舞姫

舞姫

605円 (税込)

3pt

舞台の夢をあきらめた過去の舞姫波子と、まだプリマドンナにならない未来の舞姫品子の母子。もとは妻の家庭教師であり、妻にたかって生きてきた無気力なエゴイストの夫矢木と両親に否定的な息子高男。たがいに嫌悪から結びついているような家族の姿の中に、敗戦後、徐々に崩壊過程をたどる日本の“家”と、無気力な現代人の悲劇とを描きだして異様な現実感をもつ作品。

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舞姫 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    戦後日本の家庭の物語。登場人物それぞれが無力感を抱え、悩みながら生きている。最終的に各人の苦しみが解消される場面は描かれず、この先どうなったのか気になる終わり方。戦後日本の価値観、男女の葛藤、経済的転落が描かれる。

    波子さんは綺麗な人なんだろうな。矢木は嫌な感じのする男だが、その背景には結婚生活で

    0
    2023年02月17日

    Posted by ブクログ

    まず舞姫というタイトルが良い。物語は、舞台の夢を諦めた波子とその娘の品子を中心に描かれているが、時に冷たく、時に切なく、様々な苦悩が入り混じった読み応えのある作品だと思う。

    0
    2020年11月08日

    Posted by ブクログ

    戦後の日本では貴族(華族)制度が撤廃されたため
    かつての貴族たちは、世襲財産保護の特権を失うことになった
    中でも、芸術などに夢を見て
    まともな生活能力を身につけなかった者たちは
    贅沢に慣れた身ゆえ、浪費をあらためることもできず
    とりあえずは家財道具を売り払って食っていくしかなかった
    こういう没落貴族

    0
    2019年09月12日

    Posted by ブクログ

    少しずつ少しずつ変わってゆく、歪みが明らかになる、広がっていく家族模様を静かに描いている。
    最後の、三島由紀夫の「解説」まで、じっくり丁寧に噛み締めて読めた一冊。

    0
    2018年11月24日

    Posted by ブクログ

    本作品のテーマを敢えて見い出せば、家族という緊結する者同士の無気力化や無関心化であり、在る面でこの後の高度経済成長期に迎える核家族化による関係性の変質を予見している。作中でも語られるように、バレエが西洋的な外の動きであるのに対し、日本舞踊が包み込むような内に向けた動作であり、日本女性へのバレエの流行

    0
    2016年07月19日

    Posted by ブクログ

    波子は言う。
    「結婚はみんな、一つ一つ非凡のようですわ。・・・・平凡な人が二人寄っても、結婚は非凡なものになりますのよ」

    気怠く鬱々とした物語だった。
    戦争が終わった平和な世界で、一つの家庭がキシキシと音を立てながら崩れてゆく。

    波子も、娘の品子も、想う人がありながら踏み出せずにいる。無心

    0
    2015年01月02日

    Posted by ブクログ

    川端作品らしく艶っぽくもあり、むなしさもありという作品で、戦後の社会を実感できると思う。文章は会話が多くて読みやすく、「俳優なら誰かな?」と想定しても楽しめる。三島由紀夫が解説を書いているところもなかなか面白かった。

    0
    2014年02月14日

    Posted by ブクログ

    「舞姫」は、プリマドンナを目指す品子、もとバレエをやっていた波子を題材にした家庭の不協和音を川端節で描いた物語。
    物語の最初から不倫など、家庭の歪みで始まり、波子の夫である矢木の甲斐性なさを物語ながら、じりじりと深みに陥っていく。そんな作品。
    文章の壮麗は、さすがとしか言えません。
    無力、虚脱、諦念

    0
    2011年10月04日

    Posted by ブクログ

    雪国より、伊豆の踊子より、好き。

    登場する女性に、しずしずと文章が寄り添っている感じ。

    「抒情歌」に通じる幻想的なところがあって、
    ひやりとする冷たさもあって、
    ひりひりと引き込まれた。

    0
    2011年04月26日

    Posted by ブクログ

    夫、矢木の無力さに抗えず、かといって恋人の竹原のもとに行くこともしない波子。
    この波子の持つ、2人への微妙な距離感は、川端の描く人物に共通してあるもののように思う。
    家族であっても伝えきれない、それぞれの持つ孤独が、美しい描写の中でグッと迫ってきます。

    0
    2009年10月04日

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