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細川ガラシヤ――。彼女の父は、謀叛を起こした明智光秀。夫は、冷ややかに父を無視した細川忠興。無垢な心と比類なき美貌を併せ持つ彼女に課せられた運命は、あまりにも過酷であった。深い苦悩の末、禁制のキリスト教に救いを見出したのも束の間、関ヶ原合戦の前夜、彼女は自らの命を絶つことになってしまう――。ガラシヤ夫人の愛と苦悩、憂愁の生涯を描く感動の長篇小説。
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Posted by ブクログ
「信と不信」の狭間で揺れ動くガラシャの描写がとても好きです。「信と不信」はこの物語の核でもあり、光秀、忠興、キリスト教、そして最後に自己を信じるか否か、その心理描写が内省的でありながら軽やかな筆致でつづられています。 「見つめることは傷つくこと」、「互いに愛し合っていた故に別の世界にいることを確かめ...続きを読むあってしまう」など、何度読んでも心に刺さる文章が多いのも特徴です。 忠興との関係もどちらかが一方通行なのではなく、理解しあい、尊重したいと思うたびに相手と自分の幸せは違うのだと痛感してしまうとがとても苦しい。愛し合っていても幸せになれないところが細川夫婦の描写としてとても素晴らしいなと思います。
細川ガラシャ。戦国時代を生きた女性の中でも好きな人だ。やはり凛としていて潔い。 随分前だが、ガラシャが幽閉されていた味土野に行ったことがある。行き着いたところは道の終わり…山の中。ガラシャがいた証の碑がそっと建てられていた。こんなところに何年もいたなんて…とガラシャの気持ちを思わないではいられない...続きを読む場所だったことを思い出した。 生き様が清々しい。心が美しい。 改めてガラシャの強さを感じた本だった。
細川ガラシャ。旧版蔵書。 永井路子の本はほぼ読破しています。最も好きな時代作家。残念ながら手元に残っていない本を「読みたい」カテゴリ登録してるけど、かつて一度は読んだ(笑)。
歴史小説ではありますが、心理描写が多くて読みやすかったです。 主人公のガラシャは、この話では現代人にすごく近い感覚を持っている女性。 決して自由とは言えない身分ある立場でいて、それでも己の信仰を貫かんとする姿勢が眩しく美しかった。 しかしそれ故に相容れなくなっていく忠興との愛の擦れ違いが切ない。 時...続きを読む代がもっと違うものだったなら、と思わずにはいられないです。
明智光秀の娘ガラシャが信仰というものを通して自分を貫く話。 ガラシャの内省的な性格、というか自分の精神に興味がいく性質は現代人に近い気もする。
この本の細川夫妻はほんと愛し合っててすてきです…!忠興の一方通行じゃないよ!(笑)けれどやっぱり最後には、ふたりは別世界の人間になってしまうんだなぁ。お互い想い合っているのは確かなのに。くるしい愛情。
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