草の花
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草の花

440円 (税込)
308円 (税込) 12月25日まで

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研ぎ澄まされた理知ゆえに、青春の途上でめぐりあった藤木忍との純粋な愛に破れ、藤木の妹千枝子との恋にも挫折した汐見茂思。彼は、そのはかなく崩れ易い青春の墓標を、二冊のノートに記したまま、純白の雪が地上をおおった冬の日に、自殺行為にも似た手術を受けて、帰らぬ人となった。まだ熟れきらぬ孤独な魂の愛と死を、透明な時間の中に昇華させた、青春の鎮魂歌である。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    幸福になるために神に頼るのは罪の本質である。
    ”孤独“である為のに人を愛する孤独の自分を愛す、エーリッヒフロムも言ってましたね、愛されるために他者を自らを愛せと、正にその言葉が相応しい物語。愛があるから苦しみ、妬み、怒る、それこそが人間の最も重要な事でありその間に神の隔たりはない。過度な潔癖である汐

    0
    2024年04月16日

    Posted by ブクログ

    儚くも純粋な愛を知りすぎるほど知ってしまった主人公。何にも勝ることなく孤独と向き合う。
    どの会話も心地よく読めた。美しい。

    0
    2023年11月26日

    Posted by ブクログ


    今から50年程前の高校生の頃読んだ作品だが 本当にこの時期に出会えて良かった。この現代で初めて読む人達には色メガネをかけずに読めるのだろうか? 自由が不自由の内の自由から 自由を飛び越え過ぎ 多様化で自由の名の不自由な現代で このプラトニックな愛情を 人に紹介はできないのか?一生大事にしたい作品で

    0
    2023年08月27日

    Posted by ブクログ

    すばらしい読書体験でした。 芸術家を志し、自分を靭(つよ)くすることに執着し、そして孤独を愛しすぎた男の、儚く切ない青春の物語。 藤木に対する、千枝子に対する盲目的な愛に、苛立ちすら感じてしまうのだが、目の前に情景が浮かんでくるような美しい文章が、主人公汐見の数奇な運命を救済しているような気がする。

    0
    2022年09月17日

    Posted by ブクログ


    作者の魂が乗り移った様な、登場人物のひたむきな愛の渇望や孤独に、言葉を失う一作。
    書簡形式はあまり得意ではないが、それを差し引いても引力のある一冊。

    0
    2022年09月03日

    Posted by ブクログ

    心理描写が秀逸で、複雑な心のすれ違いもすんなり読み進められた。バイセクシャルの主人公というのは現代でも珍しいと思うが、当時はもっとインパクトがあったと思う。

    0
    2022年08月22日

    Posted by ブクログ

     汐見の考えはわかるようでわからんが、彼は多くの人に確かに気にかけられ愛されていたと思う。それらが目に写ってなかったけど。自分のうちではなく、外に目を向ければひとりではないことに気付けたんではなかろうか。読むうちにやるせなせくなる。

    オリオン座の輝く冬に夜に読むと、美しい文章が、さらに身にしみる。

    0
    2022年01月10日

    Posted by ブクログ

    一文一文が叙情に溢れ、その繊細で美しい文を身体に染み込ませながら読んだ。恋愛のみならず戦争の羅列があったのも、私には色々と感じ入るものがあり。汐見の孤独にも深く共感や既知感があり、夢中になって読んだ。名刺代わりの10選に必ず入れる一冊。特別な小説となった。

    0
    2021年10月05日

    Posted by ブクログ

    サナトリウムで望みのない手術を自ら受け、帰らぬ人となった汐見。彼は、同部屋で親しくしていた「私」に二冊のノオトを遺していた。
    物語は、この二冊の手記が中心となっている。

    一冊目、「第一の手帳」
    汐見が十八歳の時に下級生の藤木を愛した過去が、H村での弓道部合宿をメインに描かれる。
    汐見は忍をプラトニ

    0
    2021年05月22日

    Posted by ブクログ

    情景が美しい。
    美しすぎるからこそ、現世に遺す若者の悔恨の情が痛々しいほどに伝わる。

    戦争、結核。
    抗いえない運命に、神も信じられず人も信じられず、孤独なまま死ぬ男。

    「神=愛」というものが存在するならば戦争は起こりえるのかという問いを忘れないようにしたい。

    0
    2020年03月28日

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