古都

古都

539円 (税込)

2pt

捨子ではあったが京の商家の一人娘として美しく成長した千重子は、祇園祭の夜、自分に瓜二つの村娘苗子に出逢い、胸が騒いだ。二人はふたごだった。互いにひかれあい、懐かしみあいながらも永すぎた環境の違いから一緒には暮すことができない……。古都の深い面影、移ろう四季の景物の中に由緒ある史蹟のかずかずを織り込み、流麗な筆致で描く美しい長編小説。

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古都 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年07月23日


    川端康成のミニマルさを端的に表した大好きな一冊。
    京都という舞台で、京都の史跡や文化に彩られながら、生き別れた姉妹の出会いを淡々と描写する。彼女たちの関係性の、描かれない部分が本当に美しい。
    最後はひっそりと都の中に消えていく様な読後感で、表題も相まり一つの到達を感じさせる作品。

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    Posted by ブクログ 2021年11月04日

    『山の音』よりもこっちのほうが好き。悪い人が一人も出てこない。特に千重子のお母さん、しげの人柄が良い。娘に厳しくあたるでもなく、愛情をもって接しているのがよくわかる。他の親たちも大店を継がせるのが人の幸せではないとか、子供を尊重した物言いで感心する。川端の書く京ことばはいけずなところなど微塵もなく、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年04月04日

    千重子と苗子、境遇も幸せの形も同じ道を辿ることはなくなってしまったけれど、お互いを想う気持ちと僅かではあるが共に過ごした温かい時間は痛いほど美しく記憶に残るのだろう。幸福は刹那的だが幸福だった記憶は永遠という川端らしい作品だと感じた。
    登場人物のそれぞれに向ける感情がどれも真摯で慈しみに溢れているの...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年02月21日

    川端康成ファンの母に勧められて。

    はじめて読む川端康成作品。
    心が洗われるような、姿勢が正されるような…
    透き通った美しい作品でした。
    ひとつひとつの描写が繊細で、
    古都の美しさや千重子の上品な立ち振る舞いが
    自然と映像として浮かび上がってきました。

    千重子は誰と付き合うのかなぁ?苗子は誰に恋す...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年10月30日

    悠久の刻に横たわる古都。少女たちの幼気な交流がほんの一瞬に輝く様を丁寧に描かれている。時代祭りを背景にした男女の心理や平安神宮の自然美の描写には、やはり郷愁を誘われる。近いようで遠い都とそこで暮らす人々の生活観を真摯に活写した文学の美しさがそこにはあった。

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    Posted by ブクログ 2020年05月02日

    京の商家の一人娘と自分とそっくりな村娘が出会うところから話が始まります。最後の切なさはなんとも言えません。また京都の四季、文化、言葉の表現の描き方がまたなんとも美しいです。

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    Posted by ブクログ 2020年03月05日

    四季の巡る京都の一年間を背景に、ヒロイン八重子を中心とした人間模様が交錯する。
    美しい言葉遣い、自然の光景や行事が川端康成の流麗な日本語で語られる。

    大店呉服屋の一人娘の八重子は、庭のもみじの幹の上下に根ざした二株のすみれに春の訪れを感じている。同じもみじの幹に咲きながらも互いを知らないのだろうか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年11月09日

     とっても素敵な作品です。
    本で泣く事は少なくなりましたが、珍しく心が温まり、泣いてしまいました。京都の伝統文化を著したお祭り、北山杉の情景描写を細かく描いていて、調べながら、想像が膨らませて読むことが出来ました。2人の双子は行き別れで、大人になってからは一緒に住む事は叶わない運命だったかもしれませ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年08月04日

    読書をほとんどしなかったのにいきなり読んで大丈夫かと不安でしたが、想像以上に読みやすかったです。四季の情景や人物の心情の描写が美しく、物語に入り込んでいるかのような感覚がとても心地よかったです。表情や仕草から人物の心情を想像するのも楽しかったです。遠からず、されど近からずの双子の姉妹と二人の男の運命...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年03月27日

    調和論だろう。日本の古都のそれはあいまいの美で、当時最近流行のハイカラなものは、その角をとってぼかしたところがないのでみたいなある意味サイケデリックなところと、生誕について思い巡らすあたりがよい。

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