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高校のベランダから転落した加奈の死を、父親の安藤は受け止められずにいた。娘はなぜ死んだのか。自分を責める日々を送る安藤の前に現れた、加奈のクラスメートの協力で、娘の悩みを知った安藤は。
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Posted by ブクログ
これがデビュー作とは 恐るべし。 皆が皆こんなはずじゃ なかった、なんです。 転落死した主人公の娘、 彼女を虐めていた友人、 母親にまで誤解される 主人公の同僚、 そしてもちろん主人公 も。 こんなはずじゃ・・・ なんで?どうして?と とまどう心は、 出口なき迷宮を彷徨う に似て、 ...続きを読む行けども行けども漆黒 の闇ばかり。 いずれ精根尽き果てる 前に差し伸べられた手 にすがればいいのです。 その手は常に目の前に あるのに、 手を伸ばせばすぐそこ にあるのに、 暗闇の中にいるせいで 全く見えないのが最大 の難点ですが。
最初の方は物語りになかなか入ってこれず、内容がわかりずらかったのですが、中盤以降、名前を偽ってお線香を上げに行く所からお話しがゾクゾクしてきました。 終盤は手に汗握るやりとりが迫力満点でした。 相当考える終わり方をして、全体を通してサスペンスフルな作品でした。解説を先に読まない方がいいです。ネタがバ...続きを読むレバレでした。
落下シーンから始まる。安藤の娘、加奈が学校で転落死した。警察は自殺と判断。学校はいじめの事実はなかったと。妻もなくしている安藤は、なぜ娘が自殺しなければいけなかったのか知りたい。到底納得がいかないのだ。 葬儀を終えて放心状態の安藤の元に、1人のクラスメートが線香を上げにやってくる。そこで加奈の日記...続きを読むを探すことになり、そこが真実を解く端緒となった。 安藤の同僚の早苗は元来冗談が通じない。人の心の機微が全く分からない。アスペルガーかと脳を調べてみたが正常だった。安藤と早苗、クラスメートの咲と真帆の視点で紐解かれる。それぞれの想いが交錯する。
お父さんが終始可哀想で電車で思わず泣きそうになりました。 被害者と加害者、両方の視点を描くことでこの物語の本質を魅せられていると思いました。 発達障害を持っている可能性がある小沢早苗の言動や心の中が秀逸に描かれていると思います。 映画化されているみたいですが、予告を見た段階で小説以上に木場咲にイライ...続きを読むラしそうだなと思ったので見ません。
意図せぬ娘の死が、さまざまな人物に想像以上の影響を与えていく。 発達障害と思われる早苗の思考回路も秀逸。 親目線でより心を抉られる。
イヤミスと言われてる作品に挑戦しましたけど、何とか読めましたが一言…面白いです。 途中は最高に憎たらしい気持ちでモヤモヤが爆発しますが最後にスッキリ…爽快感すらあります。 勿論読み手次第ですが推します。
芦沢央の作品は、これまで『許されようとは思いません』、『悪いものが、来ませんように』、この2作品読んだことがあったのですが、そのときは、面白いけど、これを「素晴らしい!」と絶賛するのは、どこか抵抗があった。 しかし、本作は、面白かった。 夢中になって最後まで一気に読み終えた。 「芦沢央、面白い」...続きを読むと素直に思った。 今まで私は強がっていたただけではないか。 芦沢央の作品を絶賛するって、どこか幼いんじゃないか、と。 だから距離をとって、「もし学生のときに読んでいたら、とてもハマっていただろうな」なんていう、言い訳のようなことを言って、素直に認められず、強がっていたのではないか。 そう思ってしまうほど、本作は、面白かった。 “イヤミス”なんていう言葉があるけど、そんなふうに括ってはいけないように思った。 確かに、嫌な気分にはなった。 例えば、父親(安藤)が、ベタの殺し合いを見つめるシーンがあるのだけど、これが絶妙に嫌な気分にさせる。