八甲田山死の彷徨

八甲田山死の彷徨

小説・文芸
825円 (税込)

4pt

日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中で過酷な人体実験が強いられた。神田大尉が率いる青森5聯隊は雪中で進退を協議しているとき、大隊長が突然“前進”の命令を下し、指揮系統の混乱から、ついには199名の死者を出す。少数精鋭の徳島大尉が率いる弘前31聯隊は210余キロ、11日間にわたる全行程を完全に踏破する。両隊を対比して、自然と人間の闘いを迫真の筆で描く長編小説。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    八甲田山死の彷徨
  • タイトルID
    :
    207486
  • 電子版発売日
    :
    2013年05月10日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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八甲田山死の彷徨 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    登録は新潮文庫だけど、実際は古書店で買った、昭和46年当時に発行されたもの。時代柄、まだ戦後そこまでたっていないこともあって、描写が戦中を経験したことがなければ書けない文章で、公式記録をもとにしたとしても現代の作家にはこういうものは作れないと思った。
    これはジャンルは小説ということだが、生存者や遺族への取材、公式記録他生存者の記録、現地への取材をしたうえで書かれている。小説とした理由は直接取材し得なかった、亡くなった隊長、将校や兵卒、従軍記者、村人の心理描写を軸に話を進めたからだとおもう。実際にたどった道、どのように遭難したか、会話、生き残ったかは深く取材をしているので、実際はノンフィクションとしてよいと思ったので、じぶんの中ではノンフィクションジャンルで登録をした。
    その時代でなければ・・というのはその心理描写ほか説明書きの中でも~~逆らえるはずがなかった。上官が命じたらそこまで。といった、当時の軍隊や日本の様子を肌で感じていないと書けない生生しい文章だと感じたから。文体は今でも読みやすく、山岳作家の方の文章は結構読みやすいと思っているんだけど、わかりやすい描写、転換もはっきりしていて古典感はまったくなかった。
    行軍をした心理描写があったからか、自分もそこにいるかのような感覚をもちながら読んだ。絶対に経験しないことだからなのか、自分も山に行くからか、こういう遭難の話に惹きつけられるものがあるのはなぜだろう。

    0
    2026年09月20日

    Posted by ブクログ

    自然に対しては、決して楽観しては行けないこと。大きな組織のトップの判断の失敗は、多くの犠牲者を出すということ。だから責任が大きい。失敗を修正するのも難しい。

    失敗の教訓を学ぶにはとても良い一冊。

    ここまで、悲惨な結果を出さない様に、常に最悪のケースを考えて決めていこう、と思う様になった。

    0
    2026年08月22日

    Posted by ブクログ

    124年前に起きたこの事件を、今の感覚で、誰が悪かったのかと断じることはできないと思った。

    極寒の中、前例のない雪中行軍で、正しい判断を下すことが無謀にも程がある。

    雪山という自然界の厳しさと、個人の意思では抗えない縦社会の権力。
    その両方から逃れられない状況は、残酷でしかなかった。

    権力を持つ者が、立場の弱い者の命を軽く扱ってしまうこと。
    それは過去の出来事ではなく、今も繰り返されている人間の怖さだと思う。

    0
    2026年02月05日

    Posted by ブクログ

    映画に感化されて八甲田山観光、その前に予習。
    よかった!おそろしかった!
    映画を見ているので、雪地獄がビジュアルで浮かぶ。

    映画と違い、徳島隊が三本木にたどり着くまでの過酷な道のりを示し、神田隊が来ていないことを知りぞっとする。そして死へ行進が幕を開ける…素晴らしい構成で、青森隊出立からは最後まで止まらない勢い。

    1番のハイライトはさわの道案内。吹雪にもかかわらず、ワクワクするような爽やかで明るい行軍となった。

    日露戦争に向けた、当時の空気をひしひしと感じる。たかだか数十年前に誕生し、急速に力を持った支配階級・軍人を、市井の人々はどう見ていたのか。
    最後の立川中将の「軍兵増強と知名度を勝ち得た五連隊の勝ち」判定には甚だ遺憾ではあるが、「両方が勝つ戦争というのはがあるのですか」は日露戦争を思わせて興味深い。日本は勝ったが得るものがなく、好戦の道へ突き進んだ。ロシアは負けたが、この戦争はむしろ革命を後押ししたかもしれない。
    最もこれだけの犠牲を出して雪山の恐ろしさを知り、せっかく生存した頑健で有能な将兵たちを失なってまで臨んだのだから勝てないと報われなかったが…

