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Posted by ブクログ
一般の解説書は、孔子を聖人君子、論語を聖典的にとらえ、
非の打ち所のないもののように書かれていることが多いが、
本書は、歴史的な背景を踏まえつつ、淡々と推測される事実
を書いている。
従来のイメージからかけ離れた部分も多いが、それにより論語の
価値を貶めるものではなく、より深く読むための参考になる。
孔子についても、論語についても歴史的な資料が少なく、本当の
事実は誰にもわからないが、本書のような考え方も大変おもしろく、
興味深く読めた。
孔子のいうように、バランスのとれた考え方を持つためには、
いろいろな考え方に触れておくことが必要であり、本書の存在は
価値あるものである。
Posted by ブクログ
タイトルは煽りが効いているけれど、まっとうな内容の本。論語の誕生・成立から発展に至るまでの歴史的経緯と、孔子の人となりの推測、そして、論語と日本のかかわりについて、既存の論語研究の成果を数多く引用しながら説明している。タイトルにある「危ない」とは、次の3点の意味での「危なっかしさ」を指していると私は理解した。
1.成立の経緯が不明なところがあり、孔子一門とは関係ない別の書物の言論が混じっていたり、孔子の弟子達による学閥の主導権争いの結果、孔子の言が歪められている可能性がある。実際、荀子の言と思しき文章が論語に紛れ込んでいるという指摘もある。
2.古典ゆえに表現技法が未発達で、読み方に曖昧性が発生している。文の区切りの入れ方により正反対の意味に解釈できることもあり、専門家同士でも意見が対立している。したがって、片方の解釈のみを信じることは避け、両論を吟味する必要がある。
3.孔子の思想はラディカルなため、論語の内容を盲信する勢力が力を持つと、国家が転覆しかねない。徳川家康は論語の怖さを熟知しており、国家秩序の形成のために論語の教えを「儒学」として利用したものの、論語を盲信する「儒教」については(キリスト教と同様かそれ以上に)徹底的に弾圧した。
Posted by ブクログ
孔子の生涯と『論語』という書物の成立過程について解説するとともに、とくに日本において孔子の思想がどのように受容されてきたのかということを、わかりやすく説明している本です。
『論語』という書物の成立過程とその読まれかたについて、興味深い実例を紹介している本として、おもしろく読めました。ただ、とくに日本文化に対する孔子の思想の影響については、じゅうぶんに説明されていないような印象もあります。とくに本書のタイトルになっている『論語』の「危ない」側面にかんしては、孔子がその後の東洋文明のかたちをきめた「志縁集団」の創始者であるということや、かつての日本人がそうした孔子の思想の「危ない」側面を熟知しており、それに対してある程度距離を置いてきたといったことなどがとりあげられているのですが、もうすこしていねいな説明がほしかったように思います。
Posted by ブクログ
第一章は「論語」の成立事情(三種類の「原」論語から成ったということ)、第二章は孔子の生涯、第三章以降は古今の説を引きながら、著者の解釈が述べられていた。
孔子が昼寝をする宰予に対し「腐った木に彫刻はできぬ!」と激怒したくだりについても記述があった。
大学の漢文学の講義でも、この話題が出て、同衾説が紹介されていたけれど・・・加藤さんは結局、「筆者の筆力不足」として答えは出していなかった。
結局、解決できないということなのだろうけれど・・・長年疑問に思ってきたところだったので、ちょっと肩透かし感があった。
また、「擬音感」で論語を読むというのは、独自の試みなのだろう。カ、ガ行で始まる音は「堅固系」、ラ行音は「流音系」で滑らかなどとしていた。
なんとなく黒川伊保子さんの『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』を思い出す議論。
面白く読めるのだが、それは音の感じから引き出されるのか、私たちがすでに刷り込まれてしまったことを確認しているのか・・・と、黒川本と同様の感想を持ってしまった。
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