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性に耽溺し、政治に陶酔する右翼少年の肖像『セヴンティーン』。痴漢をテーマに“厳粛な綱渡り”という嵐のような詩を書こうとする少年と青年Jを主人公に、男色、乱交などあらゆる反社会的な性を描き、人間存在の真実に迫る問題作『性的人間』。現代社会の恐るべき孤独感を描いた『共同生活』。政治的人間と性的人間との交錯に、60年安保闘争前後の状況を定着させた3編を収める。
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Posted by ブクログ
生物が元来脈々と受け継いできたという意味で大いなる他力である性に自己実存を委ねることを、全て肯定できるかというと、突っかかるところがある
短編集「性的人間」「セブンティーン」「共同生活」。「セブンティーン」は日本社会党委員長・浅沼稲次郎刺殺事件を題材にしていて、主人公の青年が右翼に目覚めていく様子が、迫力の筆力で描かれいます。
「セヴンティーン」が読みたくて。 人間の生と性。しれっと、社会と関わっていながらも、人間は孤独で変態。
これが初めて読んだ大江だったのですが、そんなに読みにくいと感じることもなく読みました。いろんな意味で衝撃。60年代の若者も迷走してたんですね。「セヴンティーン」は痛いです。軍服着て風俗行く十七歳…。
何度読んでも、このドロドログズグズ具合がたまりません。 どのお話も凄すぎます。 12.05.07 なんてこった!こんなのが読みたいと思っていた、そのままの作品に出会ってしまった! 暴力っていう安易な表現を使わずにグロさと病んだ雰囲気を描いた本ってなかなか無いから狂喜しました。 これ、星10個く...続きを読むらいつけたいです。 狂気に向かって上り詰めながら終わるところも良いな。 矛盾や欺瞞や情緒不安定を適当に流さず突き詰めていく描写が素敵。 あー、大江健三郎もっと読もう。 09.05.08
大江健三郎の変態度maxの小説を集めた中・短編集ですね!アホらしい程下劣で変態なんだけど、人間の生きる意味や方向性なんて所詮はその下劣な欲望に基づいてるんじゃないかと、不思議な説得力と文学的な高尚さも感じます。 特にセヴンティーンが素晴らしかったですね!女子生徒が生理で体育を休んでいる日をチェックし...続きを読むて全生徒の生理日を把握し、且つオギノ式で安全日も割り出すアホ同級生に何故か愛しさを感じてしまいました。
ありのままの姿、自己を表現したときに、それが受け入れられるものでありたいと願い、孤独を拒否し容認せず、繋がりを求めて、安心をえたい。 けどそれは不安をともない、だから自己欺瞞する。そこには葛藤とフラストレーションが生まれる。その度数が高ければ、それを満たすための仮の表現方法も過激になり、また閉じ込め...続きを読むれば神経症になったりもするのでしょう。だからといって、それは社会では容認されることではなく、阻害されることにもなり、孤立をうむことにもなる。 やはり思うのが、そこにはもって生まれた特質、性質を理解したうえで社会に自己を投企する為の技術が必要であるということである。未知であるが故に不安が付き纏うのは当然であり、ただたんに、その人の感性、感度、解像度によりレベル指数が違うことだとも思う。 生き方というものが技術ようするとしたら、そこには器用さが影響してくると思う。愛することが技術であるように。
「性的人間」「セブンティーン」「共同生活」と衝撃的な三篇収録。 特に「性的人間」「セブンティーン」は今の時代コンプラ的にもアウトだと思うが、今こうして売られている。大江健三郎さんはやはり凄い。どんなに性的な話も独特の文体で高尚な作品に仕上げる。考えてみたら滑稽な話ばかりなんだけど、高尚な話を読んだ気...続きを読む分になって読後の満足感は最高である。 痴漢クラブって……笑っちゃうけどメチャ面白い。 人間と性と変態性、きってもきれない関係。
中編3つ。三作とも自己の内面を追求した(押しやられた)結果、陥穽に落ちた青年の話。青年ならではの心の動きとも言えそう。「共同生活」が一番わかりやすくてよかった。「セブンティーン」の終わり方が半端で、作者が右翼とは思えず不可解だったが、実は第ニ部があって公開されていないということを知って納得とともに興...続きを読む味をもった。2019.6.26
「性的人間」 フリーセックス思想の限界に触れて 彼はテロリストになった すなわち痴漢である 加虐者であり、被虐者である彼は 同時にあきらかな敗北主義者でもあったが たのもしい2人の痴漢仲間とともに めくるめく性倒錯の世界を切り開いてゆくのだった その終わりには何があるというのだろう? 本当にろくでも...続きを読むない 「セブンティーン」 ナショナリズム・パトリオティズムに対しては誰もが恐れと羨望を感じ とりあえず悪と決めつけるしかない そんな時代 与えられた自由よりも、あえて選び取った束縛に 身を投じることでしか反抗期を得られなかった少年の 悲しみと恍惚を描いた物語である 二律背反が彼を果てしのない狂熱へと導く しかし本当に彼は彼の意志でそれを選び取ったのだろうか? 「共同生活」 入社するなり閑職に追いやられた若いサラリーマンが 自宅にては妄想に苦しめられている その妄想とは、4匹の猿たちが四六時中見張っているというもので 若者は、彼らに対する恐れと共に ある種の仲間意識を感じている それはミソジニーと、性欲を恥じる心が呼び寄せた ホモソーシャルだったのかもしれない
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