或る「小倉日記」伝

或る「小倉日記」伝

550円 (税込)

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史実に残っていない小倉在住時の森鴎外の足跡を10年の歳月をかけてひたむきに調査する田上耕作とその母。病、貧乏、偏見、苦悩の中で、衰弱が進んでくる(「或る『小倉日記』伝」)。自らの美貌と才気をもてあまし日々エキセントリックになるぬい。夫にも俳句にも見放され、「死」だけが彼女をむかえてくれた(「菊枕」)。昭和28年芥川賞を受けた表題作ほか、孤独との苛酷な戦いをテーマにした、巨匠の代表作品集。

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或る「小倉日記」伝 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2011年07月20日

    ・・・・・書きかけ・・・・・


    松本清張は、101年前の1909年12月21日に今の北九州市小倉に生まれたと確か覚えたはずなのに、最近の研究では、本当は広島市で生誕して小学校低学年は下関市で育ち小倉に住んだのは高学年になってからだといいます。さすがミステリーの巨匠、自らの出自もミステリアスに

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    Posted by ブクログ 2009年12月04日

    ナツ100四冊目。
    「事実は小説より奇なり」というか、
    ミステリー小説ではない(犯人がいない)のに、
    細かい人間描写の中に
    人間の暗闇がどぎつく顔を見せている。
    松本清張さんの文章に圧倒されて
    やみつきになる一冊。

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    Posted by ブクログ 2009年10月07日

    芥川賞を受賞した表題作と他5篇を集めた短編集。
    後の清張のような推理小説的な展開はほとんど見られない。
    まず表題作だが、小児麻痺のようなものを患った男が、九州にいた頃の森鴎外を研究していくという話。
    全体にも通ずることだが、人物の心情などをほとんど地の文で書かない簡潔な文体が読んでいて潔い。
    内容は...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2017年09月24日

    松本清張氏初期の短編集。大衆向け、推理小説のイメージが強い著者だったのでいい意味で驚いた。

    切ないやるせない結末が多い。人は皆孤独と向き合ってその人生の歩みを進めていく。だが自分次第でいかようにもできることを自戒すべきだ。

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    Posted by ブクログ 2016年04月13日

    表題作は昭和27年度の芥川賞を受賞
    純文学にカテゴライズされ、芸術的な評価を受けたものだが
    今にしてみれば「天城越え」の原型的作品であり
    社会派ミステリーの嚆矢として、日本のホワイダニット…
    高村薫や天童荒太、宮部みゆきあたりまで影響を及ぼしていることは
    顧みられるべきだろう
    どんなつまらない人間に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年08月03日

    敗者の物語。
    収められている短編はそのような企画意図で集められたものと思われる。
    どれも、意欲と才能ある者が貧しさや経歴の不備ゆえに辛酸をなめる孤独な物語。
    主人公たちはみな地方から東京へ何らかのコンタクトをとる。最初は歓迎され、のちに反感を買い、疎まれ、自らの情熱に殉死するかのような最期を迎える。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年02月26日

    松本清張の小説とはいえ、事件や時刻表が出てくるわけではない。
    しかしこの初期の掌編にこそ、後に続く不朽の名作『点と線』の
    老刑事の捜査への執念や、『砂の器』の
    犯罪者の不遇な身の上が生む悲劇など、
    氏の推理小説の原点を垣間見ることができる。

    森鴎外の小倉滞在時の日記のゆくえを、長い歳月をかけて追い...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年06月24日

    まだ狭い世界の、松本清張。 「或る「小倉日記」伝」
    松本清張さんの本を読む際に、プロフィール欄に必ず書いてある本。
    この作品で、芥川賞を受賞されたからですね。

    読んでみると、文章に関しては、もう松本清張さんだな、と
    思うのですが、世界観が今まで読んできた作品に比べて狭いですね。
    登場人物の数だけで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年09月16日

    森鴎外・俳句・考古学・・といった対象に魅了された人々が、そのマニアならではの視野の狭さから、皆不幸のうちに死んでいくという短編集。報われない努力、屈折、欲求不満、悪意・・不条理や人の暗部は話のコクを出すために必須だが・・嫌なことでもあったのか。

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    Posted by ブクログ 2012年10月28日

    本書に収録された或る「小倉日記」伝については、
    当時、母親が持っていた文芸春秋の増刊号に掲載されていて、
    そこでたまたま出会った作品。24ページ程度の短い小説ですが、
    その時の印象が強くて、どうしても芥川賞はこの作品を基準に考えてしまう。

    森鷗外の失われた日記を探すという素朴な題材ながら、
    病気で...続きを読む

    0

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