育てるシングルマザーだ。幼い頃に両親に見捨てられ、躾の厳しい祖母との関係に苦しんだ過去を持つ。苦労の絶えないミーコだが、彼女の特技は、毎日一つ、小さく光る宝物を見つけること。ミーコの宝箱に入っている、一番大切な宝物とは…。一人の女性の半生を通して、母と子、人と人の絆を温かく描き出す。
途中、悲しい内容が辛くても、森沢さんの作品には愛が沢山詰まっているから、いつも光を感じながら読み進められる。そして必ず最後には温かくスッキリした気分に…。今回もそれをずっと感じながら読めた。誰だって沢山の宝を見つけられるのか…素敵です
それはもう予感していたものだった。涙腺の元栓は確かに閉めたはず、でも無理だった。心の底から突き上げる涙の水圧にとても耐えられるものではなかった。僕は文部科学省に提言したい。これこそが真の教育本であると。重松作品の様な暖かい台詞回し、間合い、息づかい、情景描写が読者の心を優しく包み込んでくれる。所々散...続きを読むりばめられた心に染みる言葉も胸を強烈にエグる。誰もが持っている心の宝箱。毎日小さな宝物を見つけ、その積み重ねが人の心を豊かにそして強くする。幸せとは?の問いの答えがこの本にある。
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