【感想・ネタバレ】白いへび眠る島のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年06月10日

田舎の小さな島の夏を感じる一冊。
映画にしたらとてもきれいで不思議な映像になるんだろうな、と思いながら読んだ。

この作品に出てくる「女踊り」や「持念兄弟」は河口の稚児舞や寝屋子文化に近く、舞台は架空の島だけれど、日本のどこかにある田舎の島、と想像をかき立てられた。

古い因習が残るけれど、少しずつ...続きを読むその伝統が薄れていきそうな予感のする土地で、そこに住む光市と、島から離れて生活している悟史。その妹の日和子と同級生・佐和子。神社の次男・荒太とその友人・犬丸。
対になる彼らが信頼し合って、血縁ではないのに血縁以上に繋がり合ってる感じが、しっとりと胸に残る。

白蛇や「あれ」がいったいなんなのかははっきりされず、賛否両論があるが、謎が謎のままなのが良かった。
そもそも昔話や伝承は口伝で話が変わっていたり、ちゃんと記録が残っていなくて、昨今の民俗小説のように理屈っぽくなく(それはそれで興味深くおもしろいが)、ファンタジーとしてとても楽しめた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年10月13日

ホラーかファンタジーかと思ったけど。

でも、現代社会で本能を忘れているから気が付けないだけで、実は異形のものは自然にはいるのかなあ・・・
なんて思えてしまう。
ついつい引き込まれて読んでしまった。

悟史と光市の関係もいいけど、荒太と犬丸はいいねえ。
特に文庫書下ろしの掌編。
ドキドキですな笑
...続きを読むろいろ妄想してしまった笑

離島はいいな。この島はよそ者に冷たいから行きたくないけど。

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Posted by ブクログ 2017年08月24日

壮大な状況説明の後に配置された、息もつかせぬ終盤の「あれ」との攻防。元題の『白蛇島』は横溝正史シリーズを彷彿とさせるが、文庫版に改題されたものも味わい深い。青春ファンタジーミステリーとも言える古代と現代が入り混じる不可思議な世界観は、父上の薫陶の賜物なんだろうな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年01月26日

再読してよかった。ただのフシギな話ではなく、少年が自由のかたちをつかむ話だった。フシギな話も面白かったんだけど、ラストと文庫書下ろしは涙した。今さらだけど、しをんさんって男性しか描かないのかっていうくらい男性だけで話が動いていく。魅力的な男性が多くて読んでて楽しいですけどね。

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Posted by ブクログ 2023年12月20日

田舎の島に伝わる伝承や伝説を主題にした内容。
田舎だからこその景色や文化など様々な描写が美しく想像できる。
幼い頃からの親友との信頼と友愛を見ることで
その温かさや寂しさを体感できて良い意味で苦しかった。
みなの未来がたのしみ。

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Posted by ブクログ 2023年09月09日

ファンタジーな出来事が起こりながらも、集落の様子、そこで暮らす人々の様子を楽しむことができる作品でした。皆それぞれの場所で元気に暮らして欲しいですね。

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Posted by ブクログ 2022年02月06日

原体験というのは、多くの場合幼少期を過ごした故郷にあって、何かしらの不思議な、少し怖い記憶が残ってたりしません?
なんかあったような気はするんですが、それがどんなかは思い出せないんですが…今思えば不思議な…なんかあったような。
で、当然のように神社もあって、そのお祭りと縁日にお小遣い握りしめて一日心...続きを読む躍らせていたり。終わるのが悲しかったり。

生まれ育った場所って、良くも悪くもずっとどこかで繋がっている、というか気になる。同じ時間を過ごした近所の友達も。

「逃げ出したい場所があって、でもそこにはいつまでも待っててくれる人がいる。その二つの条件があって初めて、人はそこから逃れることに自由を感じられるんだ」
こういう自由の捉え方もあるんですね。
でなければ「ただ、孤独なだけだ」と。
そう頷けるなら、それは幸せなのかも。

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Posted by ブクログ 2022年01月26日

文に目が慣れるまで、つまらないと思っていたけど最後は一気にラストまで駆け抜けた。

不思議なお話だけど、どこか現実味もあってこんな世界があるのも悪くないなと思った。

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Posted by ブクログ 2021年02月13日

島の美しい風景が浮かぶ冒険譚。

悟史と光市、荒太と犬丸の絆や、
島のしきたり、人ならざるものの世界、
子どもと大人の境目の高校生が
これからの自分の人生を考える話でもあり、
盛りだくさんで、個人的にはおもしろく読めた。

