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研ぎ澄まされた理知ゆえに、青春の途上でめぐりあった藤木忍との純粋な愛に破れ、藤木の妹千枝子との恋にも挫折した汐見茂思。彼は、そのはかなく崩れ易い青春の墓標を、二冊のノートに記したまま、純白の雪が地上をおおった冬の日に、自殺行為にも似た手術を受けて、帰らぬ人となった。まだ熟れきらぬ孤独な魂の愛と死を、透明な時間の中に昇華させた、青春の鎮魂歌である。
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Posted by ブクログ
サナトリウム。 私が生まれた時にはもうなかった施設だから、何かの作品を通して知ったのだろうけれど、それが何だったかは思い出せない。 結核、消毒の匂い、死、孤独、別れ、見送る者と見送られる者。 避けたいものばかりのはずなのに、心の奥底に憧れの気持ちがあるのは何故だろう。 孤独と愛。 孤独への愛。 ...続きを読む人は結局孤独なのだから、愛は全て独りよがりのもので。 それなのに人は人と繋がりたいと思ってしまうし、愛について深く考え込み、何がしかの他者への行動の理由に愛を据えてしまう。 人のもつ矛盾は全てここから来ているのではないかと思う。 この小説を読みながら、ずっとBUCK-TICKの櫻井さんのことを思っていた。 この小説を読まれたことはあったのかな、あったのではないかな、なくても、きっと読まれたらお好きだったのではないかな、と。 BUCK-TICK「堕天使」の中で櫻井さんは 「愛なんてそう幻想 ちょっと甘い香り」 と歌っていた。 結局、そういうものなのだと思う。
愛の限界の話しであり、反キリスト的な思考で、形而上の愛のイデアに自力で到達しようとする青春の話し。 妥協を許さない青春期特有の、極度に潔癖な論理的思考が痛々しく、孤独な自我にどんどん追い込まれていきます。 絶対的な愛(真理)に到達できずに、神に敗北する図式が悲劇的で美しいです。 理想を相手に投...続きを読む影し同じ重さの愛を求める話しかと思いきや、もっと複雑で高レベルな話しですごく面白かったです。
幸福になるために神に頼るのは罪の本質である。 ”孤独“である為のに人を愛する孤独の自分を愛す、エーリッヒフロムも言ってましたね、愛されるために他者を自らを愛せと、正にその言葉が相応しい物語。愛があるから苦しみ、妬み、怒る、それこそが人間の最も重要な事でありその間に神の隔たりはない。過度な潔癖である汐...続きを読む見の美しい字であてられた2冊のノオトは実に素晴らしい読書体験を与えました、結末も素晴らしく斬新で読み終わった後の、”何かを失った“という感情に陶酔しましたね..脱帽
儚くも純粋な愛を知りすぎるほど知ってしまった主人公。何にも勝ることなく孤独と向き合う。 どの会話も心地よく読めた。美しい。
今から50年程前の高校生の頃読んだ作品だが 本当にこの時期に出会えて良かった。この現代で初めて読む人達には色メガネをかけずに読めるのだろうか? 自由が不自由の内の自由から 自由を飛び越え過ぎ 多様化で自由の名の不自由な現代で このプラトニックな愛情を 人に紹介はできないのか?一生大事にしたい作品で...続きを読むある。
すばらしい読書体験でした。 芸術家を志し、自分を靭(つよ)くすることに執着し、そして孤独を愛しすぎた男の、儚く切ない青春の物語。 藤木に対する、千枝子に対する盲目的な愛に、苛立ちすら感じてしまうのだが、目の前に情景が浮かんでくるような美しい文章が、主人公汐見の数奇な運命を救済しているような気がする。...続きを読む しかし、なぜゆえに浮かばれぬ恋の顛末はこれほど人の心をうち震わせるのだろう
作者の魂が乗り移った様な、登場人物のひたむきな愛の渇望や孤独に、言葉を失う一作。 書簡形式はあまり得意ではないが、それを差し引いても引力のある一冊。
心理描写が秀逸で、複雑な心のすれ違いもすんなり読み進められた。バイセクシャルの主人公というのは現代でも珍しいと思うが、当時はもっとインパクトがあったと思う。
汐見の考えはわかるようでわからんが、彼は多くの人に確かに気にかけられ愛されていたと思う。それらが目に写ってなかったけど。自分のうちではなく、外に目を向ければひとりではないことに気付けたんではなかろうか。読むうちにやるせなせくなる。 オリオン座の輝く冬に夜に読むと、美しい文章が、さらに身にしみる。
一文一文が叙情に溢れ、その繊細で美しい文を身体に染み込ませながら読んだ。恋愛のみならず戦争の羅列があったのも、私には色々と感じ入るものがあり。汐見の孤独にも深く共感や既知感があり、夢中になって読んだ。名刺代わりの10選に必ず入れる一冊。特別な小説となった。
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