答えのない世界を生きる

答えのない世界を生きる

1,980円 (税込)

9pt

常識から目を覚ますために。大いなる知性が紡ぐ「考えるための道しるべ」

本書は、2003年に現代書館から上梓した『異邦人のまなざし』の改訂版である。出版から15年近く経ち、学問や大学に対する私の思いは少なからず変化した。新たに考えたことを加筆し、私のフランス生活を再び反省してみた。そして自伝的性格の強かった原著の内容を一般化して、考えるための道しるべとして書き直した。異邦人や少数派が果たす役割をより掘り下げ、開かれた社会の意味を考察する。(「はじめに」より)

今日の異端者は明日の救世主かもしれない
中世の宗教裁判や魔女狩り、ナチス・ドイツ、ソ連、中国の文化大革命、カンボジアのポル・ポト率いるクメール・ルージュ、そして大政翼賛会や特別高等警察も、正しい世界を作ろうとした事実を忘れてはならない。正しい世界の構想を誤ったのではない。普遍的真理や正しい生き方がどこかに存在するという信念自体が危険なのだ。(本文より)

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答えのない世界を生きる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    作者の思考されたものではなく思考の仕方が自伝がてら語られる。
    答えのない、正しい答えが存在しない世界だからこそ問い続けなければならないこと、この世界を異端、異邦として見つめることで、画一化される正しさに疑義を与える。
    今、この世界に生きるとき、大事な姿勢。

    0
    2024年04月18日

    Posted by ブクログ

    「解のない世界に人間は生きる。・・・
         (中略)
    ・・・考えることの意味を知ることが重要だ。」

    この世界で生きていく上での答えなどない。
    自身の問いに向き合えているのか、そう著者に問われている気がした。

    とても読みやすく、何度も読み直したい本だ。

    0
    2024年01月12日

    Posted by ブクログ

    同著者の『社会心理学講義』や『責任という虚構』読もうとしたが重かったので、ちょっと寄り道。紆余曲折の末にフランスで社会心理学者として教鞭を執った著者の半生を振り返った本。
    異文化の中で培った普遍性を疑う感性から見た世界を綴る。

    「文科系学問は役に立つのか」という章の〆の一文が象徴的だった。
    「文

    0
    2022年06月08日

    Posted by ブクログ

    考えるとは悩むこと。
    人は他人の頭で考えることができないのだから、借り物の知識だけでなく、”不思議だな”と思うことをしつこく追及していくしかない。しつこく悩み考えるなかにスッキリした瞬間があらわれる、たとえそれが大したことない”なーんだ、そんなこと当たり前じゃないか”と言えるものが、実は思考の結果だ

    0
    2022年01月07日

    Posted by ブクログ

    尊敬する出口治明氏が推薦しているので読んでみた。
    近代以前ならば、物事の是非を判断するのは「神」だったが、近代では人間が決めなければならない。
    「人間が決める以上、その先に待つのが〈正しい世界〉である保証はない。」
    知識の欠如ではなく知識の過剰が理解の邪魔をする。ペルーの農村の話は分かりやすかった。

    0
    2021年07月08日

    Posted by ブクログ

    マイページ毎に脳震盪が直撃するような感覚になる稀有な本。

    自分の頭で考えることの重要性を謳われて久しいが、真に考えるということを今までにないほど、ストレートにぶつけてくる。

    自身の思考枠にヒビが入る。
    それは痺れるような快感だ。

    何なんだこの本は。
    畢竟、独学に勝るものなし。

    0
    2019年03月24日

    Posted by ブクログ

     「世の中のあらゆることに、絶対的な正解などありはしない」と教える本です。半分は著者の自伝でもあります。

     第一章「知識とは何か」、第二章「自分の頭で考えるために」まではまだ大人しいのですが、第三章「文化系学問は役に立つのか」の辺りから過激になっていきます。「大切なのは知識を積むことではない。教育

    0
    2019年12月28日

    Posted by ブクログ

    ライフネットの出口氏がゴリ押ししていた本書。国際人というのは、どこにいても自然に生きられる人であるのに対し、異邦人とは、どこにいても周囲に常に違和感を覚える人。普遍的な心理や正しい生き方など存在しないという前提のもとに、ひたすら問い考え続ける生き方について説く。主観と客観、内側と外側、人生におけるあ

    0
    2018年09月02日

    Posted by ブクログ

    ライフネット生命の出口会長推薦の本。少し前から読みたいと思っていたが、出張の移動時間を利用して読むことができた。作者の学問へのスタイルを形成する要因となった後半部分の作者の半生が、かなりぶっちゃけた内容が続くので、ぐいぐい引き込まれていく。後半スピードアップする感じだ。面白いおっちゃんである。
    自他

    0
    2017年09月14日

    Posted by ブクログ

    自分の頭で考え自分の言葉で話すこと、価値観の崩壊を恐れないこと、多面的にものごとを捉えるようにすること
    人生を考え直す良いきっかけとなりました
    人とたくさん議論を交わせるようにしていきたいです

    0
    2022年01月31日

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