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「安定」「正確」を求める現実社会は、じつは「不規則」や「不確実さ」に満ちている。そうした「不確実性」は、時に予想もしない効果をもたらしたり、有益な働きをしてくれる。トーナメント戦での番狂わせ、犯人追跡の意外な方法、免震制御、時間差による攻撃手段など。身近にある不安定現象を挙げながらその意外な効用を説く。
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Posted by ブクログ
振動とノイズとフィードバック遅れが、工学から社会・生命にいたる様々な現象の原理に存在することを、数式を極力使わずに、読みやすく紹介している。 シカゴ大学での、南部陽一郎の孤高かつ穏和な知性の雰囲気についてのエピソードが興味深かった。
今年一番と言っても良い。良書。 一般的にミクロの物理現象である「ゆらぎ」「ノイズ」「遅れ」という不確実性についてのお話。普通の人は興味がない事柄を具体例と抽象をうまく結び付けていて興味深い本となっている。 ゆらぎ ・・・共鳴により増幅する。スポーツで言えばサーフィン、ブランコ(リズムとタイミング...続きを読むで力を得る) ラジオは回路の振動数と電波の周波数を合わせる共鳴運動だし、吊り橋の崩壊は吊り橋の固有振動数と行進の振動数が一致した時にしばしば起こる。その他、共鳴を利用した器具として電子レンジがある。 共鳴が好ましくない場合、ゆらぎをゆらぎで止める制振という方法が伝統的にある(五重塔など) ノイズ・・・ブラウン運動やランダムウォークなど 適度なノイズがあるほうが生体の機能に有効になりえる(確率共鳴) 遅れ・・・マイクのハウリング、経済のJカーブ効果 バランスが良いとは「ゆらぎ」による「遅れ」が少ない事を示している。この時に大事な考え方はゆらぎでゆらぎを切る(フィードバック制御を止める回路を持つ)という事が大事なようだ。ゆらぎを切る為には制振構造である事と遊びやリラックスという言葉がキーとなる。 条件付き確率→ベイズの定理
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「ゆらぎ」と「遅れ」―不確実さの数理学―
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大平徹
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