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城代家老の“御意討ち”を命じられた新八郎は、直(じか)に不正を糺すが、逆に率直な説明を受け、初めて真実を知る。世間の風聞などは信を置くに足らぬと説いた著者の人間観が現れる『宗近新八郎』。藩の“家宝”が象徴する武家の権威を否定して“人間第一主義”を強調する『浪人走馬灯』。生命を賭けるに値する真の“堪忍”とは何かを問う『ならぬ堪忍』など戦前の短編全13作を収める。
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Posted by ブクログ
名誉を傷つけられ「我慢できねえ!ぶっ殺す!」といきり立つ、将来のある若者。 キレやすい人に是非。 その他盛りだくさんの短編集。
数年前、先輩に勧められていた山本周五郎の作品を初めて読んだ。戦前の13の短編集だが、どれも凛とした生き様を描いた作品ばかりで、読後感はスッキリ。なかでも、「新三郎母子」が良かった。これからも、好きな作家として多数の作品を読んでいきたい。
山本周五郎の戦前の作品を集めた短編集。 意外と読みやすく一日で読めます。 世間の風聞などは信を置くに足らぬとする山本周五郎の考えがよくわかる。「樅の木は残った」の源流を見出す作品もあり、また人間の言動というのは、実は深いし、一面を見るだけではわかるものではないと思わされます。 山本周五郎の作品...続きを読むは深くて本当にいいです。 鴉片のパイプは、山本周五郎はこんな作品も書くのかと驚きましたが、いや表現が素晴らしい。肉薄し、息のむ感じでした。 浪人走馬灯の 「命のない一塊の道具が、人間の運命を狂わせる、それがむやみに腹立たしかったのです。」
昭和10年代の短編を集めた。表題の「ならぬ堪忍」から読んだが、短い中に味わいもある。その他の短編はやや勧善懲悪というかハッピーエンドというか、途中から結論が透けて見えそうで、でもストレスなく一気に最後まで読んでしまう。器量の良くない人間が腹をくくればひとかどのことが成し遂げられる様を書いた「悪伝七」...続きを読む、本当に必要なことなら一時の評判など気にせず成し遂げるのが肝要ということを謳った「米の武士道」など、心に残った。
山本周五郎戦前の短編集。 武家ものが大半で、当時の生き様の潔さがすがすがしい。 侍の奉公こそ人生の本文、それが天命という生き方が心に響く。 それが山本本人の生き方だったのだろう。 もっともっと彼の作品が読みたい。 鴉片のパイプは異質。 08/12/09
江戸時代が舞台のお話しですが、今でも充分心に響くですよ。 読みやすいのに、読んだ後に何やら1段心の階段を上った感じがするです。 これこれ。せっかく読むなら、こういうのがいいですな。
★3.5かなぁ、どの作品にも起伏がしっかりついていて読みやすい。 戦前の短編集ということですが、表題作の発表時期を考え合わせるとこの作家の心根はどこにあるか?は想像するに難くなく。
山本周五郎の前期作品集 発表順に収録されていて、最初の1,2作は「ふーん山本周五郎が昔書いたやつか~」という以上の面白みは…ない… 3作目あたりからおなじみの山周的ストーリー構成になっていると思う だいたい武士の話で出てくる主人公ほぼイケメン、ヒロインは美女!いや、いいんだけどさ…
時代背景もあるのでしょうが、軍国主義/葉隠れ武士道の匂い濃い作品群です。 まだ文体も固まって無い。ストーリーが直截的で含みが無い。言い立てれば多くの欠点があります。それも晩年の周五郎作品を知っているせいでしょう。この人は晩年になるほど良くなって行った人ですから。時代背景と周五郎と言う名を差し引いて...続きを読むこの短編集を見れば、飽かずに一気に読み通せ、そこそこの出来なのだと思います
没後発掘作品も含めた初期作品集という感じなのかな。 どれも面白いけど、やっぱ「ながい坂」を読んだ後だとちょっと物足りなくも感じる。 物足りなさ自体が面白かったのは「悪伝七」 なんか読んだことあるなーと思ってたら「恋の伝七郎」って作品として前に読んでた。 書き直し作品だったんですねー。
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