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Posted by ブクログ
私が必要としていた言葉がたくさん見つかった。
今この瞬間も起きている愚かで不条理で納得のいかないことと、愛おしくて満ち足りた日々の一瞬一瞬を、どう共存させたらよいのか。どう考えれば納得いくのか。それは妥協のようにも聞こえるけれど、戦争体験者がもがき苦しみたどり着いた真理だと思う。決して諦めではなく、この瞬間を生きることに集中するということ。
「美しい瞬間をながめながら、われわれは永遠をついやす」
素晴らしい作品で、私のベスト10に入りました。
もう一度読もう、原書も読もう。
日本に生まれ育った自分としては、ドレスデン爆撃を広島の原爆と比較して語られることにモヤっとするけれど、伊藤典夫さんの後書きでそれはのみこめた。死者数ではなく、そこにあった一人一人の美しい瞬間に目を向けることを忘れないようにしたい。
Posted by ブクログ
テッド・チャンの「あなたの人生の物語」を元にした映画「メッセージ」のヘプタポッドを思い出しながら読みました。
時間を、線形ではなく全体として一望するという感覚は、決定論や運命論的で自由意思の無い冷酷なイメージもありますが、この小説では一枚のペルシア絨毯の模様を、繰り返し愛おしく撫でる様な優しさを感じました。
この小説はSFなのか、妄想か、後遺症か。
過去、現在、未来様々な出来事を断片的につないだ
ユーモラスな雰囲気とコミカルさの奥に、そう書かざるを得なかった悲惨さと、嘘をつかない為に虚実織り交ぜて書かれた真摯さを強く感じました。
戦争や自然災害、病気、別離などの困難に直面した際に感じる「なんで私が」という気持ち
原因を掘り下げても立ち行かないような時、
「So it goes (そういうものだ)」というのもひとつの振る舞い方だと思う。
Posted by ブクログ
ごく稀に、ほんとうに元気…というよりも逆に追い込まれているのか、いまここに生きていることを実感するために、どう生きるか考えるために、生きること、死ぬことを描いた小説を、無性に読みたくなるときがある。(とても傲慢な感覚なので、言葉にするのがとても難しいです。ご不快に思われたら申し訳ありません。)
タイトルと、そのタイトルの由縁、戦争、捕虜、ドレスデン大空襲、それを描いたSF小説。
あらすじを読んで、このテーマがどう絡み合うのかがずっと疑問だった。ずっと読んでみたかったけれど、読むとくらってしまう性分なので怖気付いて敬遠していた。でもふと、読みたくなって手に取った。
戦争がはじまったとき、あなたはまだ子供だった。戦争で犠牲になるのはいつも子供達。第1章でメアリの語る憤り、そして「ジェノヴァの善良な人びと、万歳!」
善良な人びと、万歳。愛すべき隣人たち。
すべてが失われた焼け跡で鳥がいう。
何度も何度も、この部分を読み返してしまった。
ドレスデンの大空襲は、ケストナーの戦争日記にてお母さんからの手紙で出てきたような気がする…
とにかく、ありのまま 自分の手で 試行錯誤しながら…悩み抜いて…でも時に軽やかに… そんなふうに書かれていて、読んでいてなんだか、ふわふわと気持ちが軽くなるシーンや、ビリーの感情に呼応して泣き出してしまうシーンや、なんとも滑稽ですこし笑ってしまうシーンや,切なくて寂しい、でも永遠なんだ、と安心するようなシーンが
痙攣的に訪れて。なんだかよくわからないんだけれど、とても、読めてよかった、と思えた。
"そういうものだ"と繰り返されることばは、
諦めのようでいて、不条理なようでいて。軽やかなようで、ずしんと重く響くような。
起きたことなんだ、そういうものなんだ、そこに、やるせなさを感じるということは そういうものだ、と理解しようとしているようで、ぜんぜん納得できていないように感じるのだ。
日々感じている不条理さ、不甲斐なさと、実際にそのことが自分の身の回りではじまった その時に自分はどう生きるのかどう振る舞えるのか、そういうことを日々考えている。そういうことを考えて気が滅入ったり、落ち込んだりする私に、ビリーが、ヴォネガットが、寄り添ってくれた。そう、そう思えた。
Posted by ブクログ
ビリー・ピルグリムは検眼医
彼はけいれん的時間旅行者で、つぎの行先をみずからコントロールする力はない。したがって旅は必ずしも楽しいものではない。人生のどの場面をつぎに演じることになるかわからないので、いつも場おくれの状態におかれている、と彼はいう。
そんなビリーはトラルファマドール星人に拐われ、トラルファマドール星で動物園に入ることになる。
そして人生のなかばを過ぎるころ、トラルファマドール星人から助言を受けた。「幸福な瞬間だけに心を集中し、不幸な瞬間は無視するように、美しいものだけを見つめて過すように、永劫は決して過ぎ去りはしないのだから」と。
Posted by ブクログ
再読
2026.3.27
言葉で表せない戦争という惨劇の前でただ立ち尽くしてしまう感覚
繰り返される「そういうものだ」 この後には「と言うしかない」と続くのではないか
ラスト付近のこの言葉は無力な個人が、それでも生きていくための祈りだと思う
「神よ願わくばわたしに変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを見分ける知恵をさずけたまえ」
2022.11.12
人間の自由意志を否定したくなるほどの大量の死をもたらす戦争をトラルファマドール星人式の世界認識で追体験する。彼ら曰く全ては同時に存在しており、死は一時的なものなのである。
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