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「知の巨人」佐藤優氏と「メディア界の長老」竹村健一氏による知的興奮に満ちた白熱のインテリジェンス対談書。沖縄、ロシア、憲法、官僚、宗教、読書法……多角的論点から整理された、佐藤氏による対象への圧倒的な洞察と分析を、膨大な情報と経験に根ざした竹村氏の問いが見事に導き出してゆく。読む者の知的構築力を鍛え、日本と世界の実相を理解し、未来を考えるための1冊。
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Posted by ブクログ
この値段でこんな本が読めるのはありがたいと思います。勉強法のところは高校生以上なら参考になるかと。 それ以外の部分も多くの人に読んでほしいですね。
2008/11/24 メトロ書店御影クラッセ店にて購入 2011/9/16〜10/1 佐藤優氏と竹村健一氏の対談集。私も昔、竹村氏のラジオを良く聴いていたので、懐かしかった。佐藤氏や竹村氏が、小渕さん、森さんを高く評価しているのは意外であった。マスコミが報道しないので誤解されていたのか。また、佐藤氏...続きを読むの憲法解釈も興味深い。しかし、後書きで竹村氏、解説で中瀬氏も述べているように、佐藤氏を評するのに「知の巨人」という言葉はとてもしっくりくる。
佐藤優、竹村健一の両巨匠による対談を、2007年12月に発刊したものを文庫化したもの。両氏の生い立ちや考え方のよく分かる本。両氏とも基本的に保守的な自由主義者であって、天皇制を重んじる国際派であることがわかる。佐藤氏が、護憲論者であることには驚いた。 「収監された日のメニューは今でも覚えています。...続きを読む青椒牛肉絲、小エビがたくさん入った中華スープ、ザーサイで、外部から食事の差し入れも可能なのですが、「食事は思ったより美味しいのでとくに差し入れはいらない」と断ったほどです」p20 「国家というものがある限り、戦争は避けられない」p30 「問題点があるにしろ、国家がその方向に動いていくのであれば、それに対応する知恵を出さないと生きていけない」p53 「(英国)町なかのパブにのみに行くと、パブに扉が2つある。中産階級はサルーンという扉から入っていきますが、労働者階級はパブという扉から入る。なかは一緒です。それなのに入り口が異なる。「なぜこうなっているんだ?」と聞いたら「扉を開けるときに気分が違うんだ」といわれました」p114 「官僚の世界でも、みながやりたいことをやったら組織はバラバラになってしまうので、8割くらいの人はいわれたことだけやろうという姿勢でいいと思います。そのうえで、残り2割が乱暴なことをやっても、それを受け止めることができるのが強い組織です。ですから、それを見てくれる上司の存在が重要です」p129 「諜報員をひとり東京に送り込んだら、年間5000万円くらいはかかります。家賃が月額100万円以上、場合によっては200万円くらいの一等地のアパートが必要になる。時には自宅でパーティーを開かねばなりませんから。当然車もそれなりのものを用意します。それほどコストがかかるにもかかわらずたくさんの諜報員を送り込んでいるということは、東京がいかに重要な都市かがわかると思います」p134 「中国が超大国になるのは間違いない。それは日本にとって煩わしいが、発展を阻止することはできません」p194 「ペイさえ払えば、いまのロシア人はとてもよく働きます」p211 「欲望を抑えるのはイデオロギーにしかできません」p214 「人間の文化とは恐ろしいもので、たった20年か30年、徹底した教育をすれば、たちまち、そういう感覚になってしまうのです」p215 「共産主義とは危険な思想で、世界を制覇するという発想があります」p236 「日本はキャッチフレーズ先行の社会で、政治家の人気が高いというのはキャッチフレーズが上手いともいえる。そうした政治家のやり方に慣れると、政治の本質を見失う。つまり民主主義の精神が鈍化していく。すると、やがてその指導者が日本の国体を意のままに変更しても、誰もストップをかけることができなくなる」p289 「右翼・国家主義陣営に属する一部の人々は「法律で定められているから小中学校では国旗を掲揚し、国歌を斉唱することを、教師と生徒に義務付けるべきである」と言う。これもおかしな話だ。押し付けるから国家に対する忠誠心や同胞に対する共感は生まれない。そもそも国旗、国歌を法制化するという発想自体が間違っている。法律で規定したことは法律で変更することができる」p325 「日本のいま、特に若い世代に問題なのは、興味を持つ力が落ちていることではないでしょうか」p332