冒頭の「あれ」への不安感を煽る描写は
じっとり、十分不気味で、
夜読んだこと...続きを読むもあり、いい意味で結構こわかった。

三浦しをんさんの初期の作品ということで、
初期らしい稚拙さ?みたいな所を
評されることもあるみたいだけど、
たとえ表現が洗練されきってないとしても
書きたいもの、作りたいものが溢れているようで、
私は好き。
音楽とかもインディーズ好きなんですよね。

悟史と光市の関係性についても、すごくいい。
羨ましい。
一緒にいる時間の長さとか、
持念兄弟の契約とか、気が合うとか、
そういうんじゃなくて、それらだけでは不十分で、
誰かに言ったら笑われてしまうかもと
思うようなことも
こいつにだけは話せるって所が
1番、いい関係性だな、と強く感じた。

船で島に作ってところだけかもだけど、
「ぼくのなつやすみ」を思い出した。
きれいな絵になりそうだし、
冒険要素もたっぷりだし、
登場人物も魅力的だし、
ゲームとかにしたらおもしろいんじゃないかな。

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Posted by ブクログ 2021年01月06日

『あれは海と山を行き来していると伝えられる化け物で、その名前を口にするのも忌まれてきた。悟史も「あれ」を正確になんというのか、知らなかった。なにしろ、口に出しても文字で書いても禍があると言われているのだ』

日本各地には今も親から子へと伝わる様々な妖怪、怪物、そして幽霊などの伝承があります。有名なも...続きを読むのとしては”座敷童子”がそうでしょうか。”座敷童子”の場合は人に危害は加えないとされていますが、一方で、人間に取り憑いたり、人間を捕まえて食べたりと聞いただけで身の毛のよだつ恐ろしいものたちが闊歩するような話もたくさんあります。特に子どもの頃はそんなものたちの話を聞いて頭の中がそれらに囚われて夜のトイレに影響する…私もそんな思い出があります。そして、そういった話がエスカレートし出すと、そのものの名前を言うだけで呪われる、と名前を出すことさえ躊躇してしまう、そんな経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。人は目にするものすべてに名前があること、そしてその名前を知っていることで安心感を得る生き物です。であるなら、そのものの名前を口にしない、文字に書かないということは、そのものを存在として敢えて認識しないことで、そのものが実体化することを自然と避けようとする、そのような感情から来ているのかもしれません。

『船体に重くぶつかる波が、ゴオンゴオンと背中に振動を伝えてきた。陸が近い』と『人の出入りを喜ばない』拝島(おがみじま)を目指すのは主人公の前田悟史。『船が接岸する前から、悟史は幼なじみの姿を港に認めていた』という幼なじみの中川光市に接岸後再開する悟史。『免許、取ったんだ』と自慢する光市の『赤い錆の浮いた古い軽トラック』に乗り込みます。『じいさん元気か?』と聞く悟史に『もう、うるさいのなんの。今朝だって、起こされたの三時だぜ』と返す光市は『俺だって悟史が帰ってくるのは嬉しいけど、三時は早すぎるだろ』と続けます。『なんの衒いもなく、光市は「嬉しい」と言った』ことに安堵する悟史。『本土の港湾都市、高垣の高校に入学してから三年』という悟史は『一晩船に揺られれば島には帰れるというのに、部活動を理由に、足は故郷から遠のきがち』で『盆暮れの数日しか拝島には戻らない』という高校生活を送ります。それは島の外の人たちも同じです。『海と山に恵まれ、本土の高垣からも船で一晩』にもかかわらず『拝島に静養や休暇を楽しみに訪れる人間はほとんどいなかった』というその島。『柔らかに澄んでいるように思われるこの島の空気の中に、冷たく固い粒の存在を感じる』という悟史は島への帰郷を喜ぶどころか『あと数日、この島で過ごさなければならない』と到着直後から感じています。そんな中、家へと向かう途上で『十三年ぶりの大祭だろ?のぼりの数が違う』と『光市の指すほうに視線を移す』と『道の右手、川の向こう岸の山々の稜線に沿って、赤いのぼりがはためいていた』という光景を目にする悟史。そこは『荒垣神社の神域の森』とされ『島の人々はそのご神体を、白蛇様と呼んだり荒神様と呼んだりして、丁重に祀ってい』ます。『前の大祭のとき、悟史も光市も五歳だった』にもかかわらず、『なにも思い出せなかった』という十三年前の記憶。そして、家に到着した早々、『挨拶まわり』に出ようとする悟史に『あんまり遅くなるんじゃないよ。ちゃっちゃと切りあげて早めに帰りなさい』という母。『普段は近所づきあいについてうるさいほどに説いてみせる母が、こんなことを言うのは初めて』という不思議。そんな母は『最近ちょっと物騒なのよ』と声を潜めて『…あれが出たの』と語ります。『あれはあれよ』と『ひそめたままの声音で早口に言』う母。『「そんな馬鹿な」と笑い飛ばそうとして、しかしそうはできずに背筋を這い上がる寒気を感じた』という悟史。そんな悟史が久しぶりの島で幼なじみの光市たちと過ごす中、まさかの『あれ』と遭遇する夏休みの数日間の物語が描かれていきます。

