無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※こちらの作品はブックライブ for Android、ブックライブ PLUS for Android、ブラウザビューアではダウンロードおよびオフラインでの閲覧ができません。
Posted by ブクログ
トラウトとヴォネガットのグランドフィナーレを飾る、ヴォネガットの最後の長編小説。
タイムクエイクとは、過去十年をリプレイする現象だ。
これまで過ごしてきた十年間を、自分の意思とは無関係にやり直さなければならない。
あのときの事故を防ぐことも、あのときの失敗を防ぐことも、あのときの失言を取り消すこともできない。
皆一様に、自らのたどってきた、愚かしくも誇り高き十年をなぞる羽目に陥る。
ところが、リプレイ終了と同時に、自分の意思で行動をしなければならない。
何にも考えずに行動してきたのに、ある瞬間を境に、「自由意志」のスイッチが入る。
そうすると、人はどうなるか。たとえば、動く歩道に乗って移動をして、
歩道が終わると自らの足で一歩を踏み出さなくてはならないが、
あなたが相当ぼーっとしていたとしたら……。
突如、動く歩道が終わり、おそらくあなたは前につんのめって転ぶだろう。
タイムクエイクとは、そういうことである。
十年間のリプレイ。
非常に面白い発想で、 最後の最後にヴォネガットはSF的な要素の小説で
グランドフィナーレを飾ってくれたと思ったものだが、
このリプレイとは、今のわれわれのことなのかもしれないと思うに至った。
自らの意思で考え、気づき、動けとずっと訴えてきたヴォネガットだった。
しかし、もう「坑内カナリア」理論だけでは追いつかない世界情勢に業を煮やし、
読者への最後の贈り物としてこの物語を仕上げたのではないだろうか。
ヴォネガット作品に度々登場した孤独で不遇なSF作家、
キルゴア・トラウトは、リプレイ終了後に
「あんたは病気だったが、もう元気になって、これからやる仕事がある」と、
混乱する人々を励まし続けた。
そして、たくさんの人々から感謝されたトラウトは、一人ぼっちではなくなった。もう孤独じゃない!
「タイムクエイク」は、ヴォネガットのラストの小説であり、
これまでのヴォネガットの小説を継続して読んできた読者への特別なプレゼントでもある。
そのため、他の本を読んでない人にとっては、おそらく意味不明な描写も多いはずである。
が、個人的には、いろんな思い入れのある作品だ。
Posted by ブクログ
エッセイ?小説?よく分からない作品。
本の中心になるストーリーは、時間が突然10年前に逆戻りし、人々はまったく同じ10年間をデジャブの中でリプレイする。それが突然終わった時の混乱で、おなじみのキルゴア・トラウトが活躍する、というものなのだが……。
冒頭で作者は、「老人と海」を引き合いに出してこう説明する。「老人と海」で釣り上げたカジキはヘミングウェイが書いた長編小説のことで、それが鮫に喰われてしまうのは、批評家たちにボロクソにけなされたことの象徴なのだと。
釣り上げた魚は食われる前にバラしてしまえばよかったのだ。
今回、作者は自分の作品が気に入らないので、自分でバラバラにして、いろいろぶち込んでシチューを作ったのだという。
出来上がったのは、なんとも不思議だが味わいのある作品だ。作者の、シニカルだが暖かい人間愛はけっして衰えていない。
これで、最後の作品だと、作者は宣言しているけれど、まだまだこれからもすばらしい作品を作り続けてほしい。
Posted by ブクログ
過去、ヴォネガットは3作品を読んでいる
『プレーヤー・ピアノ』
『猫のゆりかご』
『スローターハウス5』
いま、このブログにある自分の感想を見てみると、どれも好もしくよろしい感触
さもありなん、このもう最後の作品になるのかという、作者73歳か74歳発表の
『タイムクエイク』
やはり、なかなかの作物なり
創作あり、随筆風あり、思い出あり、文学紹介あり
幾層にも複雑化した構成の中に、いい年輪を感じさせる、その気持ち
わたしたち年寄り(この本では「古手」といっている 笑)にはよくわかるのである
タイムクエイク(時空連続体)によってある時、詳しくは2001年2月23日、
10年前逆戻りして1991年2月17日に戻ってしまい、
やり直しできるのではなく、繰り返さなければならない日常になって
いざ、タイムクエイクがストップしても、何をしていいか戸惑う設定
人間繰り返しが続くと自分の頭で考えることを無くす
しかも、随筆風の部分の2001年は作者の将来で、長生きするつもりで
「そんな風に自分はこの世にいる」と想像するのであって
これもわたしがよくやる手(笑)
いろいろ文学的な思い出やら、薀蓄もわたしにはおもしろかったですね
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※こちらの作品はブックライブ for Android、ブックライブ PLUS for Android、ブラウザビューアではダウンロードおよびオフラインでの閲覧ができません。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