無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
飢えに追いつめられて、つぎつぎと人を襲う熊。その熊をじっとねらう、村田銃をもった熊撃ちの名人。北海道千歳市では老婆や村娘が餌食となり、人々を震え上がらせていた。厳しい大自然を背景に、人間と熊が繰り広げる生きていくための闘い。大自然の中で生きる人々の緊迫感と、自らを厳しく律しながら深い山へと分け入って行く誇り高い猟師たちの個性あふれる姿、そして野性の猛獣と原生林の迫力を、乾いた筆致で生き生きと追う。実際におきた七つの事件と実在する八人の熊撃ちを題材に、孤独で忍耐強い彼らの生きざまを描く連作短編集。
...続きを読むPosted by ブクログ 2016年04月17日
初めて吉村昭さんの作品に触れましたが、好きな文体でしたね。羆の生態、熊撃ちの葛藤を、一呼吸置いて離れたところから俯瞰して淡々と続く情景描写。心理描写。ひさびさにこの手の「物語」風の小説を読みました。作家・吉村昭さんに興味が湧きました。しかし、羆は地球上の最強の生物ってことがありありとわかる一冊・・。...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月24日
本書を手にしたのは、最近読んだ河﨑秋子・熊谷達也両作品の「狩猟者と熊が対峙する物語」関連です。加えて、本書と同一著者作品『羆嵐』の恐怖に慄いた経験が甦り、違いを含めて関心が高まりました。
本作は、吉村さんが雑誌連載のため1970〜翌年にかけて取材し、猟師たちから聞き取った話をもとにした短編小説...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年06月01日
最近秋田県で山菜採りに行った人が熊に襲われ、すでに3人が亡くなっているというニュースを見て、未読のままになっていたこの本を手に取り読み始めた。
熊にまつわる実際の事件を題材に、熊撃ち猟師の名前をそれぞれのタイトルにした7編からなる短編集。
熊に襲われた被害者の家族にとって熊撃ち猟師は仇討ちを託する刺...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年05月25日
三毛別羆事件を描いた「羆(ひぐま)嵐」を書いた際に、猟師に取材した話から着想した、熊退治の半小説短篇集。あくまでも内容は小説である。
収録されている7作とも、熊(1篇だけツキノワグマ、その他はヒグマ)を退治しなければならない動機が有り、最後に熊を討つ、それだけの話といえばそうなのだが、半分はドキュ...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。