螢川・泥の河

螢川・泥の河

小説・文芸
572円 (税込)

2pt

土佐堀川に浮かんだ船に母、姉と暮らす不思議な少年喜一と小二の信雄の短い交流を描いて感動を呼んだ太宰治賞受賞の傑作「泥の河」。北陸富山の春から夏への季節の移ろいの中に中三の竜夫の、父の死と淡い初恋を螢の大群の美しい輝きの中に描いた芥川賞受賞の名編「螢川」。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    螢川・泥の河
  • タイトルID
    :
    223053
  • 電子版発売日
    :
    2013年10月04日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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螢川・泥の河 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    よかったぁ。何がよかったとか言語化できないんだけど。
    文章も素敵だった。ちょうどいい。
    堅苦しすぎず、ゆるすぎず。
    本を読んでるなぁって思える文章だった。

    情景とかも素敵だったなぁ。続きが読みたくなるけど、そこで終わるのがいいんでしょう。でも短いよー。
    女性が素敵。

    0
    2026年07月29日

    Posted by ブクログ

    泥の河を読んで
    私は同じ時代に大阪の狭い長屋に生まれましたが、そのような船があるとは知りませんでした。幼い頃はまだ皆んなが貧しく洗濯機もない時代。裏口で大きなたらいに水を出し洗濯板でゴシゴシ。お隣のおばさん達も皆んな朝から洗濯していて、そういえば、冬は母が熱湯を持ってきて少しずつたらいに入れました。
    川では、枝を落としただけの幹の太い木を数本縛り、男の人がその上に立ち、長い竿を操りながら船のようにして大木を運んでいました。ポンポン船も大好きで、よく橋の上から眺めました。父が「昔は、よう土左衛門が流されてきたんやで」と言っていたのを思い出しました。それがそんな昔の話ではなかったのだと小説を読んで知り、戦後と高度成長期の間が短い年月であったこと、急成長の狭間で人々が苦しみもがいたのだと知りました。
    私は中学生の頃、土や砂利道がアスファルトに変わり、木枠がアルミサッシの窓枠に変わることに息ができないような肩がキュンとなるような寂しさを感じました。
    作者は、そんな私の大切な昔の風景と日常を、なんと美しい文章で書き綴ってくれたのでしょう。
    今日一日を生きながらえていることが奇跡のように描かれており、そして、舟で暮らす姉弟を労わった夫婦の姿は、現代の無機質な世界に生きる私たちへ深いメッセージがあると思われます。
    鮮やかな描写は、まるでその場にいるよう感覚に襲われ、再度読み返しました。名作です。

    0
    2026年01月08日

    Posted by ブクログ

    マレーシアの首都、クアラルンプールは、川が交わるところという意味の地名なのだそうで、マレーシア旅行の飛行機での楽しみのために読んだ。のちに流転の海シリーズを書き上げるが、その要素が凝縮されている。著者が一貫して描き続けている父と子の関係性の機微や、女性の神秘的でありながら世俗的な二面性を見事に表現している。著者の美しい文章へのこだわりが光っていて、リズムよく、ちょっと小難しい視点で、懐かしくも痛々しい戦後の大阪や石川を描いた2作だった。

    0
    2025年12月20日

    Posted by ブクログ

    「あーよかった!」という読後感を残して忘れてしまう小説があるが、この『泥の河』と『螢川』は情景が深く沈み忘れられない小説。
    『泥の河』は昭和三十年の大阪。馬車引きは子どもの頃、目にしていた。乾いた馬糞を遊び道具にする逞しい子どもがいた。でも、水上生活者は想像するしかない。天神祭りの出来事、そして哀しい別れ。その情景は少年時代の不安や哀しみと共鳴する。
    『螢川』の舞台は富山。思春期の少年の心は想像に難くない。でも、四人が金縛りにあうほどの螢川の情景は、はるかに想像を超えていた。華麗なおとぎ絵ではない。
    「寂寞と舞う微生物の屍のように、はかりしれない沈黙と死臭を孕んで光の澱と化し、天空へ天空へと光彩をぼかしながら冷たい火の粉状となって舞い上がっていた。」
    螢の乱舞の形容を読み、『錦繍』の。「生きていることと死んでいることとは、もしかしたら同じことなのかもしれません」という言葉か重なった。この小説にも川の煌めきが、一筋の「錦繍」に見えたという表現が出てきた。
    情景描写の美しさ、思春期の男女の心理描写の細やかさに唸った小説だった。

