取り替え子

取り替え子

748円 (税込)

3pt

国際的な作家古義人(こぎと)の義兄で映画監督の吾良(ごろう)が自殺した。動機に不審を抱き鬱々と暮らす古義人は悲哀から逃れるようにドイツへ発つが、そこで偶然吾良の死の手掛かりを得、徐々に真実が立ち現れる。ヤクザの襲撃、性的遍歴、半世紀前の四国での衝撃的な事件…大きな喪失を新生の希望へと繋ぐ、感動の長篇!

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取り替え子 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    五良の自殺(≒伊丹十三の自殺)の根底にあったであろう“アレ”の正体を各々模索していく物語。
    奇しくも、『万延元年のフットボール』と、自殺の原因の探究という点では同じなぞらえ方をすることとなった。

    「取り替え子(Changiling)」という逸話を物語へ絡めこむ上手さ。
    終章にて、モーリスセンダック

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    2023年10月08日

    Posted by ブクログ

    奇妙なスルメ小説
     最後の千樫の推測のくだりで身震ひする気持になったが、なんとも奇妙な小説だと加藤典洋の書いてたままに評しよう。
     どうも前半までは平坦だとおもってゐたが「覗き見する人」以降おもしろかった。ギシギシの挿話に熱中させられるものがあった。
     かういふ小説は、事実背景を知ったうへで再読する

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    2023年09月22日

    Posted by ブクログ

    超良かったです。こんなのも書けるのかと驚いた、なんか初期作品読んだだけのイメージではもっと文章固くて泥臭くて何書いてるのかわからないけど力押しで読め!って押し付けてくる感じだったのが、だいぶ透き通った文体になってたのも衝撃。死者と「これから生まれてくる者」との間のChangeling。なんて優しい祈

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    2018年10月23日

    Posted by ブクログ

    文体もそれほど込み入っておらず読みやすい。それにしても本多勝一(らしき人物)の攻撃の苛烈さ。後半はやはり大江文学らしいカーニバル性。

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    2013年09月25日

    Posted by ブクログ

    「おかしな二人組」三部作のスタートとなる作品。義兄である伊丹十三の死を経て書かれた作品ということで、吾良が大きな役割を持って描かれている。とも言えるし、いやいや、吾良は彼の他の作品でだって大きな役割をいつだって担っていたじゃないか、とも思うし。終盤がとても美しかった。モーリス・センダックの絵本を一つ

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    2012年08月17日

    Posted by ブクログ

    初めて読んだ大江健三郎作品。なんか読みにくい、という噂を聞いていて読まずじまいだったんですが、最近の作品だからか、比較的読みやすかったです。
    しかし久々に人間というものをここまで深く描いた作品に出会った気がした。一言でまとめれば「いろんなことが含まれている小説」
    小説のタイトルがなぜ「取り替え子」な

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    2009年10月04日

    Posted by ブクログ


    この辺から後期オーケンとでも言うのだろうか。
    文から角というかクセが取れている(それでも読み易い文ではないが)。
    息子の光氏につき特に丁寧な扱いをしているが、唸る様な描写が少なく若干物足りなさを感じた。

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    2022年09月15日

    Posted by ブクログ

    以前に読んだ「水死」の前の時代の小説だ。「水死」を読んでよく分からなかった人物背景もよく分かった。義兄の塙吾良が、伊丹十三をモデルにしているというのも途中で気づいてからより面白くなってきた。そういえば、愛媛の「伊丹十三記念館」に行ったことを思い出した。そう考えると、いろいろなことがつながってくるのだ

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    2014年08月30日

    Posted by ブクログ

    4日くらい、1章ずつ読み進んでいたのだが、5章目に入ったところで我慢できずに一気に読み終えてしまった。
    義兄・吾良の自殺と遺されたカセットテープをきっかけに、主人公・古義人の少年時代の体験が呼び起こされる。
    古義人らが少年時代に体験した森の中の練成道場での出来事。
    そこでは、政治的な問題や思想を大き

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    2011年01月08日

    Posted by ブクログ

    大江健三郎。

    私小説というおうか、自分の人生が語られている。

    どこまでが事実で、どこまでが小説としてのことなのか、気になるところではある。



    登場人物はおそらくほとんど実在の人物。

    古くからの友人であり、義兄である吾朗(伊丹十三)の投身自殺からはじまる。



    本の中にたくさんのメタファー

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    2009年10月04日

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