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Posted by ブクログ
竹井岳彦という男の生涯。
岳彦は、山で足に凍傷を患い、両足の先を失います。
でも、岳彦は山を諦めませんでした。
失った足をゆっくりゆっくり前に運び山を続けるうちに
足は蘇り始めたのです。
『「おれの足が蘇ったぞ」岳彦は、その喜びを力いっぱいの声で叫び続けた』
これは登攀中に、
感覚がないはずの義足に倦怠感を覚え、手でそこをさすったら治った時です。
本物の自分の足には普通のことだけれども、
義足が本当の足になったという瞬間と。
すごく感動しました。
また、岳彦とザイルを組んだ人は3人とも(岳彦の責任というわけではなく)、
事故にあい山で命を失ってしまいます。
岳彦は心の中で責任を感じていますが、
そののち、
その命を落とした仲間は岳彦が遭難にあいかけたとき、
不思議な体験として岳彦の元へ戻ってきて助けてくれるのです。
岳彦と山を結び付ける何か。
これを、全編通して心の中にぐいぐいとせまってきます。
本当にすばらしい。
常に、3行先が気になる。
早く読みたい。
早く知りたい。
こんな気持ちであっという間に読んでしまいました。
最後の部分もすごく味わい深い。
決して単純な終わり方をせず、何か影を落としています。
単純な趣味ではない、自分に取り憑いた山というものを
マッターホルン成功した岳彦は、どういう気持ちで見つめていたのか。
彼が義足という障害を乗越えた先にみたものは、達成感と何であったのか。
余韻にひたってしまう作品です。
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