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日本の左翼は何を達成し、なぜ失敗したのか?
――忘れられた近現代史をたどり、未来の分岐点に求められる「左翼の思考」を検証する壮大なプロジェクト。
深刻化する貧困と格差、忍び寄る戦争の危機、アメリカで叫ばれるソーシャリズムの波。
これらはすべて、【左翼の論点】そのものである!
激怒の時代を生き抜くために、今こそ「左の教養」を再検討するべき時が来た――。
◇◇◇◇◇
戦後復興期に、共産党や社会党が国民に支持された時代があったことは、今や忘れられようとしている。
学生運動や過激化する新左翼の内ゲバは、左翼の危険性を歴史に刻印した。
そしてソ連崩壊後、左翼の思考そのものが歴史の遺物として葬り去られようとしている。
しかし、これだけ格差が深刻化している今、必ず左翼が論じてきた問題が再浮上してくる。
今こそ日本近現代史から忘れられた「左翼史」を検証しなければならない。
「日本の近現代史を通じて登場した様々な左翼政党やそれに関わった人たちの行い、思想について整理する作業を誰かがやっておかなければ日本の左翼の実像が後世に正確な形で伝わらなくなってしまう。私や池上さんは、その作業を行うことができる最後の世代だと思います。」(佐藤優)
【本書の構成】
◇日本共産党の本質は今も「革命政党」
◇社会党栄光と凋落の背景
◇アメリカで社会主義が支持を集める理由
◇野坂参三「愛される共産党」の意図
◇宮本顕治はなぜ非転向を貫けたか
◇テロが歴史を変えた「風流夢譚事件」
◇労農派・向坂逸郎の抵抗の方法論
◇「共産党的弁証法」という欺瞞
◇労働歌と軍歌の奇妙な共通点
◇共産党の分裂を招いた「所感派」と「労農派」
◇毛沢東を模倣した「山村工作隊」
◇知識人を驚愕させた「スターリン批判」
◇天才兄弟と称された上田耕一郎と不破哲三
◇黒田寛一と「人間革命」の共通点
◇現在の社民党は「右翼社民」
Posted by ブクログ 2022年06月21日
日本の近現代左翼史の入門書として最適だと思います。続編を読むのも楽しみ。
左翼はどのように栄光を極め(政治の中心にいたことはほぼないが)、どのように凋落していったかを学ぶことで忘れられた近現代史を掘り起こすことができる。
日本共産党=左翼・リベラル(そもそも本書でも述べられているように左翼とリベ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月06日
1,2世代前の人たちの日本観が我々平成世代と捉え方が全く違う(であろう)理由は、この本を読むと肌感覚で分かる。戦後史の理解にも役立つ。
よく名前が知られた若い層の現代知識人も左翼の流れを汲んで活躍していることを知って、世の中の見方がちょっと変わったかも。
しかし、左翼知識人は昔も今もシュッとして格好...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月02日
左翼本はこれまでちょくちょく読んできたつもりだったが、社会党についてはほぼ知らなかったなあ。と痛感し反省。共産党よりずっとインテリで議席もずっと多かったのか。ソ連を取り巻く空気感も書物を通してしか想像できないな。
「左翼=平和路線ってなってるけど本来の左翼は革命のためなら暴力は辞さないし自分たちが...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月09日
労農派と講座派の対立から説き起こした左翼の戦後史。
明治維新の評価の差=日本社会の現状認識の差 となったというのが盲を啓かれた感じ。
労農派は維新を封建制を倒したブルジョア革命と定義し、維新後の日本は資本主義→帝国主義段階と考えてダイレクトに社会主義革命を志向した。労農派≒社会党系の認識は、我々一般...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月04日
スターリン批判が世界に及ぼした影響が、教科書的な知識よりも大きかったのですね。
対談形式なので、語り手(佐藤氏)の口調に引きずられるのだけど。
まあ1945年から1960年あたりは既知の話が多い印象。
次巻で語られる1960年代以降、新左翼の話は佐藤氏も池上氏も地続きの時代に生活していたのでよりラ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月15日
p105
共産党的弁証法
どんなものにも良いものと悪いものがある
というロジック
1984のダブルシンクに近い
p21
左翼のキーワードは理性
理性に立脚して社会を人工的に改造すれば、
理想的な社会に限りなく近づけると信じていた
p22
右翼の特徴は、人間の理性は不完全なものだもいう考え方。誤...続きを読む
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