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Posted by ブクログ
この本を読むと、著者のライフワークである「生命誌」の根底となる考え方がよくわかる。
僕は中村桂子先生の本は文庫、新書であれば全部読みたいと思っており、本書は2013年の出版ながらその存在をお粗末ながら、書店で偶然見つけて知った。当然、さっそく手に取る。
著者は、2011年の東日本大震災後、科学科学技術が自然と向き合っていないとこを問題視する。それは、科学技術者が漏らした「想定外」とうい言葉にある。
自然が全て解明されていないのに、特定の数字をきめて計算するうちに、人間がすべてを設定できるという気分になり、その数字の中で考えるようになる。その結果、傲慢になる。科学者が日常的な生活者としての感覚をもっていないということだ。
「人間は生きものであり、自然の中にある」ことを繰り返し主張する。「活きた自然のと一体感」が重要。
この問題の解決方法を大森荘蔵を引用し、「密画的世界」(科学による理解)と「略画的世界」(日常的感覚での世界)との「重ね描き」と説く。
最終章で、日常感覚や思想性を求められるのは研究者に限らない。政治家、官僚、企業人などすべての人が、その専門からだけでものを見るのではなく、生活者、思想家であることが求められると説く。
企業人である僕は、思わずドキリとし、この本を読む価値に改めて気づかされた。
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