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脳科学者と中国文学者が東洋・西洋の普遍について縦横無尽に論じ合う。テーマは「漢字の凝縮力」「見える世界、見えない世界」等。多極化する世界における思考のエクササイズが一冊に。
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Posted by ブクログ
西洋脳と東洋脳、読んでいて確かに違いはあるって思った。イギリスの大学に出す日本についての論文には論ずる視点を沢山提供してくれる本だった。
西洋のオープンエンドな世界観に対し、中国は予定調和的という指摘はうなずける。しかし、西洋でもプラトン立体の数に準じて太陽系の惑星の数が5つとか、ある種の呪縛があったように思う。 付言:映画の「映」の字は、西洋人には「シャベルを持って蒸気機関車に石炭をくべている人」に見える。加藤教授のこの手のトリ...続きを読むビアが愉しい。
読みやすくて、おもしろかった! 気になったことをメモメモ。 ・中国の美意識・・・一極集中だという。なるほど。 ・海外に流出する中国人。リスク分散のハシュ(←携帯で漢字が出なかった)本能で、どこかがやばくなったら、そうではない親族のもとに逃げるという考え。 ・「自分たちは先祖と同じ民族」 ・...続きを読む日本は江戸基準 中国は清朝基準 ・歴史的な経緯で染み付く、身体感覚・・・トラウマみたいなものか。過去こういうことがあったから、それを避けようとする。今読んでいる『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(加藤陽子)にもそういうことが書いてあったなぁ。感情と感覚。・・・あれ?感覚と感情? ・日本化する=日本化できないものは入ってこない・・・なるほど。カタカナ英語とか、いろいろな概念はやはり「日本の身体」を通して得られるのか。その枠組みを広くできたらいいけれど、いずれにせよ、その長所と短所があるんだろう。 ・鶏鳴狗盗・・・日本は均質性の押し付け合いであるが、中国は異質のものもそのまま受け容れる、というのは目からウロコだった。違って当たり前であるから、多種な民族を抱える大国なのだという。なるほどなー。日本だったら、同じか違うかでグループが変わるもんな。そこで階層も生まれる場合がある(身体的な優劣、クラスのイケてるヤツ、イケてないヤツなど)。それは自分にもがっちり当てはまっていて、弱いものに対して守らなきゃとか可哀想とか思うのは、けっこう日本的なところなのだと思った。道徳ではないとは言わないけれど(言えない)、それは平等に扱っていないという意も含んでいる。 ・デフォルトは漢民族 ・オープンエンド=終わりが分からない・・・西洋はオープンエンドであるがゆえに、自分たちのパラダイムを変えて、未知のものを求める。 ・中国文化の美意識・・・陰陽五行的な、初めに枠組みありき ・ブリコラージュ=「手持ちの道具で何とか対応してしまう生命固有の能力をいいます。」 こんなところにレヴィ=ストロース! ・痩せ我慢の美学(日本)・・・騙されてもいい、踏まれても蹴っ飛ばされても、美しい嘘を信じたい。←これに笑った。ははは、でもわかる。 ・「西洋では、社会のそのときの「常識」に反する個人の行為が「天才」と讃えられる。一方、東洋では何よりも「調和」が求められる。」 ・対人関係にものすごく依存している思考形態 ・摩擦抵抗が大きい東洋、小さい西洋・・・結果、そこにエネルギーを費やしてしまう。なるほど。 ・今の脳科学では、個人というのは社会的に構築されるものだ、ということが普遍的 ・自分の中に異質なものが混ざり合うような動きがない人は、結局リヴァイアサンとしてのエネルギーも出てこない←これは大事な気がする。せめぎ合いの造るエネルギーは、それが負だろうと正だろうと大きい。ちなみに文学の意義のひとつは、このせめぎ合いをいかに、どう、みせるかなんじゃないかな。 ・直接本書とは関係ないが、違う本を読んでいたのに重なる部分があると気付くと楽しい。今回(というか今のところ)、先述した歴史的トラウマと、もうひとつ、『ガリヴァー旅行記』。これ、『シンデレラの時計』(角山栄)でも紹介されていたな。よし読もう。
タイトルから想像していた内容とは違ったけど、興味深かった。 「王道」と「覇道」の違いが印象的。
脳科学者と中国文学者の対談。 欧米を追いかけてきた日本をあっさり抜き去った中国は、独自の進化を遂げた国だ。独特のバランス感覚で55の他民族をまとめ上げる中国のリーダーは尋常ではない力量と度量を持っている。 いま世界が中国に注目するのは、欧米とは異なる普遍を持っているからだ。 科学は一神教の宗教観が根...続きを読む底にある。20世紀、科学の進歩とともに欧米の文化が世界を席巻したのは偶然ではない。アジアは多神教だ。そのアジア的宗教観を根底にしたもう一つの普遍が中国にはある。 そして、日本は古来より中国の文化を取り入れ、そして20世紀は欧米の文化を取り入れた。いわば東洋と西洋のハイブリッドになる可能性を秘めているのが日本だ。
東洋と西洋の考え方の違いを踏まえ、それぞれの文化の得意な部分を生かしていくヒントを与えてくれる本。ハイブリッド車のように、東洋と西洋の良さを相互作用によって、上手く動かしていくには、中国を知ろう!ということ。 中国4000年の歴史に学ぶものは奥が深そう。
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