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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 一九八〇年東京。大学に通うかたわらモデルを続ける由利。なに不自由ない豊かな生活、でも未来は少しだけ不透明。彼女の目から日本社会の豊かさとその終焉を予見した、永遠の名作。
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Posted by ブクログ
80年代を喉から手が出るほど吸収したいと思ってる私にとってはまさにバイブル的本になりそう。確かにクリスタルですねぇ、、こんな洒落た生き方したいわぁ
自分が生まれていない1980年代前半の空気感が伝わってきて、貴重な体験ができたと感じる本だった。 物語自体に抑揚はなくて、当時の日常そのものが切り取られているような内容は、興味深かった。
意外とインスタ世代に通じるものを感じる。 年代的な話は、注釈読んでもわからん。 でも、一番衝撃なのは、最後のページの、 高齢化に関する統計データ。 このクリスタルな世代で日本のいい時代が終わることを予言しているのか。
素直に読む
女子大学生であるうちにこの作品に出会えてよかったと思う。気分の良い方を選んでると言いつつ、社会的に恥じないように心掛けているのが垣間見える由利のような華々しい生活を送っているわけではない。ただ、自身の認識の中で気分の良い方を選んでいるのは私と同じだった。現代ではそのように生きている人が多い
人生で一番読み返している本。 ある時は脚注を丁寧に参照しながら。ある時は脚注は無視して物語だけに集中して。 平成5年生まれの私にとってバブル期の大学生の輝きは「なんとなく」なんかではないと思っていた。しかし、この作品を通してどんな時代でもキラキラだけでなくもやもやしたものがどこかに絶対に存在してい...続きを読むるということを知った。 18まで長野県にいた私は、こんな人が知事をやっていたんだなあ、と本の内容からやっと著者の内面を見た気がした。
「軽薄な作家が、軽薄な学生のことを書いた小説。何でこんな小説が『芥川賞』の候補になったのか、訳がわからない」それがこの本を読み終えた第一印象だった。一流大学に通う、セレブな階層に所属する女子大生が、誰もがうらやむような生活を送る様子を描く小説。格差社会の現代で、こんな小説を発表する作家がいたら、周囲...続きを読むから総スカンを食らうことは確実である。ところが、作者のあとがきを読んだとたん、その印象は一変した。彼によれば、自分で読みたい青春小説を書きたかったのだという。今まで彼が読んできた「青春小説」は、現代の大学生の実態とはあまりにもかけ離れていた。そのことに違和感を覚えた彼は、それだったら自分で、今の大学生が何を考え、どう思っているのかをみんなに知ってもらいたかったのだ。そういう意味では、この作品は’80年代を代表する小説といえるかも知れない。
35年前の小説ですが、いくつかの固有名詞を置き換えれば今のことを書かれているかのようで、びっくりしながら読みました。と同時に、なんだか私たちの時代のその先が恐くなりました。「なんとなく」というのは適当に生きてるわけではないのだけれども、確たる感じもないので…。それをこんなふうに、ある意味見事に開陳さ...続きを読むれてしまうと、自分で保てる自分の身の置き場がない感じになるというか、落ち着かなくなります。なのでこの小説は結構ショッキングでしたが、『33年後の~』も気になってしまいます。
光源からの光を受けて輝く「クリスタル」のように派手な生活を送る学生たちのストーリーと、著者のユーモアと皮肉が盛り込まれた注というストーリーが並行して進み、最後に日本の将来を(まだ甘いながら)悲観的に予測する政府の統計が示される。 注には今では聞かないブランドやショップの名が並ぶ。1980年の大学生は...続きを読むいま50歳前後。 高橋源一郎さんの解説も冴えています。 続編の『33年後のなんとなく、クリスタル』も読んでみたい。
新装版が出たので、再読。今でこそ、日本文学のマッチョな教訓的なものとは違う軟派な欧米化された小説は村上春樹や片岡義男などにより見慣れたものとなったが、当時は賛否あったのだろう。業界用語の連続のように横文字が並び、それぞれに細かい注釈が本文に溶け込んだ補足のように不思議に書いてある。現代人の、都会人の...続きを読む小説。 あと、高橋源一郎の解説レベル低すぎ。この人もう『さようなら、ギャングたち』と『ジョン・レノン対火星人』ぐらいで終わってるからそろそろ静かにして欲しい。
連休を利用して祖母宅に遊びに行った際に、今年で還暦を迎える叔父の本棚から引っ張り出して読んだ。新装版ではなく河出文庫版の第三版(1983年)、やや黄ばんだ裏表紙にはバーコードは無く、刻印された価格は実に320円であった。 『なんとなく、クリスタル』は、1980年当時の「感覚で生きる世代」の生活を独...続きを読む自の視点と文体で描いた小説である。小説とは言っても、大半が地名やブランド名といった固有名詞とそれを説明する註釈で埋め尽くされたこの文章には、意外な展開や起承転結はこれといって用意されていない。描かれるのは当時の日本にもたらされていた暴力的なまでの物質的豊かさと、それを安穏と享受する裕福な若者たちの心情に尽きる。学歴、親の職業、最寄駅、住居のタイプ、飲みに行く街、お気に入りのレストランの名前、身につけるブランド、日用品や食糧を買う店。こうした記号を何よりも重要視する人々を中心に、東京に染みついた資本主義を淡々と(薄っぺらく)書き出した作品である。 特筆すべきは、これらのきわめて資本主義的な考え方や生活が冷笑的もしくは批判的に描かれているのではなく、著者・田中康夫が「そちら側」であることが、本文や註釈の行間からありありと伝わってくることである。田中康夫は東京・武蔵野に生まれ、一浪の末に(本文風に言えば)「中央線の西端付近に位置する国立(こくりつ)の文系大学」に進学、四年生時に日本興業銀行の内定を得るも留年し、その暇を利用して『なんとなく、クリスタル』を書いた。バブルを目前に控えた1980年という時代背景、成功と挫折・プライドとコンプレックスが織り混ざる経歴を鑑みると、彼の文章から滲み出る資本主義的価値観や俗物感は何ら違和感のないものと言えよう。彼は堅物な文筆家ではなく、単なる中上流家庭出身のエリート就活生に過ぎないのだから。言うなれば、本書は昭和版の「タワマン文学」と言ったところだろうか。 もっとたくさんのお金が、もっと良い肩書が、もっと高級なブランド品が、もっと好立地で広くて綺麗なマンションが、もっとイケてる恋人が欲しい。もっと周りからすごいと、かっこいいと、羨ましいと思われたい。日本が相対的に特段豊かな国ではなくなり、今後も衰退の一途を辿ることが目に見えている現代においては、こうしたギラギラした価値観を顕にする人々はもはや港区周辺でしか見られなくなった。一方で、資本主義的な物欲が人々の間から無くなったわけではない。給料は上がらず、税金と社会保障費が上がり、不動産価格を中心に物価が高騰し、ほとんどの人が「物質的に豊かである」と感じられなくなった現代だからこそ、資本主義の「勝者」に対するルサンチマンは1980年当時と比べても肥大化しているとも言える。『なんとなく、クリスタル』を読んだ感想は、当時の若者と今の若者の間でどう違うのだろうか。「このような生活がしたい、羨ましい」と思う人が多いのか、「くだらない価値観だ、空虚だ」と感じる人が多いのか。はたまた、「そうだそうだ、良いモノやイケてる人に囲まれてないと生きてる意味ない」と同意する人が多いのか。おそらく読んでことのない人の方が多い同世代に是非読んで欲しい一冊。
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