「白蛇島」という単行本を改題して「白いへび眠る島」としたこの作品。個人的に”へび”はこの世で一番嫌いな生き物なので、正直なところ口にするのも、文字で打ち込むのも避けたいというのが正直なところです。ということもあって、この作品は私の大好きな三浦しをんさんの作品と言っても、手にするのを長らく躊躇し続けてきた作品でもありました。一方で、”へび”と言っても”白いへび”はご神体として崇める神社も多数あることから単純に同列に考えるのは失礼にあたるともいえます。そんなこの作品の舞台は『拝島』という架空の島。『海と山に恵まれ、本土の高垣からも船で一晩』という島ですが、『拝島は人の出入りを喜ばない』という通り外部の人間を寄せ付けない孤高の島という設定がなされています。三浦さんが島の人々の暮らしを描いた作品というと「光」が有名ですが、同作品はこの作品から七年後に刊行されたもの。同じ島の描写でもこの作品の方がより素朴で外の世界から隔離された印象が強い書き方がされているのが特徴です。そんな島で生まれ、島で育ったものの高校入学を機に島を出た悟史。外の世界から見て余計に『島の暮らしは外とは違う』と感じている悟史は、拝島が『別のリズムに支配されている』と考えます。そんな島を三浦さんは『月』を用いてこんな風に表現します。『島は実は、外とはまったく別の、もう一つの「月」に支配されている』という感覚。『その「月」は、高垣などから見える月とは、大きさも周期も違うのだ…』というその感覚。『島には、「掟」とも言うべき独特の生活習慣が数多くある』と島に存在する数々の『掟』を挙げます。そして『たまに島に戻ってくると、忘れていたもう一つの「月」の引力にとらわれたかのように、めまいにも似た違和感を覚える』という悟史。それは『潮の満ち引きの秩序が乱れるような、体内時計が狂ったような、生物としての混乱だ』とまで言い切るその感覚。『生まれ育った場所』にもかかわらず『どうしても拝島の重力にはなじめな』い悟史。悟史を悩ませ続ける拝島に内在するそんな独特な閉塞感が結末への一つの大きな伏線となっていきます。

そして、この作品で外せないのはなんと言っても『あれ』という指示語で示され続ける謎の存在です。『悟史も「あれ」を正確にはなんというのか、知らなかった』というその存在。『「あれ」は海と山を行き来していると伝えられる化け物』という漠然とした説明が読者に恐怖心をまず植え付けます。そして、『月のない夜に海から上がってきたあれは、狙い定めた人間の目から体内に入る』とされ『あれは確実に内部から人を食う』、そして『あれは悠々と海へと去っていき、残されるのは餌食になった人が着ていた衣服のみだ』という身の毛のよだつような説明が淡々となされていきます。一方で『持念兄弟』という『「奥」集落の長男同士が結ぶ絆』で結ばれた幼なじみの悟史と光市。『島で助けあうための風習』というその世界観が『あれ』と絡み合って描かれていくこの作品では、後半になって、まさかのファンタジー世界が登場します。一種の冒険活劇ともいえるその世界が盛り上げていく作品の後半。そこで私が感じたのは、まさかの恩田陸ワールドでした。恩田さんのホラー、もしくはミステリーの世界に近い感覚。「失われた世界」あたりが近いかもしれませんが、そんな恩田ワールドに近い雰囲気をとても感じました。しかし、三浦さんのこの作品では恩田さんに比して不気味感が少し不足する印象を受けました。せっかく『あれ』とはなんなのか?とミステリーっぽい雰囲気が出ているので不気味感をもう少し畳み掛けて欲しかったという印象は残りました。それもあって冒険活劇っぽくなる後半のドタバタが少しあっけなく結末してしまう印象も受けました。ただ、三浦さんはとしては2001年という最初期の作品なのでこのあたりはやむを得ないのかなあと思う一方で、今の三浦さんなら同じ素材でももっと面白く調理してくれただろうな、そういう印象は残りました。

