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仙石藩士・刑部小十郎は、藩の御長屋を出て、江戸市中の借家に居を移した。仙石藩はかねてより隣接する島北藩と不仲だったが、仙石藩主が島北に面子を潰される事件「檜騒動」が勃発、小十郎の朋輩・正木庄左衛門は義憤に駆られ、藩主の汚名をそそごうとしていた。小十郎は、その助太刀を命じられたのだ。大家である古道具屋・紅塵堂の娘・ゆたとの淡い恋をはじめ、人情篤き人々に囲まれた、ほろ苦く切ない江戸の青春時代小説。
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Posted by ブクログ
父親からも捨石扱いされてしまった優柔不断な小十郎だったけれど、死んだふりをしてまで慕ってくれた娘、ゆたと一緒になって初めて生きる意欲が湧いた様だ。 死んだふり、一度してみたけれど俗世間にいる間では本当に難しいものだ、病気覚悟しなければ。
どうなるのかなぁと思いながら読み進んでいきました。 藩主の汚名をそそぐというお役目から話はどんどん展開していくのですが・・・ 托鉢の賢龍の活躍も楽しかった。 「ゆた」との関係はどうなる?って思ったけど、最後には納得して読み終わることができた。 いつもながら「宇江佐さん」の作品は好き♪
素敵なお話でした。 時代背景もすごく分かりやすかった。 キャラクター一人一人が生き生きしていて、すぐに物語に引き込まれました。
偶然にも「銀の雨」を読んだ直後だったので、ゆたのその後を見届けることが出来て良かった。武士とは本当に窮屈なものだけど、生きていれば良いこともある。私も嫌なことがあったときも、死んだふりして生きていこう。
江戸時代を選んで書いているのは、名もない一人の庶民と自分が繋がっているかも知れない、という思いからだと著者の宇江佐さんは語っているそうです。また、今の時代の便利さやスピードに対する疑問からともおっしゃっているそうです。 今の時代、スマートフォンなどが登場し、どんどん便利になり、さまざまなものの流れ...続きを読むが速くなっています。 人と人との関係も、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアがコミュニケーションに欠かせなくなりつつあります。情報の伝播力はすさまじく、中東では革命に一役買っていたという。 ネットを中核にしたコミュニケーションの領域には、もはや国境は見当たりません。 今回の東日本大震災では、安否確認や被災地の状況などでネットも大活躍したようです。 私も故郷の母が心配で、電話は不通、停電で、通常のコミュニケーション網は役に立たなくて、地元のブログにコメントを書き込んで、安否と状況を確認できました。見も知らぬ人々に助けられました。 しかし、どこまでこの拡張・拡大の波動は続くのでしょうか。 日々の生活に潤いが感じられなくなってきたように思っています。 江戸時代は夜は暗く、夏は暑く、冬は寒かった。 電話もない、電気もない、メールもない。 その時代をいまは決して望んではいませんが、少し不便になり、少し速度を落としてもいいではないかと思うことが多くなりました。 この物語の中で、恋するものたちは、「待つ」ことを強いられます。待つことに耐えなければなりません。待つことで、しかるべき時を創らなければなりません。 江戸から東北盛岡までの距離を歩いて往来していた。その道中では何を考え、何を思って歩き続けたのでしょう。 私に必要なのは、そうした時間をしっかりとることだと最近しみじみと感じています。
藩主の敵討の手伝いをすることになった刑部小十郎。父親の伝手を頼って江戸市中の借家に住まうことになる。その大家であり古道具屋「紅塵堂」の娘・ゆたとふたりは互いに惹かれあう。周囲に翻弄されつつ不器用に生きるふたりを中心とした青春時代小説。 * * * この話は別のお話『銀の雨』と設定を共有しています。『...続きを読む銀の雨』に出てきたゆたがヒロイン。正直、『銀の雨』を読んでいると、あのゆたが恋なんて(笑)と思ってしまいます。ごめんなさい。 もどかしいような切ないようなそんなお話です。主人公が藩に仕える武士で(嫌々ながらも)仇打ちの為に奔走する為、かなり武士について踏み込んでいるかなと思います。 個人的に賢龍のその後が気になります。
仙石藩士の刑部小十郎は、藩の汚名をそそぐ、助太刀を命じられた。 町屋の娘、ゆたとの淡い恋。 雲水の賢龍との友情。 小十郎の成長。などなど。 「人間、何が幸いし、何が不幸になるか知れたものではない。徒に落ち込むことはないのだ。そのうちに解決の糸口はきっと見つかる」(本書 298頁より) 読...続きを読む後感がよかったです。どうなるのかハラハラして、引き込まれる、宇江佐作品はおすすめです。
タイトルが巧い。主人公・小十郎が町娘ゆたと恋をして、賢龍との友情を深めていくにつれ、三日月が満月になるように成長していく。 厳しい武士社会・・・「いやおうもなく流されて、気がつけば手前ェの居場所がなくなっている。それもこれも世の中ですよ。」ゆたの父・八右衛門の言葉どおり小十郎の人生も右往左往するが、...続きを読む「死んだふり」の生き方が小十郎を幸せにする。
某東北の藩の若者が、とある事情により江戸の藩邸から町長屋へ移り住み、さまざまな人々と出会い成長していきなんたらかんたら・・・・・。設定がややこしすぎるのか、登場人物それぞれの魅力が描ききれてない気がします。終盤にかけて、なんだか慌ただしかったなぁ。可もなく不可もなく、といった読後感。・・・ていうか、...続きを読むたなぞう終了のニュースのほうが気になるよぉ〜!
主人公にあまり魅力を感じなかった。 実際は悪者なのか?味方なのか? と途中ドキドキした登場人物が何人か居たけど、どんでん返しは無かったので、拍子抜け。
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