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Posted by ブクログ
稼ぎのある旦那さんの元で働かずに過ごすことが楽でいいよ、お金のある人と結婚しなさい、と人生で1度は言われたことがあるだろう。しかし、汐美のように暇とお金を持て余した人間が感じるのは埋められない孤独感。タビを飼い始めた頃は少し孤独が無くなったが、次第に埋められない孤独感に押しつぶされそうになる。不妊治療に協力してくれない夫、面倒くさいアパートの住人との関係。孤独すぎて辛いのに、アパートの人と関わるのが面倒くさくてつい避けてしまう気持ち、わかる気がする。自分と同じ孤独の匂いがするルフィオに恋心を抱くのは自分と同じ世界に生きる人間だからだと思ったからだと思う。しかし、いい歳をした大人が中学生と身体の関係を持ってしまうのは少し気持ち悪い。高校生ならまだ許せた…??かな、、
夫に環境に縛られ、抜け出せないと思っていたのに、抜け出そうとしなかったのは自分の方だった。汐美はこれから広い世界に出て、波に揉まれながら生きていくのだろう。タビと生まれ育った環境で第2の人生を始めた時、彼女は大きな幸福と挫折を味わうのではないだろうか。ルフィオは成長するにつれて、汐美を忘れていくが、初めての恋愛体験は脳裏にいつまでも焼き付いているものだと思う。2人が再会できませんように。知らないところでお互い幸せになる方がハッピーエンドな気がした。
Posted by ブクログ
以前、江国香織さんの『スイートリトルライズ 』を読んだときと同じように、数ページで主人公と自分がダブっていくのがわかりました。おかげでするするする〜〜っと読めました。仕事で忙しくなかなか帰ってこない旦那さんのいる専業主婦が主人公です。私と違って子供もいないので、全く「飼われている」ような状態。そこに現れるのがお隣の息子、12歳(途中13歳になりますが。どっちでも犯罪の年齢よね)。それからそこの旦那。奇妙な三角関係が始まります。でも、なんとなく、主人公が12歳の少年に惹かれていくのがわかるわぁ。これはまだ映像化・・されてないのよね?ぜひ、ドラマ化映画化してほしいわ。
Posted by ブクログ
充分な生活費がもらえて旦那さんもしょっちゅう帰ってこなくて、でも一応は気にはかけてくれている。傍から見ればただただ羨ましい限りの生活。私だったら何しようかな〜とニヤニヤしてしまうのに。
山本文緒さんの作品を最近立て続けに読んでいるが、どうにも主人公の女性が見かけは普通というか、家事もできるしきっと仕事していればちゃんと仕事もする様な表面上は常識的な人の様に見えるのに中身が壊れている、というかなんというか。でも自分にも当てはまるところがある。結婚していたら、主婦として果たすべきことはしようと努力して、でもその中で何か一つでも自分に欠陥の様な何か足りない物をたとえそれがすごく些細なことだとしても途端に無気力や虚無感みたいな物が襲ってくる。
この作品の専業主婦、汐美は閉じ込められているというより、閉じこもっている。待ち人が来ない事はもう何年も前から知っているんだけど、万全の体制で待っている。だから虚しくて悲しい。
作中で出てくるスーファミとかコレクトコールという単語が懐かしく30年も前に出版されたとは思えない。
Posted by ブクログ
平成や令和の女性は昭和の女性より、圧倒的に結婚しても働きたがるし、外に出たがる。経済的に安定していたとしてもだ。私もその一人だが、社会から離れたお姫様になると、心が不健康になりやすく、いずれあっという間にお姫様ではなくなることを知っているからだろう。知恵をつけた現代の女性は強い。今の時代の夫婦も、昔の時代の夫婦も、それぞれにメリットデメリットがありますね。
「部屋の中で育った猫はね、外に出なくても平気なんだって。家の中でご飯も愛情も全部足りるから、外に行く必要がないんだって。不妊手術をしちゃえば、発情期もなくなるから、もう本当に一生家の中にいて、それで幸せなんだって」タビをどこからか貰って来た時、夫が言っていた台詞だ。このまま何もせずじっとこの部屋に閉じこもっていれば、夫は私を決して追いだしたりはしないのに、私の中の雌が外に出してくれとおなかの中から私を蹴るのだ。私は、私の中の雌がうらめしかった。子宮をなくしてしまえば発情しないのなら、その方がよほど幸せなことに私は思えた。「どうせ使わないなら子宮なんていらないのに」私がそう呟くと、柳田さんは長い沈黙の後ぽつりと呟いた。「あなたは猫じゃないのよ」「私も、あなたも、猫じゃないの。そんなこと言うのはやめて」
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