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マーケティング戦略は、自分自身で実行してはじめて身につくも のです。本書は、マーケティング戦略の基本からはじまって、戦略を 数値化し、戦術を確認、そして戦略と戦術に一貫性があるかをチェックしながら 一歩一歩読者自身のマーケティング戦略を組み立てていく、これまでにないマー ケティング戦略の実務書です。チェックポイントは99。戦略を完成させる残りの 1つは「実行」です。
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Posted by ブクログ
佐藤義典さんの戦略BASiCS本。チェックリスト形式なので自分の仕事で抜けてしまっている観点を発見しやすい。欄外の「ワンポイント実践例」が何気に好き。他の著書で戦略BASiCSについての基礎を学んだ後に読むのがオススメ。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...続きを読む:::::::::: 【読書メモ】 ●あなたの商品・サービスのセグメンテーションの軸は、お客様の「価値」、つまりベネフィットを反映した軸になっているか? ●2000年ごろ、良品計画の有賀社長(当時)は「団塊ジュニアと心中する」とおっしゃっていた。団塊ジュニアの成長・変化に合わせて、無印良品も変わるという戦略だ。 ●欲求は、お客様のココロの中にある。つまり、お客様の「価値」「欲求」に答える選択肢の束が戦場だ。 ●戦場は、業種業態とは限らず、お客様の「価値」を巡って争う場なのだ。 ●ココロの中の位置づけを変える-戦場は、お客様のココロの中だから、ココロの中での位置づけが変われば戦場が変わる。 ●スターバックスは、飲み物の単価を上げるために、「デザート」的なクリームたっぷりのコーヒーを売った。コーヒーとしては500円は高く感じる。しかし、ケーキのようなデザートなら500円は普通だ。同じコーヒーでも、「飲み物」ではなく「デザート」へとお客様のアタマの中の位置づけを変えたのだ。 ●競合もお客様も、「この点はあなたが勝っている」という評価を下すなら、本当に差別化されている。 ●新宿の百貨店戦場で、若者に圧倒的に強い伊勢丹から、若者を奪うのはかなり難しい。だから慶応百貨店は、シニアセグメントを狙ったのだ。 ●差別化戦略により、組織構造も変わる。手軽軸なら中央集権・上意下達型、商品軸なら創造力を高めて商品開発を促進するフラット型、密着軸なら、お客様の意見を優先するお客様重視型の組織にするのだ。 ●外資系の会社で働く私の知り合いは、「既存顧客へのサービス」で米国本社の社長から表彰された。新規顧客を取った人への表彰はよく聞くが、既存顧客サービスでの表彰はあまり耳にしない。これは、既存顧客が重要だという本社社長からのメッセージだ。 ●一般的に、マインドフローは下の関門から改善するのがコツだ。理由は2つある。 1つ目の理由は、利用・愛情関門でつまづいている場合、例えば使われない製品、リピートされない店などは売り物である商品・サービスそのもの問題があることが多いからだ。この場合、売れば売るほどに不満足顧客を生み出し、ネガティブな口コミを生むなどの逆効果にさえなる。 2つ目の理由は、下の関門に行くほど対象となる人数が減り、施策のコスト効果が高まることだ。 ●5原則ではなく、「客数×頻度×購買単価」という3つに分けるという考え方もあるが、それでは粗すぎるのだ。 ●まずは、1年間(またはあなたのビジネスにあった期間)の新規顧客数をチェックしよう。顧客数は、「延べ」ではなく、ダブりのない純(ネット)の数だ。・・・個人顧客対象の場合は、若干手間がかかるかもしれない。消費者調査をする際に、「あなたはこの商品を買うのは何回目ですか?」などの質問項目を作り、「初めて」と答えた方を新規顧客とすることになる。 ●(売上5原則の)5つの数字の全てを上げることはまず不可能だ。