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研ぎ澄まされた理知ゆえに、青春の途上でめぐりあった藤木忍との純粋な愛に破れ、藤木の妹千枝子との恋にも挫折した汐見茂思。彼は、そのはかなく崩れ易い青春の墓標を、二冊のノートに記したまま、純白の雪が地上をおおった冬の日に、自殺行為にも似た手術を受けて、帰らぬ人となった。まだ熟れきらぬ孤独な魂の愛と死を、透明な時間の中に昇華させた、青春の鎮魂歌である。
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Posted by ブクログ
幸福になるために神に頼るのは罪の本質である。 ”孤独“である為のに人を愛する孤独の自分を愛す、エーリッヒフロムも言ってましたね、愛されるために他者を自らを愛せと、正にその言葉が相応しい物語。愛があるから苦しみ、妬み、怒る、それこそが人間の最も重要な事でありその間に神の隔たりはない。過度な潔癖である汐...続きを読む見の美しい字であてられた2冊のノオトは実に素晴らしい読書体験を与えました、結末も素晴らしく斬新で読み終わった後の、”何かを失った“という感情に陶酔しましたね..脱帽
儚くも純粋な愛を知りすぎるほど知ってしまった主人公。何にも勝ることなく孤独と向き合う。 どの会話も心地よく読めた。美しい。
今から50年程前の高校生の頃読んだ作品だが 本当にこの時期に出会えて良かった。この現代で初めて読む人達には色メガネをかけずに読めるのだろうか? 自由が不自由の内の自由から 自由を飛び越え過ぎ 多様化で自由の名の不自由な現代で このプラトニックな愛情を 人に紹介はできないのか?一生大事にしたい作品で...続きを読むある。
すばらしい読書体験でした。 芸術家を志し、自分を靭(つよ)くすることに執着し、そして孤独を愛しすぎた男の、儚く切ない青春の物語。 藤木に対する、千枝子に対する盲目的な愛に、苛立ちすら感じてしまうのだが、目の前に情景が浮かんでくるような美しい文章が、主人公汐見の数奇な運命を救済しているような気がする。...続きを読む しかし、なぜゆえに浮かばれぬ恋の顛末はこれほど人の心をうち震わせるのだろう
作者の魂が乗り移った様な、登場人物のひたむきな愛の渇望や孤独に、言葉を失う一作。 書簡形式はあまり得意ではないが、それを差し引いても引力のある一冊。
心理描写が秀逸で、複雑な心のすれ違いもすんなり読み進められた。バイセクシャルの主人公というのは現代でも珍しいと思うが、当時はもっとインパクトがあったと思う。
汐見の考えはわかるようでわからんが、彼は多くの人に確かに気にかけられ愛されていたと思う。それらが目に写ってなかったけど。自分のうちではなく、外に目を向ければひとりではないことに気付けたんではなかろうか。読むうちにやるせなせくなる。 オリオン座の輝く冬に夜に読むと、美しい文章が、さらに身にしみる。
一文一文が叙情に溢れ、その繊細で美しい文を身体に染み込ませながら読んだ。恋愛のみならず戦争の羅列があったのも、私には色々と感じ入るものがあり。汐見の孤独にも深く共感や既知感があり、夢中になって読んだ。名刺代わりの10選に必ず入れる一冊。特別な小説となった。
サナトリウムで望みのない手術を自ら受け、帰らぬ人となった汐見。彼は、同部屋で親しくしていた「私」に二冊のノオトを遺していた。 物語は、この二冊の手記が中心となっている。 一冊目、「第一の手帳」 汐見が十八歳の時に下級生の藤木を愛した過去が、H村での弓道部合宿をメインに描かれる。 汐見は忍をプラトニ...続きを読むックな愛(友情)で激しく愛するのだが、忍はしだいに汐見から離れていく。そして悲しい結末が訪れます。 (私はこの一部を中学の現国問題集で読み、腐女子だったので「はっ!ボーイズラブが!」と短絡的思考でテンションを上げて、その日に本屋に寄って購入しました。この出来事をきっかけに小説を好んで読むようになったのだから、私の読書体験の原点といえる作品ですねw) 第一の手帳の時系列として、中盤すぎたあたりで悲しい結末が描かれた後に、過去に戻って忍との幸福な触れ合いや、叶わないけれど爽やかな読後感があり、胸を打たれるわけです。 で、その何ともいえない余韻をひきずったまま「第二の手帳」へ。 こちらは、藤木の妹である千枝子を愛した手記となりますが、そこには男女の恋愛にとどまらず、キリスト教や戦争・徴兵という、いわば人生、生き方が問われる展開となっていきます。 この辺は中学の時に読んでもピンと来ませんでしたが、さすがに歳くった今読むと、わかりみが深いですね。 そして二冊のノオトを読み終えた「私」は千枝子に連絡をとります。 最後の千枝子の手紙に泣きました。 全体を通して、とにかく美しい文章。ショパンの旋律のように甘い。音楽のように流れてくる文章で、哲学的な考えが随所にありますが小難しくなく、するする読める。そして、藤木の瞳が澄んだ美しさを持っていたように、冬空に浮かぶ星のような、雪解けの水が小川を流れるような、心が洗われる美しさに溺れます。それを「私」の語りである冒頭とラストの「冬」「春」でのサナトリウム(死の象徴)での厳しい出来事ではさんでいて、喪われた人、喪われた記憶、といった喪失感を際立たせています。 名作! 『藤木の眼、ーーいつも僕の心を捉えて離さなかったのは、この黒い両つの眼だ。あまりに澄み切って、冷たい水晶のように耀く、それがいつも僕の全身を一息に貫くのだ。そして僕はその度に、僕の心が死んで行くように感じ、そしてまたより美しくなって甦るように感じる』
情景が美しい。 美しすぎるからこそ、現世に遺す若者の悔恨の情が痛々しいほどに伝わる。 戦争、結核。 抗いえない運命に、神も信じられず人も信じられず、孤独なまま死ぬ男。 「神=愛」というものが存在するならば戦争は起こりえるのかという問いを忘れないようにしたい。
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