【感想・ネタバレ】本当は危ない『論語』のレビュー

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Posted by ブクログ

 コロナ巣ごもりで再読する。
 高島俊男師が鬼籍に入られた今、加藤徹先生を中国古典の水先案内人と頼んでいる。
 巻末に諸星大二郎『孔子暗黒伝』への言及があるのは嬉しい。

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2021年06月08日

Posted by ブクログ

一般の解説書は、孔子を聖人君子、論語を聖典的にとらえ、
非の打ち所のないもののように書かれていることが多いが、
本書は、歴史的な背景を踏まえつつ、淡々と推測される事実
を書いている。
従来のイメージからかけ離れた部分も多いが、それにより論語の
価値を貶めるものではなく、より深く読むための参考になる。
孔子についても、論語についても歴史的な資料が少なく、本当の
事実は誰にもわからないが、本書のような考え方も大変おもしろく、
興味深く読めた。
孔子のいうように、バランスのとれた考え方を持つためには、
いろいろな考え方に触れておくことが必要であり、本書の存在は
価値あるものである。

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2013年09月08日

Posted by ブクログ

挑発的なタイトルですが、論語の成り立ち、孔子の人物像、発音、日本の歴史に与えた影響等を博識を以て分かりやすく解説。素読教育についても興味を持てました。

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2012年06月30日

Posted by ブクログ

今年読んだ新書では初めて、読後に爽快感をおぼえた。中国古典物では浅野裕一先生の諸著作(本書の著者とは見解を異にするが)以来の面白さ。オススメです!

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2011年02月17日

Posted by ブクログ

論語の多面性と、面白い読み方を探っていく。書いた弟子達のパワーバランスだったり、間違いだったり、擬音感だったりと、論語および周辺書籍を読みたい、と思わせる素敵な本。日本人と中国人、どちらが粗野で仁を持っていないか、論語の捉え方から考えてみると面白いですね。
歴史や古典の授業では、誰が何年に何をした、なんてことより、こういうことを教えたほうがいいと思うなあ。

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2012年09月08日

Posted by ブクログ

タイトルは奇抜だが、中身は論語の出処や歴史的背景、日本での浸透の仕方などを細かなソースをつけて説明している良書。これだけの論語知識があれば、道を外さず論語を読めるようになるでしょう。

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2012年06月26日

Posted by ブクログ

タイトルは煽りが効いているけれど、まっとうな内容の本。論語の誕生・成立から発展に至るまでの歴史的経緯と、孔子の人となりの推測、そして、論語と日本のかかわりについて、既存の論語研究の成果を数多く引用しながら説明している。タイトルにある「危ない」とは、次の3点の意味での「危なっかしさ」を指していると私は理解した。

1.成立の経緯が不明なところがあり、孔子一門とは関係ない別の書物の言論が混じっていたり、孔子の弟子達による学閥の主導権争いの結果、孔子の言が歪められている可能性がある。実際、荀子の言と思しき文章が論語に紛れ込んでいるという指摘もある。
2.古典ゆえに表現技法が未発達で、読み方に曖昧性が発生している。文の区切りの入れ方により正反対の意味に解釈できることもあり、専門家同士でも意見が対立している。したがって、片方の解釈のみを信じることは避け、両論を吟味する必要がある。
3.孔子の思想はラディカルなため、論語の内容を盲信する勢力が力を持つと、国家が転覆しかねない。徳川家康は論語の怖さを熟知しており、国家秩序の形成のために論語の教えを「儒学」として利用したものの、論語を盲信する「儒教」については(キリスト教と同様かそれ以上に)徹底的に弾圧した。

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2012年01月23日

Posted by ブクログ

大好きな加藤先生の新しい本。最初に「おわりに」を読んでぷっと吹き出す。しかし内容は至って真面目です。なんとな〜くしか知らない論語と日本への影響をやさしく解説してくれてます。でもマニア度は少し低めかな。

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2011年09月09日

Posted by ブクログ

孔子の生涯と『論語』という書物の成立過程について解説するとともに、とくに日本において孔子の思想がどのように受容されてきたのかということを、わかりやすく説明している本です。

『論語』という書物の成立過程とその読まれかたについて、興味深い実例を紹介している本として、おもしろく読めました。ただ、とくに日本文化に対する孔子の思想の影響については、じゅうぶんに説明されていないような印象もあります。とくに本書のタイトルになっている『論語』の「危ない」側面については、孔子がその後の東洋文明のかたちをきめた「志縁集団」の創始者であるということや、かつての日本人がそうした孔子の思想の「危ない」側面を熟知しており、それに対してある程度距離を置いてきたといった点については、もうすこしていねいな説明がほしかったように思います。

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2020年11月19日

Posted by ブクログ

第一章は「論語」の成立事情(三種類の「原」論語から成ったということ)、第二章は孔子の生涯、第三章以降は古今の説を引きながら、著者の解釈が述べられていた。
孔子が昼寝をする宰予に対し「腐った木に彫刻はできぬ!」と激怒したくだりについても記述があった。
大学の漢文学の講義でも、この話題が出て、同衾説が紹介されていたけれど・・・加藤さんは結局、「筆者の筆力不足」として答えは出していなかった。
結局、解決できないということなのだろうけれど・・・長年疑問に思ってきたところだったので、ちょっと肩透かし感があった。
また、「擬音感」で論語を読むというのは、独自の試みなのだろう。カ、ガ行で始まる音は「堅固系」、ラ行音は「流音系」で滑らかなどとしていた。
なんとなく黒川伊保子さんの『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』を思い出す議論。
面白く読めるのだが、それは音の感じから引き出されるのか、私たちがすでに刷り込まれてしまったことを確認しているのか・・・と、黒川本と同様の感想を持ってしまった。

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2012年01月22日

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