5原則のうちどれを重視するかは、この差別化軸(「手軽軸」「商品軸」「密着軸」)と連動する。 ●顧客生涯価値の使い方 1)「新規顧客」対「既存顧客」の資源配分 2)セグメンテーションの軸として使う ●興味を持たれない理由の1つが、「何に使うのか、用途がわからない」ことだ。売り手であるあなたは知っていても、お客様には意外とわからないものだ。 ●差別化ポイントが「ある」ことと、差別化ポイントが「伝わっている」ことは、違うことだ。「差別化の根拠」が明確なら、差別化ポイントと同時に、差別化の根拠も伝えよう。 1)広告を見れば、「これは競合とはここが違うのか!」とお客様に思ってもらえるだろうか、をチェックしよう 2)製品開発・TVCMなどの巨額の投資が、店員1人の訓練不足で台無しになる ●買いにくさはないか 1)探す手間を減らす 2)買い方がわからない不安を減らす 3)「買うのが面倒」を減らす 4)在庫確認の手間を減らす 売上を上げるのに魔法はなく、このようなお客様視点の取り組みを愚直に続けるのが、結局は一番の近道になる。 ●選びやすくする工夫はあるか 1)買いたいものを指定しやすくする 2)選び方を教える工夫をする ●カップ春雨は、ラーメンコーナーよりはカップスープコーナーに置いたほうが売れるそうだ。ターゲット顧客が女性の場合は、カップラーメンコーナーよりはカップスープコーナーに立ち寄るからだろう。(チェネルとターゲットはあっているか) ●製品のマインドフロー関門チェック 1)認知:名前は難しくないか、覚えやすいか?製品の形・色自体が売り場で目立つか? 2)興味:製品の価値が見ただけで伝わるか?欲しいと思わせる仕掛けが製品自体にあるか? 3)行動:近づいてよく見たい、手に取りたい、と思わせるデザイン・梱包か?展示用のサンプル・モックアップは用意しているか? 4)比較:競合製品より高い価値を満たすか?機能的には?情緒的には? 5)購買:価格は適切か?買いやすいか?重くて持って帰れない、などの問題はないか? 6)利用:説明書なしでも直感的に操作がわかるか?使いやすいか?説明書はわかりやすいか? 7)愛情:他人に見せたり、手元に置きたくなるような美しいデザインか?性能は期待以上か? ●サービスのマインドフロー関門チェック 1)認知:「モノ」で認知させることができないので、名前を非常にわかりやすいものにしよう。名前は短く覚えやすいだろうか? 2)興味:名前だけで、意味や、ベネフィットが伝わるか? 3)行動:サービスは触れることができない。短期間や一部を体験できるような、体験版はあるだろうか? 4)比較:競合よりも高い価値を提供しているか?また、それが実感できるような仕掛けはあるか? 5)購買:価格は適切か?サービスは持って帰れないし、モノとして配達もできないが、逆に出張することなどによって不便を解決できないか? 6)利用:使う際にお客様にとって恥ずかしい、面倒、などのマイナス要因はないか? 7)愛情:サービスを提供するのは人だ。サービスを提供する従業員は、親しみやすく、礼儀も正しいだろうか? ●顧客に接するもの全てが媒体-CMはもちろん、店内ポスター、会社案内、メニューなど。営業担当者もその一つだ。 ●ユーキャンの2007年年初のTVCMでは、「三日坊主を恐れない」ことに絞って訴求した。これは、比較関門を通過はしたが、やろうかどうか迷っている、購買関門直前で止まっているお客様に「勇気」を与えるメッセージだ。 ●DMクリエイティブのマインドフロー関門チェック 1)開封:封筒の外見から「開けてみよう」と思ってもらう。ペンを入れて封筒に厚みを出す、プレゼントくじ入り、などと封筒に書く、など。 2)理解・興味:商品・サービスの価値をわかりやすく伝え、欲求に訴える。 3)行動・購買:住所の記入欄にあらかじめ住所を印字。返信用封筒を入れる。オファーの魅力度。 4)愛情:一度買っていただいたら、感謝の手紙・メールを出すこともよい。 ●製品パッケージのマインドフロー関門チェック 1)認知:形、大きさ、色などは遠くからでも十分に目立つか? 