魚影の群れ

魚影の群れ

660円 (税込)

3pt

4.5

津軽海峡を舞台に、老練なマグロ釣りの孤絶の姿を描く表題作。四国に異常発生した鼠と人間との凄絶な闘いの記録「海の鼠」。名人気質の長良川の鵜匠の苦渋を描く「鵜」など動物を仲立ちとして自然と対峙する人びとの姿を精密に描いた傑作小説四篇を収録した作品集。

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魚影の群れ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年12月03日

    1950年頃愛媛県戸島で起きたネズミ大量発生騒動をモデルにした「海の鼠」など4編。自然災害を書かせたら神。時代も環境も違うのに臨場感があって、村人の一人になって一緒に毒ダンゴを作ってる気持ちになった。名作揃いの吉村昭氏の著作の中でも決して引けを取らない。高熱隧道や羆嵐と同じレベルの衝撃。短いページの...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年08月07日

    「海の鼠」「蝸牛」「鵜」「魚影の群れ」の4篇の短篇集。

    実話に基づくらしい。
    筆者の綿密な取材により、ありありとその世界が伝わる。

    中でも、大量発生する鼠に苦慮する島の顛末を描いた「海の鼠」。自然現象にいかに人は無力か。島民の悲哀。そして、「鼠駆除」がもたらしたもの…。氏の筆致が秀逸。

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    Posted by ブクログ 2013年12月18日

    マグロ、鼠、鵜、蝸牛をテーマにした「動物小説」の短編集(4編)。
    動物を通じて自然の厳しさを描き、また自然(動物)と対峙するプロの生き様をヒューマンタッチに描く。
    吉村昭の作風でもある詳細な事実調査の積み重ねからなる迫りくるリアリティに自ずと惹きこまれてしまう。
    歴史小説にはない新鮮さを堪能できた。

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    Posted by ブクログ 2015年09月13日

    久しぶりに本を読んで鳥肌がたった。総毛立つとはこのことであろう。
    それが、最初の海の鼠である。
    あくまでリアルにリアルに(この話は実話であるようなのだが)描く筆力に感服。
    最後の話、表題作もよい。
    心に迫るものを感じて本を置いた。

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    Posted by ブクログ 2012年12月30日

    瀬戸内海の小島で爆発的に大量発生するドブネズミ、会員制販売され常習性のある食用カタツムリ、鵜飼される鵜、津軽海峡のマグロ、とその周りの人間の話。

    李鴻章が「耕して天に至る。以て貧なるを知るべし。以て勤勉なるかな。」と称した光景を見てみたい。人が土地に対してした敢闘の証。
    棚田ってきれいだな、くらい...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2023年03月25日

    動物をテーマとした短編4作を収録。

    海の鼠は瀬戸内の島で大量発生した鼠に対応する人々を描いた実話にもとづいた話。
    鼠取り機、殺鼠剤、蛇など、鼠駆除に様々な方策が講じられ、一定の効果はあるものの、結局人間の力で鼠の群れを壊滅させることはできず、島民は鼠の害にあいつつも、状況を諦め、受け入れていく。そ...続きを読む

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