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私の本当の父親は、誰ですか――見知らぬ他人の精子を用いるAID(非配偶者間人工授精)を選択した家族、医師、精子提供者らに徹底取材。決断までの夫と妻それぞれの葛藤、生まれた子に事実を告げる困難、そして“秘密”を知った子どもたちの衝撃。命の真相をめぐるドラマを克明に描き、科学技術がもたらす幸福とは何かを問う。
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Posted by ブクログ
最近不妊に関する情報をTVでよく見るので、その延長上で興味を持った。読んでみてとても驚いたのは、この精子提供は実はかなり以前から行われているものであり、最新の不妊治療とは全く別物だったと言うこと。 進化し続ける様々な治療法については個人的にはあまり賛成はしない。それらを考える時、あくまでも親としての...続きを読む目線でしか物事をとらえていなかったように思う。言いも悪いも、親となるかどうかの問題。けれどこの本はそれらの手段で生まれた子供の本音を訴えている。自分では選べない出生の事情。望まれて生まれてきたはずなのに、背負うものが大きすぎる現実。さはり、命は天からの授かりものとして自然に任せたいと思う。 どうしても子供が欲しいと思っている人達、厳しいかもしれないけれど決断する前にぜひこれを読んでから決断してほしいと思う。
子供が生まれるというのは当たり前のことではないし、色々な家族の形がある、と気付いた。 長期に渡る丁寧な取材が素晴らしい。 これまで知らなかった世界ばかりで、自分だったらどうするだろうと考える機会になった。
土屋隆夫の有名作品でよく使われるモチーフだけど、現実では果たして…。 AIDとは無精子症など男性不妊に対する生殖医療の手段で、非配偶者の精子を使った人工授精のこと。そうして生まれた子供が主に成人後自らの出自を知り、現行制度では生物学上の父親について知るすべがないため苦悩する姿から、男性不妊に起因す...続きを読むる不妊に苦悩する夫婦や、精子を提供した元慶應医大生から、不妊治療を諦めた夫婦、養子縁組制度(5人も!)を選んだ夫婦、医学界でも様々な現状の問題に奔走する方々へのレポがバランス良く章ごとにまとめられている。 これ、良く書けているノンフィクション(ルポタージュ)だと思うけど、作者が既婚子持ちの女性ということで、「他人事間」が気になった。鼻につくとまでは言いませんが。書き手の中立性は大事だけど、もっと熱い筆致でもいい。星一個減点です。 男性が書き手だったら書き方や読後感が随分違っていたような気がする。私が男だからかも知れないが。もう少し書き手の怒りや個人的意見や提言や主張が前に出てもいいんじゃない? それにしても、AIDを始めた慶應大学病院や以降の他の病院のやり方はひどいな。不妊に悩む夫婦にしろその子供へのメンタルケアにしろ。慶應系医療従事者へもっときついツッコミが聞きたかった。 読んでいて腹立たしいのが、法整備が余りにも杜撰なこと。少子化対策が話題になって久しいのに。この本が出た後で国会審議や医学界では「出自を知る権利」への対策は進んだのだろうか? 海外ではちゃんと父親が誰か開示請求が出来るようになった国もあるらしい。日本国内でももっとこの本の中で苦悩する人々へのケアが論議されるべきだろう。 最後の方では家族の在り方や子供を持つこととは何かへと話が大きくなって行く。ここら辺の書き方はあっさり。 女性不妊に比べ男性不妊は研究が進んでいないそうだが、女性不妊症についても自分は知らないなあと思わされた。私が独身のせいもあるが。最近は「ブライダルチェック」という言葉も知られて来たけど、結婚前に男女共に不妊症でないか調べることは大切なことなのですね。 この本と合わせて、ちょっと違った観点からか書かれた小堀善友さんの『泌尿器科医が教える - オトコの「性」活習慣病 (中公新書ラクレ)』もオススメです。もっと男性側の苦悩が生々しくもユーモラスに書かれてます。
HONZより。 精子提供、自分も精子バンクに精子提供したら自分の遺伝子をたくさん残せるのかな、、なんて簡単に考えたことはあるが、確かにその子供たちがどう思うのか、今の自分の家族がどう思うのか?という発想に欠けた、安易な考え方だったことに、この本を読むと気付かされる。 夫の無精子症などにより、...続きを読む他人の精子を使った不妊治療は、遺伝的な父親を知らない子供たちを生みだした。そして、育ての親とは別にどうしても遺伝的な父親を探してしまう、それは、切実な、父親を知りたい!という気持ちの問題だったり、引き継いでしまった遺伝病の解明のためだったりする。 解決手段としては、父親を知る権利を与えること。 そうだね、いろいろあるけど、少なくとも、隠し事はなし、だよね、家族の中では。
慶応大学病院で60年以上前からおこなわれてきた 非配偶者の精子による人工授精 提供者は多くが医学生 その影響の大きさを考えずに 実施されてきました 「出自を知る権利」という考え方がない時代のことかと思ったら、 現在も1000人規模でおこなわれているようです。
晩婚化も一因か、なかなかお子さんが出来ないカップルの比率が上昇中。対応の一つにAIDがあり、古くから行われているって事は意識していなかった。この事実を子供の目から見た本。センセーショナルに書いて有るので、AIDに反対しているかと思うと、主旨はどうも事実を隠蔽してはいけないと言うこと。 子供の目線でと...続きを読むらえるとまた、AIDと養子縁組って大きく違うんですね。この種の問題って難しいですね。たまたま今日、人間ドックを受診しました。問診時に祖父母まで遡っての病歴を聞かれた。この手の質問って、辛いですね。
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精子提供―父親を知らない子どもたち―
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歌代幸子
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