八甲田山死の彷徨

八甲田山死の彷徨

825円 (税込)

4pt

日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中で過酷な人体実験が強いられた。神田大尉が率いる青森5聯隊は雪中で進退を協議しているとき、大隊長が突然“前進”の命令を下し、指揮系統の混乱から、ついには199名の死者を出す。少数精鋭の徳島大尉が率いる弘前31聯隊は210余キロ、11日間にわたる全行程を完全に踏破する。両隊を対比して、自然と人間の闘いを迫真の筆で描く長編小説。

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八甲田山死の彷徨 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    映画に感化されて八甲田山観光、その前に予習。
    よかった!おそろしかった!
    映画を見ているので、雪地獄がビジュアルで浮かぶ。

    映画と違い、徳島隊が三本木にたどり着くまでの過酷な道のりを示し、神田隊が来ていないことを知りぞっとする。そして死へ行進が幕を開ける…素晴らしい構成で、青森隊出立からは最後まで

    0
    2025年09月30日

    Posted by ブクログ

    初秋、雨が時折降る曇天、適温の週末に一気読み。それに相応しい1日だった。
    これは、静かに読む環境が必要だった。

    将の器。リーダーは1人ではならぬ。
    生き延びるために必要な準備。準備が結果を決める。
    極限の状態下も、想像力と事前の準備、そのときに向けた対策がものをいう。

    人として見失ってはいけない

    0
    2025年09月20日

    Posted by ブクログ

    200名近い犠牲者を出した旧帝国陸軍青森部隊の雪中行軍。長らくタブーだった事件に切り込んだ、丁寧な取材に基づく小説。「失敗の本質」などでも散々書かれている、リーダーの資質、準備不足、事なかれ主義、油断、責任放棄など、ダメな組織、ダメなリーダーの特徴みたいなものが随所に現れる。ダメなリーダーのおかげで

    0
    2025年07月28日

    Posted by ブクログ

    会長と社長が好きな本ということで積ん読になっていたこちらをやっと読んだけど、人生で読んだ本ベスト3に入るくらいには面白かった。

    過去にこんな事があったということを全く知らず、自分の知識を増やすことができたのもよかったけれど、敵を知ることや前準備がいかに重要かをこの本を読んで再認識出来て本当に為にな

    0
    2025年06月29日

    Posted by ブクログ

    実際に起きた明治の遭難事件を元に作者の新田氏が小説として描いているが、雪山という自然の中での行軍の様子、戦争で死が隣であった軍人たちでも狂ってしまう恐ろしさ、また軍人であるという精神や忍耐論の限界、階級社会の悪いところなどが詰め込まれておりあっという間に読破してしまいました。

    0
    2025年05月16日

    Posted by ブクログ

    リーダーとはなんぞや、のヒントがないかと思って読み始めました。結果として、こんなに最適な本はなかったと思いました。読んだ後人生観が変わる。行動に移せればと思う。準備は大事。劣等感は持ちすぎると毒。
    誰かにアドバイスされるより、過去にあった事件の本を読んだ方が納得できた。

    0
    2025年05月07日

    Posted by ブクログ

    遭難した青森第5聯隊と、競わせる為に別の隊・弘前第31聯隊がいた事、第31聯隊は全行程の踏破に成功していた事は知らなかった。
    その二つの隊の生死を分けたものは何だったのか。天候、隊を率いるリーダーのあり方、出自による差別意識など、色んな事が重なってしまったからか。
    急激な天候の変化、前を行く人の姿も

    0
    2025年03月28日

    Posted by ブクログ

    日露戦争前夜、雪中での行軍を想定した演習で発生した未曾有の大遭難という史実をベースとした作品。
    「Wikipedia三大文学」の一角ということと、大まかなストーリーは知っていたのですが、実際に読んでみて圧倒されました。

    一目で「あっ、この瞬間に歯車が狂ったな」と分かるシーンもあれば、「これ、最終的

    0
    2025年03月02日

    Posted by ブクログ

    岩井圭也さんの「完全なる白銀」を読んだ時
    今年のネンイチニッタは八甲田山死の彷徨を再読に決まりました
    雪山小説の最高峰は、まだ譲れない
    1977年の映画と共に記憶に残る作品です
    弘前歩兵第三十一連隊隊長徳島大尉が高倉健
    青森歩兵第5連隊の神田大尉が北大路欣也
    2隊の対比が物語の主体

    時代は日露戦争

    0
    2025年02月15日

    Posted by ブクログ

    日露戦争前夜の八甲田山での日本陸軍の遭難事件。あまりにも有名な事件だけれど、ほぼ全滅した連隊とは別に、無事生還した連隊があったことがどこまで世間に知られているのか。第五連隊の準備不足、指揮命令系統の混乱、組織論理の優越から来る非合理的な判断、劣等感から意見の飲み込みなど。現代社会において組織に生きる

    0
    2025年01月03日

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