わざわざこんなの差し込まなくてもいいのに、と突っ込みたくなるほど。 それまで“良いお父さん”のイメージだったのが、変わっていく。見たくない姿に変わっていく。憎悪に蝕まれていく様がとても不快。 「“イヤミス”なんていう一過性のブームで括ってはいけない」、 そう思ったのは、この不快な感じは、例えば30年後に読んでもきっと不快だろうな、と思ったからだ。 それは『許されようとは思いません』、『悪いものが、来ませんように』も同様。 嫌な気分にさせる作風というか、その技術というか、これは一過性ブームではなく、きちんと評価されるべきだろう。文筆力がなくては不可能な技術である。人の心をしっかり動かしている。 とはいえ、「もうちょっとこうしてほしかったな」という、気になる部分もあった。 咲という人物。 「こんな女子高生、滅多にいないでしょ」と思うほど、強烈なキャラクターなのだが、こんな人物が生まれるには、家庭環境が大きく影響していると考えるのが自然だろう。 しかし、家族、家庭環境という背景がほとんど描かれていない(なんなら、お母さんはごくごく普通の人)。 なので、「突然変異的に生まれたサイコパス」のような存在となってしまっている。 まぁ、それならそれでいいのだけど、家庭環境がどうなっているのかほとんど書かれていないのは、違和感があった。 小沢早苗という人物に関しても、「そこまでロボットのような、無機質な性格である必要はあるのかな」と思ってしまった。 小説を書くにあたって、登場人物に引きがあるキャラクターを与えるために用意した設定――そんなふうに見えてしまった、正直。作者側の意図が露骨に見えてしまうと、冷めてしまう。 と、このように気になる点もいくつかあったけど、 それと小説が面白いかどうかは、私個人としては、ほとんど無関係である。 「細かいことは気にするな」、である。 細かいことを気にすると、ほとんどの小説は楽しめないだろう。 ミステリー作品なら尚の事。 「細かい部分に引っかからないこと」、これは小説を楽しむコツ、小説を楽しめる人の才能だと思う。 小説の面白さは“大局”にある。 大局でみたときに、この『罪の余白』は大変面白かった。 次の展開がどうなるか、ワクワクさせるって、もうそれだけでじゅうぶんです。すごいです。
娘を亡くした父親と、彼女を死に追いやった同級生の話 日々機械的に"生かされている"ような父親が、復讐の計画によって徐々に生気を取り戻していくのが読んでいて辛かった 狡猾に見えて、明らかな罠にまんまとはまってしまう咲の幼さも、どうしてこんな風になってしまったんだろうと考えるけど救...続きを読むいようもない 一番ありがちなのが真帆のポジションで、"普通"の子がとんでもない犯罪に加担してしまうところがリアルだった 発達障がい(たぶんASD)で、人の気持ちを読み取るのが苦手な早苗だけがこの物語では救い 行動や思考に裏表のない早苗の存在が、裏の顔だらけの他の人物たちを引き立たせているようだった
著者2冊目。湊かなえに次ぐイヤミスの女王というイメージがあるが、本書は想像していたよりずっとスッとした終わり方だった。イジメを苦にして自殺したと思われる少女の父が、娘の死の真相を知り復讐を試みるのだが、子を持つ親だからか父親にとても感情移入してしまう。イジメ加害者の友人2人の性格が最低だが、こうい...続きを読むう女子のグループに属す・属さないから始まり、グループ内でのマウントなど面倒で細かいスクールカーストが学生にとって絶対だったことを思い出す。咲の所業は言語道断かつ真帆のしたことも許されないが、真帆の気持ちは少し理解できる。 加奈の落下直前のモノローグがとても悲しい。
妻と娘どちらも失って辛すぎるお父さんと腹黒過ぎる女子高生の話だけど、早苗さんの存在がなんだかオアシスだった。
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芦沢央
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