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Posted by ブクログ 2024年02月17日
再読。本当に大好きな作品。
ひと夏の幸福な時間を描いているはずなのに、最初からずっと暴力的な予感がある。
「僕は率直な気持ちのいい、空気のような男になれそうな気がした」と言うように、「僕」は意識的に静雄や佐知子に自分の中を通り抜けさせているように思う。この話は「僕」から見た静雄や佐知子の物語なんじ...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年09月03日
いわゆる“ドリカム状態”の男女三人(表現が古い?)の青春を描いた表題作と、仕事のストレスから精神を患い医者に勧められたのがきっかけで走ることに夢中になった若者を描いた「草の響き」の二本収録。
以前読んだ「そこのみにて光輝く」同様、若者たちの間に漂う閉塞感みたいなものの描き方秀逸で、1970年代後半か...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年07月20日
共に21歳の僕と静雄はふたり暮らし。そこに僕の彼女である佐知子が加わる。
全体をとおして常に息が詰まってしまうような淡々と語られる青春小説。
ほこり臭くて、じめっとしている。
僕が彼女である佐知子を躊躇なく静雄に渡してしまうなど、僕の心情がなかなかつかめません。
後半、静雄が気を違えてしまったり、文...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年03月05日
多くを語らない主人公が、そのまま作者の繊細な誠実さをうつしているように思った。僕と静雄と佐知子の夏。その終幕には鳥肌が立った。言葉を失うとはこのことか。
佐藤泰志が、詩人の方々の間で名前があがる理由がなんとなくわかったような。ぐるぐる語らない語り。露悪的にならないヒントがここにあると思う。
とりあえ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月02日
『きみの鳥はうたえる』
知らないはずの昭和の夏のにおいがする。(自分とは縁のないような)眩ゆいきらめきに満ちた日々の中に、ときおり恋愛・家族・生きることについての鈍い痛みがはしる。「僕」の捉えどころのなさ、佐知子の軽(やか)さ、静雄のナイーブさ…時に首を傾げる点もあったが、決して広くはない世界で、一...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月25日
『きみの鳥はうたえる』に集録されている「草の響き」を先に読み上げた。
同タイトルの映画を先に観たところ、今の自分の状況と重なるところがあり、原作を読んでみたいと思い購入したもの。
個人的な感覚では、スラスラ読めて情景が目に浮かびやすい、というものではないが、ところどころで立ち止まりながらゆっくり...続きを読む
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