なまじっかなビジネス書よりもよっぽど勉強になる。親子ほど年の離れた二人がお互いに敬意を抱きつつ対談する様子も伺えて読んでいて楽しかった。
天皇や憲法に対する考えは全く逆の二人だが、タイトルにあるように、寛容と多元主義こそがこれからの世界の平和に重要であるという点で一致している。 そのためにも欧米の一神教的思想では無く、神道の精神を世界に広めることがその具体的な方策になりえるとの見解には賛成。
今まで自分の中で曖昧になっていた部分がクリアーになる快感が味わえる。例えば憲法改正の問題。感覚的に改正すべきでないと思っていたが。権威と権力が明確に分けられていること。天皇は日本国の象徴という権威を持っていて権力を持っていないことが大事だという点。うなずける。こと憲法問題に関しては竹村氏は改憲、佐藤...続きを読む氏は護憲だが、佐藤氏の方が説得力あり。佐藤氏は保守、革新、右派、左派というカテゴリーに当てはまらず自由に論理的、そして現実的な解決策を提示していく。これが実に新鮮。
テンポ良い対談。新しい見方を発見できた一冊。 人間の煩悩から来る悪を見定め、知的に対応する佐藤優氏のパワフルなエネルギーに勇気をもらう。 佐藤優氏の本ははじめて読んだが、彼は護憲派だったことを知る。 理由は、愚集政治の中で、人民主権さえ守れば良いという気風が出来上がると、世界に稀な皇統廃絶...続きを読むにつながる可能性があるということ。逆に天皇が元首として君臨し、交戦権が認められ、戦争に敗れた場合、天皇制が崩れる可能性がある。かえって、よれよれの今のままのほうが良い。 ●日本の場合、政治権力は転々とし、様々な間違いを犯しますが、皇統と言う権威によって国家は維持されています。それに対するロシア人の尊敬は大変なものです。ロシア革命の騒乱の中で、ロマノフ王朝一族を皆殺しにしてしまった。いまになってロシア人はそれを後悔しています。 ●日本という国を考えた場合、権威と権力が明確に分かれていたから、ここまで発展したのだということです。・・・権威と権力が別れていれば人間は多元的な価値観のよさに気づく。 ●自虐史観が成立するのは、日本が神の国だからなのです。皇統の伝統が続いている国だから、過去に対して永遠に責任を持たないといけないという刷り込みがもたらされる。中国のように革命が起こる国では、前の国の施策には責任を持ちません。
日本は世界から甘く見られてしまうとか、財布のように思われているなどと言う話はよく聞きますが、優秀な政治家や官僚もそりゃ、いますよね。皆さんそれなりの鍛練を積んで今の地位にいるわけですから。そういう人たちが十分に力を発揮できる国造り。重要だと思います。
佐藤優と竹村健一との対談です。竹村が佐藤の考えを巧みに引き出しています。 竹村については、昔テレビで活躍した保守派の論客という程度の知識しかなかったのですが、本書を読むかぎりでは、佐藤と同じく保守と革新の垣根にとらわれない自由な思考をおこなうことのできる評論家のように思えます。 竹村の本を検索し...続きを読むても、処世術めいたタイトルの本ばかりがあがってくるので正直いって敬遠していたのですが、本書を読んでやや認識を改めました。
竹村健一氏が、佐藤優氏と三日間、寝食を共にして語り合った対談集。それぞれのエピソードは、非常に興味深いものがあった。
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国家と人生 「寛容と多元主義が世界を変える」
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