M/Tと森のフシギの物語

M/Tと森のフシギの物語

838円 (税込)

4pt

3.8

祖母から聞いた、四国の森の奥深くに伝わる「壊す人」と「オシコメ」の創造の物語を、MとTという記号を用いて書き記す。時の権力から独立した、1つのユートピアがつくり出される奇想天外の物語は、いつしか20世紀末の作家が生きる世界、われわれの時代に照応していく。海外で最も読まれている大江作品。

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M/Tと森のフシギの物語 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    大江の本の中で、エロも酷薄な殺人(描写)も出てこない、珍しい作品。だからこの文庫の裏に紹介されているように「海外で最も読まれている大江作品」なんだな。乱歩が少年探偵ものに自作を書き換えたようなところがあって、もとの『同時代ゲーム』とくらべると、熱がなく、こじんまりとまとまってしまっている感がある。た

    0
    2024年03月15日

    Posted by ブクログ

    まつろわぬ人・大江健三郎が
    地元に語り継がれてきたとされる(ホントかな?)伝承を
    モデルとして書いた小説作品
    具体的な地名は伏せられていたり変更されていたりして
    いちおう創作のスタンスを保っているが
    もろもろから察するに
    宇和島藩の城下町を追放となったならず者たちが
    宇和海賊の娘から船を借り
    佐田岬

    0
    2015年11月30日

    Posted by ブクログ

    今までにない魅力のある本。四国の山間の村に伝わる神話と幕末の歴史及び、作者が何故これに深く関わるか?が書かれた本。

    作者が神隠しに会い、神秘的な体験を通して、村の物語の継承者として選ばれた理由。また、作者の知能障害の息子と村の繋がり。

    人の一生は産まれたときから死ぬときではなく、「かれがふくみこ

    0
    2012年02月06日

    Posted by ブクログ

    こんなにも自由なイメージを喚起させるように描けるものなんだなぁと感心しました。
    おとぎ話風の語りですが、森の中は村人達だけでの裁判(昔から限界状況での自治ってモチーフはよく出ますね)や、なんだか超絶に大きな人がいたり、少年としての著者が出て来たり。
    少し異色ですが、個人的には好きです。

    あの、「ど

    0
    2009年10月14日

    Posted by ブクログ

    M/Tと森のフシギの物語


    土地に伝わる伝説がやがて身内のできごととしてせまりくる。
    もしくは、身内の出来事から歴史を手繰り寄せる。
    輪廻はその森深い土地を媒介に自分に降り、次の世代に受け継いでゆく。

    特定の土地という場所から浮遊し、“風土”と呼ぶにふさわしいかもしれない。
    人はそんな土地や風土

    0
    2021年12月13日

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