『馬鹿な、あれは伝説の中の化け物だ』という『あれ』と遭遇する物語。それは、閉鎖的な島の暮らしの中に根強く残る島の風習と切っても切れない島の伝承を伝える物語でした。そんな島から離れて暮らす悟史、そして島を愛し、島で生き続ける幼なじみの光市。二人のひと夏の再会は、離れていても確かに息づく友情の強さを確かめ合う機会でもありますが、このあたりに三浦さんならではのBLの世界を垣間見たような、そんな印象も受けました。そして最後に、“へび”が大嫌いな方も全く心配なく読めるという点はしっかり補足しておきたいと思います。ご安心ください(笑)

ホラーやミステリーの雰囲気感の中に、ファンタジー要素や冒険活劇的な内容、そしてBLっぽい雰囲気まで織り込むなどとても盛り沢山なこの作品。最初期の三浦さんを知ることのできる、とても意欲的な作品でした。

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Posted by ブクログ 2020年09月24日

ハードカバー版は2001年の出版。
それより前の時代感覚、昭和の終わり頃の感じ。

長男しか残れないというのは、貧しい戦前の農家な話。家を守れ、お前は長男だ、特別なんだ。

そんなわけはない。人生は平等なんだ。

どろっとした、しがらみみたいなもの、足枷みたいなものを表現したかったんだろうなと想像し...続きを読むます。

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Posted by ブクログ 2018年12月11日

閉鎖的な島で、外へ出ていく悟史と島に留まる光市が体験する島での「不思議」な体験。ただの伝説なのか本当なのか、あれとは何なのか…はらはらしながら一気に読んでしまった。
悟史と光市みたいな友人関係、憧れます。二人は持念兄弟という特別な繋がりを持つ。けれど光市は「持念兄弟じゃなくても悟史と一番仲良くなった...続きを読む」と言う。
二人のように離れていてもお互いを信頼して、再会してすぐそれまでのように振る舞うのは難しい。実際は目に見える繋がりを求めてしまい、そうやってすれ違ってなかなかうまくいかない…。「契約のいらない友愛、自由な拘束」、理想です。
荒田と犬丸の関係も良い。

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Posted by ブクログ 2017年07月25日

街から切り離された島での、ひと夏の冒険譚というかんじで楽しかった!島の人との距離や風習に馴染めない悟史の気持ちが書かれていて、等身大なかんじがしました。民俗学っぽいところもあっておもしろいお話でした。悟史と光市、荒太と犬丸の関係性も絶妙でよかったな〜すきだな〜

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Posted by ブクログ 2017年01月07日

田舎(+さらに離島)の暖かくも住み難そうな感じと迷信と本当の不思議に満ちた盆休みを体験させてもらった。 久しぶりにゆったり読めた非現実的なお話。 好きな文体、ベタな表現だが映像が浮かんでくる。 手元においてまた、夏にでも読み返してみたい。

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Posted by ブクログ 2016年08月01日

因習の残る島、帰省してきた少年と島に暮らす幼馴染、13年に一度の大祭、ときたら事件が起こるしかないわけで(笑) ありがちな設定にも思えるけど、そこは三浦氏の丁寧な筆致でたいへん面白く読めました。持念兄弟という設定も面白いし、悟史と光市の関係も、荒太と犬丸の関係も、素直にいいなぁと思う。どちらも穏やか...続きを読むに時を重ねていけたらいいねぇ。ことに、荒太と犬丸については、彼らを主人公にしたお話も読んでみたいですよ^^

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Posted by ブクログ 2024年01月13日

拝島のしきたりや大祭の状況を理解するのは難しかった。
“自由”と“逃げる”の違いが深く、一見逃げたように思われてしまうけれど、自分を支えてくれる人たちがいるから羽ばたける、それが自由。その存在がたった1人でもいてくれればいいのだと感じた。
最初は、主人公が思い悩んで詰まっているような重さがあったが、...続きを読む最後の船に乗る場面はびっくりするほど、清々しい情景でありそれを文章で感じさせるところがすごいと思った。