    映画ならではのドラマチックな脚色も良かったと振り返って思う。
    筆者の思惑通り健さんを通した『徳島大尉』は極限まで美化され、第三十一連隊ここにありと八甲田踏破をアピール。小難しくなる銃の話など後日談はカット。可哀想だけど案内人の受難もカット。神田大尉は若く立場の弱さを強調し、顔を観るだけで苦味がするような三國の山田大佐とキャラクターの凹凸をはっきり。田茂木野での、遺体となった神田大尉との再会。厳冬の雪地獄の合間に、幻覚として美しく優しい秋までの八甲田をはさむ。


    というか1世紀前にはこんな過酷な行軍をやってのける軍隊という組織があったなんて。現代、同じような環境に置かれてどれだけの人がチーム行動を保てるのか…?無謀と盲信ではあるけれど、軍という不思議な強制力と信頼を生む組織への興味が湧く。

    0
    2025年09月30日

    Posted by ブクログ

    初秋、雨が時折降る曇天、適温の週末に一気読み。それに相応しい1日だった。
    これは、静かに読む環境が必要だった。

    将の器。リーダーは1人ではならぬ。
    生き延びるために必要な準備。準備が結果を決める。
    極限の状態下も、想像力と事前の準備、そのときに向けた対策がものをいう。

    人として見失ってはいけないこと。
    将、リーダー、組織を率いるものとしての資質と行動。人を巻き込み、味方につけるためには、何が必要か。

    読んでて、息苦しい。。

    0
    2025年09月20日

    Posted by ブクログ

    200名近い犠牲者を出した旧帝国陸軍青森部隊の雪中行軍。長らくタブーだった事件に切り込んだ、丁寧な取材に基づく小説。「失敗の本質」などでも散々書かれている、リーダーの資質、準備不足、事なかれ主義、油断、責任放棄など、ダメな組織、ダメなリーダーの特徴みたいなものが随所に現れる。ダメなリーダーのおかげで亡くなるのは下々のものであり、これは現代でも同じ。現在、現地には慰霊塔が立っているのだが、これも階級ごとに造りが異なるという。こういうところからも、学んでいかなければならない。

    0
    2025年07月28日

    Posted by ブクログ

    会長と社長が好きな本ということで積ん読になっていたこちらをやっと読んだけど、人生で読んだ本ベスト3に入るくらいには面白かった。

    過去にこんな事があったということを全く知らず、自分の知識を増やすことができたのもよかったけれど、敵を知ることや前準備がいかに重要かをこの本を読んで再認識出来て本当に為になった。

    自信を持って人にすすめられる一冊でした。

    0
    2025年06月29日

    Posted by ブクログ

    実際に起きた明治の遭難事件を元に作者の新田氏が小説として描いているが、雪山という自然の中での行軍の様子、戦争で死が隣であった軍人たちでも狂ってしまう恐ろしさ、また軍人であるという精神や忍耐論の限界、階級社会の悪いところなどが詰め込まれておりあっという間に読破してしまいました。

    0
    2025年05月16日

    購入済み

    感想

    指揮官はどうあるべきかを学びました。

    0
    2018年08月26日

    Posted by ブクログ

    プロジェクトマネジメントの全てが詰まっている…そう評価された映画の原作がこちら。

    山岳遭難としてハラハラ読み応えがある。雪中行軍に挑んだ(挑まされた)2つの隊であるが、ひとつは200名近い死者を出して壊滅、もうひとつの隊は無事に踏破。無事とひとくちに言ってもギリギリのところではあるのだが。
    計画も含めた入念な事前準備、指揮権の明白化、集団としての認識統一、絶対に変えないことと変えてもいいこと。これら全てを通した部隊と、全てを裏切った部隊。その対比がおもしろい。

    また、単なる組織、リーダー論では語り切れない本作。
    対ロシア戦争を前にして、こういう人体実験をしてしまうことからして既に思考停止だったというべきか。流れ、勢いというのはマイナスに動き出したとき本当に怖い。

    企画するとき、絶対に達成することと、達成したいが無理が生じたら捨てること…改めて考えてみたい。そこのビジョンがあれば、「引き返す」ことができるのだろう。

    0
    2026年07月19日

八甲田山死の彷徨 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    八甲田山死の彷徨
  • タイトルID
    :
    207486
  • 電子版発売日
    :
    2013年05月10日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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