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Posted by ブクログ
田舎の小さな島の夏を感じる一冊。
映画にしたらとてもきれいで不思議な映像になるんだろうな、と思いながら読んだ。
この作品に出てくる「女踊り」や「持念兄弟」は河口の稚児舞や寝屋子文化に近く、舞台は架空の島だけれど、日本のどこかにある田舎の島、と想像をかき立てられた。
古い因習が残るけれど、少しずつその伝統が薄れていきそうな予感のする土地で、そこに住む光市と、島から離れて生活している悟史。その妹の日和子と同級生・佐和子。神社の次男・荒太とその友人・犬丸。
対になる彼らが信頼し合って、血縁ではないのに血縁以上に繋がり合ってる感じが、しっとりと胸に残る。
白蛇や「あれ」がいったいなんなのかははっきりされず、賛否両論があるが、謎が謎のままなのが良かった。
そもそも昔話や伝承は口伝で話が変わっていたり、ちゃんと記録が残っていなくて、昨今の民俗小説のように理屈っぽくなく(それはそれで興味深くおもしろいが)、ファンタジーとしてとても楽しめた。
Posted by ブクログ
原体験というのは、多くの場合幼少期を過ごした故郷にあって、何かしらの不思議な、少し怖い記憶が残ってたりしません?
なんかあったような気はするんですが、それがどんなかは思い出せないんですが…今思えば不思議な…なんかあったような。
で、当然のように神社もあって、そのお祭りと縁日にお小遣い握りしめて一日心躍らせていたり。終わるのが悲しかったり。
生まれ育った場所って、良くも悪くもずっとどこかで繋がっている、というか気になる。同じ時間を過ごした近所の友達も。
「逃げ出したい場所があって、でもそこにはいつまでも待っててくれる人がいる。その二つの条件があって初めて、人はそこから逃れることに自由を感じられるんだ」
こういう自由の捉え方もあるんですね。
でなければ「ただ、孤独なだけだ」と。
そう頷けるなら、それは幸せなのかも。
Posted by ブクログ
島の美しい風景が浮かぶ冒険譚。
悟史と光市、荒太と犬丸の絆や、
島のしきたり、人ならざるものの世界、
子どもと大人の境目の高校生が
これからの自分の人生を考える話でもあり、
盛りだくさんで、個人的にはおもしろく読めた。
冒頭の「あれ」への不安感を煽る描写は
じっとり、十分不気味で、
夜読んだこともあり、いい意味で結構こわかった。
三浦しをんさんの初期の作品ということで、
初期らしい稚拙さ?みたいな所を
評されることもあるみたいだけど、
たとえ表現が洗練されきってないとしても
書きたいもの、作りたいものが溢れているようで、
私は好き。
音楽とかもインディーズ好きなんですよね。
悟史と光市の関係性についても、すごくいい。
羨ましい。
一緒にいる時間の長さとか、
持念兄弟の契約とか、気が合うとか、
そういうんじゃなくて、それらだけでは不十分で、
誰かに言ったら笑われてしまうかもと
思うようなことも
こいつにだけは話せるって所が
1番、いい関係性だな、と強く感じた。
船で島に作ってところだけかもだけど、
「ぼくのなつやすみ」を思い出した。
きれいな絵になりそうだし、
冒険要素もたっぷりだし、
登場人物も魅力的だし、
ゲームとかにしたらおもしろいんじゃないかな。
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