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Posted by ブクログ 2023年08月14日

父の遺した本棚から。
古い因習が色濃く残る島で、不思議体験をする主人公。
現実には起こり得ないことだけど、この島ならあるかもなぁ...と思わせる。
なんだかハリーポッターを読んでいるような気分になった。

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Posted by ブクログ 2022年12月19日

この人の作品にしては、心に響くものが無かった。

古い因習に縛られた島。
長男が島に残って家督を継ぐが、ほかの子は島を出る。
祭りで帰省していた悟史が、幼馴染の光市と探ることになった島に出るものの正体は何か。

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Posted by ブクログ 2022年05月29日

ちょっと疑問残るところ多かったけど、まあ愛嬌ね。
朝ドラの舞台みたいな、海、坂道、美味しい空気な島を想像して旅行行きたくなった

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Posted by ブクログ 2021年10月31日

三浦しをんさんのお仕事小説は好きなのですが、これ系はちょっと読むのに時間がかかりました。閉鎖された空間。自由とはなにか。神とはなにか。
男同士、女同士の友情はいいですね。荒太と犬丸の関係はなんだかいい感じです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年09月17日

著者は三浦しをんなのに、何故か「もーのすごく恩田陸っぽい!」と思いながら読んでました。何故に、三浦しをんの作品なのに、抜群の恩田陸っぽさを、感じてしまったのか、、、不思議だ。お二人の作風、、、似てるのか?どうなのか?

あんまり、今まで、お二人の作風、似てるぜ、ってなようには、感じなかったのですが、...続きを読む、、うーむ。謎。何しろ、とにかくもう、読んでる間、ほぼずーっと「うーむ。うーむ。うーむ。抜群に恩田陸っぽい、、、何故だろう?何故だろう、、、?うーむ」とか思いながら読んでました。なんか、すみません。「ネクロポリス」っぽいのかな?うーむ、、、謎だ。

あと、ああ、、、なんか、王道ファンタジー少年者だよなあ、、、ってこれまた思いながらもね、読んでたんですが、途中で、はたと気づきました。「あ!この感じ!宮崎アニメだ。『となりのトトロ』な感じだ!」って。あんな感じ。あんな感じ。だから、この「白いへび~」も、凄く丁寧にアニメ化、或いはアニメ映画化したら、なんか、そっち方面で稀代の名作になる気がします。ええ、凄くします。

三浦しをんさんには、ホンマに失礼なのですが、この小説版よりも、映像としてアニメ化したほうが、なんだかね、凄く、この作品の持つ良さを、伝えやすい気がする!とか勝手に思った。もちろん、その為には、愛を込めて、とても丁寧にアニメ化する必要が、あります。やっつけ仕事では、絶対アカン。この作品の世界観を、心底愛するかたがたが、愛情込めてアニメ化したら、マジで、途轍もないクオリティーの永遠の名作アニメになる。そんな普遍性を秘めている、気がするぞ!と。謎のプロデュース企画を妄想しました。

いやしかし、この作品、れっきとした小説として完成している作品なのに、「これ、アニメ化したほうが、ええんちゃう?」って言ってしまうのは、、、バリ失礼だよなあ、、、すみません。でもまじで、アニメ化したら、すげえ良いと、思うんです。思うんだから、しょうがない。

今まで読んだ三浦しをんさんの作品と比べると、この作品、そこまでハマりませんでした、個人的には。間違いなく安心してキッチリ読むことのできる、一定のレベルは間違いなく超えている作品、ってな認識ではあったのですが、なんだか、内容に、そこまでハマることができず、、、すみません。全然褒めてないですよねえ、すみません。いやでも、楽しめました、、、よ?うん。ある一定は、間違いなく。

悟志と光市の「持念兄弟」の関係性とか、荒太と犬丸の関係性とか、なんだか、そこはかとなく、ボーイズラブ的な雰囲気を、感じてしまった、、、のは、なんだか、そんな感じです。特に、荒太と犬丸の二人の感じは。うーん、、、ボーイズラブ。アレですね、三浦さんBLもの、好きなのではなかろうか?と想像する次第ですね。

アレだ、「君はポラリス」収録の短編集の中の「永遠に完成しない二通の手紙」の、岡田と寺島の関係性、みたいなね。

あとやっぱ、こういう、日本の国に属する、なんらかの土着性?っていうんですか?これぞ日本の田舎である。って雰囲気が、一発で理解できる感じ。祭りのあのざわめきと高揚を理解できる感じ。不思議。「その感じが理解できる。できてしまう」ってのは、一体なんなんだ?って思いますね。もう、DNAに刷り込まれている、としか、、、感じようがない、といいますか。

