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その昔、世界は78回転で回っていた――。
「78(ナナハチ)」という名の一風変わったSP盤専門店から、この奇妙な物語は始まっていく。置き手紙を残して失踪した謎の店主、店の常連客の若者――ハイザラ、バンシャク、二人が思いを寄せる女性・カナたちのお話が進んでいくにつれ、大昔の伝説の楽団「ローリング・シェイキング&ジングル」、〈失意〉を抱える作家、中庭と犬をこよなく愛する老人、未完の曲を残したまま消息を断ったチェリスト、その父を探す息子、「夜の塔」という名の7重の塔に棲む7人の姉妹の様々な時間・場所の物語が響きあう。
Posted by ブクログ 2013年05月14日
時間とは、
留まる事なく失われていくだけのモノだと、思っていたが、
刻まれて、残っていくモノでもあるんだな、と言う事に改めて気付かされた。
例えばそれが、
大会社の設立とか、
歴史を大きく変えたとか、
たくさんの人の為に尽くした、とか、
自分以外の人達にも残るような立派な記憶ではないとしても
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Posted by ブクログ 2011年11月24日
78回転のSP盤から繋がる物語。少年たちは冒険の末に終着駅でSP盤を見付け、ドーナツ屋の隣にはSP盤の専門店があり、SP盤に吹き込まれた曲の演奏者にも物語があり、世界は78回転で回り続ける。
少し現実から浮いた物語です。その浮遊感が何とも言えず気持ちいいんです。作り込まれているんだけど、さり気なくそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年07月22日
江戸っ子的な粋と西欧的なチャーミングさの、細い共通の糸をきれいに回収してくれる数少ない作品だとおもう。
なかでも『クローディアと靴箱の都』神懸かっていて、小説だけども、一編の詩のようで、あまりにうつくしいので、想像の世界から抜け出せない。
デタラメに響き合う世界のことがかかれているが、どれも細い糸で...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
ブラシで洗いこまれた、もう何年も使っている木の机に、さりげなく置かれているような本というか
古いものを懐かしむような、
慈しむような、
「レトロ」では足りない、セピア色の記憶に、
鮮やかな赤と黒の境界がある感じ。
(それはきっと私の「レコード」のイメージ)
わたしは...続きを読む
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