    0
    2025年09月27日

    「螢川」「泥の河」について

    「螢川」
    宮本輝の芥川賞受賞作「螢川」は宮本文学の永遠の傑作だ。この小説の舞台は富山。
    主人公は中学三年生の竜夫。昭和三十七年三月から物語は始まる。

    この物語において、竜夫の父の死や竜夫の友人・関根の死が主人公の人生に陰翳をもたらす。
    同級生の英子に想いを寄せる竜夫の恋心にすら、友人の死の影が伸びてゆき、そこに思春期の複雑な心理の綾が描き出される。

    宮本作品では登場人物がどんなに若年であろうと、厳然とした死が突きつけられる。
    しかし、惑いながらも死を受け止め前を向いて生きてゆく登場人物たちに、私は読みながら知らぬ間に心が鼓舞されているのだ。

    この「螢川」では四月に大雪に見舞われると、螢の大乱舞が見られるという老齢の銀蔵の言葉が、神秘的な光を放ちつつ、物語は螢狩りに収斂されてゆく。
    ラストシーンの妖光を纏った、圧倒的な人間讃歌とも解釈できる光景は、一体何を伝えようとしているのだろうか?

    銀蔵の「-----これで終りじゃあ」というセリフの裏にある、新たな「始まり」なのかも知れません。

    「泥の河」
    宮本輝の太宰治賞受賞作「泥の河」の舞台は昭和三十年の大阪の街。ポンポン船が行き交う川筋に暮らす八歳の信雄が主人公だ。
    いまだ戦争の影を引きずった、川筋の住人の貧しい暮らしぶりが描かれ、信雄の澄んだ瞳に克明に映し出される死の場面は、胸の奥の深い部分を震わせられる。

    戦争で命拾いした男の、その運を使い果たしたかのような死。沙蚕採りの老人の死、鳩の雛の死、生きながら油に浸され燃える蟹など、死の影を通して切々たる生が浮き彫りにされてゆく。

    それらの生死に、信雄の友となる廓舟に住む喜一とその姉の銀子との交友が重なり、人生の深みが静かに描かれてゆく。
    私が何回読んでも泪を湛えるのは、喜一が軍歌を歌う場面とラストのお化け鯉の場面だ。

    この「泥の河」は少年の繊細で真っ直ぐな心を描いた小説として、時を超えて輝き続けると思います。

    #切ない #感動する

    0
    2025年08月28日

    Posted by ブクログ

    物語がよくできていて、それを登場人物が力強く引っ張っていき、構成もすばらしいバランスなので、ラストの感動に繋がる。
    デビュー当時から一流としか言いようがない!

    0
    2025年08月27日

    購入済み

    今は昔の「すかみたいな死に方」

    昭和30年代を時代背景とした両作は、事故や病気で、人が「すかみたいな死に方」をする。このあたり、令和初期には、ややリアリティを感じ難く、数十年を経た今日の庶民生活の向上に(現在の物価高等の困窮を軽視するつもりはないが)感慨深い。🏞️両作いずれも心に沁み入りつつ、知識と感性の全てを注ぎ込んでもなお、理解も納得も十全でないところがある。「一滴だと透明なのにむつみあうと鉛色になる」等の描写は、到底腑に落ちたとは言えない。読書人としての未熟を感じつつ、だからこそ読書は面白いと想えた。🏞️

    #感動する

    0
    2025年08月13日

    Posted by ブクログ

    戦後の哀しい時代の空気が、文章を通して、強烈なイメージとして蘇る小説だった。

    「泥の河」は、ずっと記憶に残りそう。素晴らしい小説だった。

    0
    2025年01月28日

    Posted by ブクログ

    宮本輝をこの本から入った。
    泥の河、とにかく泣ける、美しく哀しい。
    昔の日本はこんな貧乏だったのかなぁと想像しながら読んだ。
    映画もぜひ見たい

    0
    2025年01月17日

    Posted by ブクログ

    かつて記憶にない筈なのに、哀愁のある風景や人の生活が立ち上ってくるようでした。
    泥の河はそもそも水上生活を知らなかったため、こういう生活もあったのかと。大きな出来事がない限り「生活」って記録に残らず移り変わるんだなと思いました。螢川は雪景色の描写が美しくて。終盤の螢を見に行くところは、特に竜夫と千代に蛍を見てほしくて、見られないかもとドキドキして夢中になって読みました。

    0
    2026年09月21日

螢川・泥の河 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    螢川・泥の河
  • タイトルID
    :
    223053
  • 電子版発売日
    :
    2013年10月04日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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