おそらく、日本人以外のかたが、この本を読んでも、「あの感じ」ってのは、どうしても、伝わらない、とね、勝手に、思ってしまうんですよ。その思い込みは、良くないのかもしれませんが。でも、おそらく自分が、外国作品を読んだとしても、絶対に一生理解できない「何らかの感じ、雰囲気」ってのは、絶対に、あるだろうし。言語の違い、で、それは生まれるものなのだろうかなあ、、、なんだろうなあ、、、固有の文化、って、一体なんなの?とか、壮大なことも考えてしまうよ、困っちゃうよ。

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Posted by ブクログ 2017年09月27日

夏から読み始めたが、秋に読み終わった。読後感は爽やかだが、前半読み辛くて進めなかった。犬丸の飄々とした感じがいい。

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Posted by ブクログ 2017年09月02日

昔からのしきたりを守る、閉鎖的な島。人と人のつながりは濃く、淀みすらそのうちに抱く。同じころに生まれた長男同士にはじねんきょうだい(漢字忘れた…)という関係を結ぶ。主人公は高圧的な父親と島の世界に息苦しさを覚え、高校を島外に進んだ少年。彼は一年に一度、お盆の時期に行われる村のお祭りのために帰省してい...続きを読むた。船に弱く、島の中では“不思議”を見てしまう少年。親友でじねんきょうだいであるもう一人の少年にだけはその質を話していて、助けてくれるが、そのことにも彼は心の中で少しばかりの卑屈を育てていた。
長男だけが残ることを許された島。その中で確かに力を持つ神社の次男が居座っている。それがもたらす島の中の保守派と穏健派の亀裂。少年に降りかかる様々な不思議。白蛇をあがめ、そのための祭り。その中で動き出すものは…。

しをんさんの美しい文章を楽しめる、のはいいのだけれど、この手の話は少し密度不足な気がする。恩田さんのようなおどろおどろしい雰囲気には今一歩。それでも夏の夜のお供にはなかなか面白く読んだ。

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Posted by ブクログ 2017年09月09日

島の言い伝えにまつわる不思議な経験を通して、少年たちが成長していく物語。ファンタジーながら、古くからの言い伝えとなると少しこわくなった場面もあった。

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Posted by ブクログ 2017年04月30日

不思議なお話だった。
気になってスイスイは読めたけど、情景が妙にすんなり思い浮かばないというか、全編通してイメージしづらい本だった。景色の描写なんかはパッと出てくるのに、なんとなく何度も読まないと映像化できない文章というか。
まぁそのおかげであんまり怖い思いはしなかった。

あれ、がどうしても勝手に...続きを読むカオナシとシシガミ様のミックスみたいなので映像化されてしまう。

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Posted by ブクログ 2017年03月12日

小さな島、独特の因習、十三年に一度の大祭。和風ファンタジー(ホラー?)の要素で物語が展開しながらも、描かれているのは主人公たちの若さ、ナイーブさ、エネルギーと友情。闇に飲み込まれそうなシーンでも、そういうもので終始キラキラしてた。

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Posted by ブクログ 2017年02月15日

ファンタジーという分類が当てはまるのか。
恩田陸っぽい匂いを感じつつも終わった時の消化感はこちらの方がしっくりくるかも。

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Posted by ブクログ 2017年01月15日

18歳、高校最後の夏休みに故郷へ帰省した悟史を待ち受ける不思議な出来事。因習が残る拝島の謎を探る彼は、本当の自由を手に入れることはできるのか。
三浦さんが、まだ自分の書きたいものを探っている頃の作品だと思われる。若さ故の勢いとか、年長者ならではの老獪さが欠けていて、人物像がしっくりこない。それでも今...続きを読むに繋がる雰囲気は感じられる。

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Posted by ブクログ 2016年08月17日

ちょうど夏に読むのにピッタリな本を探していたところ、この本を見つけました。
不思議な物語でしたね。
独特な文化が残っている島が、日本の各地にあると考えたらロマンを感じますね。

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Posted by ブクログ 2016年08月06日

ザ・夏休み
今回の夏が人生最後の夏休みになりそうだから、こんな冒険とロマンと友情の夏休み体験をしたいな〜

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