2)興味:ターゲットの興味を引くキャッチコピー、写真などがわかりやすく入っているか? 3)行動:手にとってもらいやすい形や色をしているか? 4)比較:差別化ポイント・競合優位はわかりやすく書いてあるか?直接でなくとも、間接的にわかるようになっているか? 5)購買:価格は書いてあるか?価値・欲求はわかりやすいか? 6)利用:利用方法・マニュアルはパッケージや同封の説明書に書いてあるか?用途は訴求されているか? 7)愛情:パッケージは美しいか?カッコイイか?継続購買を促すような仕組みがあるか? ●ウェブサイトのマインドフロー関門チェック 1)認知:検索エンジンの登録・対策はしているか?ターゲット顧客がよく見に行くページからリンクされているか? 2)訪問:URLは短く(長くて7文字)、覚えやすいか?名刺・メールなど、あらゆる機会を捉えてURLを知らせているか? 3)理解:何がどこにあるか、わかりやすいナビゲーションはあるか?専門用語などを使わない、誰にでもわかる言葉遣いで書いてあるか? 4)比較:競合商品・サービスとの差がわかりやすく書いてあるか? 5)購買:支払方法は多様か?買い方はわかるか? 6)利用:使い方がわかりやすく書いてあるか?用途の提案はあるか? 7)愛情:お客様が何回も来たくなるように情報は更新されているか?ニュースレターなどは出しているか? ●店頭・店内のマインドフロー関門チェック 1)認知:看板・ノボリ、店頭(ファサード)などは他の店に埋もれてしまわない、特徴的なものか? 2)興味:店頭から、何を売っている店かすぐわかるか?看板・ノボリなどに書いてあるメッセージは欲求に訴えるか? 3)行動:ワゴン、サンプル、目を引く商品などが通りすがりのお客様が思わず足をとめてしまうような仕組みがあるか?店には物理的・心理的に入りやすくなっているか? 4)比較:他店との差を、店頭のメニューなどでわかりやすく打ち出しているか? 5)購買:POPなどでお客様の欲求に訴えかけているか?クレジットカードなど、支払い方法は多様か? 6)利用:ポスター、小冊子、POPなどで用途を提案しているか?使い方のアドバイスやデモンストレーションを店員がしているか? 7)愛情:店員の対応は愛着が持てるしっかりしたものか?アフターサービスなどは十分か? ●売上5原則の優先順位と、各戦術は連動しているか?商品サービス、広告・販促、販路・チャネル、価格の全てをチェックしてみよう。 ●差別化軸を中心に、独自資源や4Pが一貫性を持てば、戦略から戦術までの一貫性を実現できる。 ●商品パンフレット、会社案内などを見ると、ほとんどのものが、「当社は」「この製品は」「当社の技術は」など、「売り手」が主語の文ばかりだ。これでは「お客様の価値」を伝えていない。お客様は、「自分」にしか興味がない。逆に、「お客様にとってこの製品は・・・」と無理矢理にでも始めると、お客様にとっての価値を伝えるメッセージになる。 ●「マイナスのメッセージ」は、短期的には効果的なこともあるが、使いすぎないほうがよい。使わなくてすむなら、使わないほうがよい。ブランドイメージを破壊しかねないからだ。「これ買わないと死にますよ」と常に広告する会社を、どう思われるだろうか? ●「体脂肪が気になる方に」というヘルシアのキャッチコピーは、「体脂肪が高いと不健康」というマイナスのメッセージを暗示しているが、ネガティブにならないギリギリの線で止めている。うまいコピーだ。
こちらは『経営戦略立案シナリオ』と同時期に出版された実行チェックの本です。さすが有名コンサルタントは書籍の発行も実に戦略に沿っています。一つずつチェックしていく過程でイチローのことを思い出したんですが、やはりまとめで彼のことに触れていましたね。若い時にこれを読んで自分のものにできたらかなり優秀な人に...続きを読むなれるだろうなと感じました。もちろん今からでも遅くはないはずなので頑張ります。
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