掌の小説

掌の小説

979円 (税込)

4pt

唯一の肉親である祖父の火葬を扱った自伝的な「骨拾い」、町へ売られていく娘が母親の情けで恋人のバス運転手と一夜を過す「有難う」など、豊富な詩情と清新でデリケートな感覚、そしてあくまで非情な人生観によって独自な作風を打ち立てた著者の、その詩情のしたたりとも言うべき“掌編小説”122編を収録した。若い日から四十余年にわたって書き続けられた、川端文学の精華である。

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掌の小説 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月25日

    『十六歳の日記』(当時の筆記を、数年後編集したもの)に始まって、生涯生み出された掌編は、今昔物語の伝統を継ぎ川端文学の本流である。
     時には残酷な、一瞬に人生を縮約した琥珀のような芳香感。決断に迷った男は、夢で「来世の妻を見せてあげましょう」と雀を見せられ

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    Posted by ブクログ 2021年12月01日

     アホの僕にはこれで終わり?となってしまうお話がちょいちょいありました。現代の刺激物みたいな物語に慣れてしまっているんですかね...?

     ただそれでも不思議だったり、ドロドロしていたり、柔らかい感じだったり、凄く色々なお話があって楽しかったです。

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    Posted by ブクログ 2021年10月03日

    人生のあっけなさ、運命の非情さを感じる作品群。
    繊細で美しくも、ときに空恐ろしく感じる文章や、読む者に判断を委ねる定点観測のような視点が、なぜだか心地良く思える。

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    Posted by ブクログ 2017年08月11日

    川端康成は、人間を奇妙な生き物を観察するように見ている。
    彼は愛に憧れていたが、愛というものを信じられなかった。もしも愛を手に入れたとしても、それが失われることが恐ろしかったのだろう。

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    Posted by ブクログ 2017年04月19日

    いろんなタイプの掌編122編。若かりし川端康成の技術の粋、という感じ。この半分くらいは20代に書いたっていうの信じられない……。解説でちょっとだけ簡単にタイプ別に分類(いくつか例を挙げているだけ)されているので、読みたいものを探す際にも参照しやすいかもしれない。また何度も読み返すと思う。

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    Posted by ブクログ 2016年02月27日

    中学生の頃に読んだけど、ずっと忘れられない。
    誰でも、この短編集の中に絶対心に残り続ける話が見つかると思う。

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    Posted by ブクログ 2014年07月01日

    以下、2014年4月時点の感想。

    「夏だった。朝毎に上野の不忍池では、蓮華の蕾が可憐な爆音を立てて花を開いた」

    この一文に天啓を受けたように立ち尽くした高校生のわたし@小汚いフジの書店、を思い出す。
    それから手を出しては忘れたりを繰り返したこの本を、ようやく通読した。
    結果、男(酷薄な)と女、心...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年06月05日

    川端康成はどんなに短くても詩ではなく小説、物語だと、どこかで目にしたことがあるが至言である。(逆に誰だかはどんなに長くても物語ではなく詩である、と続いたはずだか、誰だったか...)

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    Posted by ブクログ 2014年02月15日

    私は短編小説集は1,2編読むと慣れてきて飽きてしまうので苦手なのですが、これは例外でした(私が川端康成作品が好きだからかもしれませんが)。
    ページを繰らせるのは、作品ごとに雰囲気が変わるとかそういう驚きではないです。1篇1篇が人間や人生の破片みたいな感じがして、次はどんなふうに切り出された破片なんだ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年12月15日

    通勤やちょっとした移動時間にサラッと読み終える掌サイズの物語集。見開き2ページで終わる超短編も少なくないから読みやすい。中身も切ないもの、心温まるもの、余韻が残るもの、よく分からないもの、心に突き刺さるものなどなど味わい深い。ずーっとこんな本を探し求めてた。

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