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Posted by ブクログ
CM子役からドラマ女優へ、TVが生活の中心にあった平成時代の夢と現実の物語。「夢を与えるとは、他人の夢であり続けることなのだ。だから夢を与える側は夢を見てはいけない」。学年が上がるにつれ、発達していく夕子の心と人間関係の解像度。夢を与える側の孤独と諦念、現実に向き合い続ける中で生まれる与えられる側との深い溝に胸を抉られました。
綿矢りさは対談記事で「影響を受けた作家は太宰治」と語っていますが、この辺りの描写はとても似ているなと感じます。他人からどう見られるかを気にするあまり、終には自分の心身を失ってしまう正に現代版の『人間失格』なのではないでしょうか。
折しも本作は『蹴りたい背中』から4年後の芥川賞受賞後第一作。良くも悪くも読者の見る目が変わった中で、綿矢さん自身の不安や葛藤が"夕子"として描かれた渾身の一作だと感じました。
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