【感想・ネタバレ】熊撃ちのレビュー

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Posted by ブクログ

マタギや熊撃ちハンターのインタビューから短編小説化した7本収録。野生動物の中でも巨大で500kgにもなることもあるヒグマ(羆)相手に命がけで挑む人々。

羆嵐と言う作品は短編に収まりきらなかったから、後日発刊されたと、あとがきより。

羆の人を襲うシーンはエグくて、残虐なのでご注意。

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2021年02月14日

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初めて吉村昭さんの作品に触れましたが、好きな文体でしたね。羆の生態、熊撃ちの葛藤を、一呼吸置いて離れたところから俯瞰して淡々と続く情景描写。心理描写。ひさびさにこの手の「物語」風の小説を読みました。作家・吉村昭さんに興味が湧きました。しかし、羆は地球上の最強の生物ってことがありありとわかる一冊・・。恐ろしや。

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2016年04月17日

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熊を仕留める時の描写が素晴らしい。
目の前に羆がいるようなドキドキ感を味わえました。この本からの羆嵐だったんですね。
『あとがき』まで大事に読ませていただきました。
安定の吉村昭クオリティ。

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2014年11月11日

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 本書を手にしたのは、最近読んだ河﨑秋子・熊谷達也両作品の「狩猟者と熊が対峙する物語」関連です。加えて、本書と同一著者作品『羆嵐』の恐怖に慄いた経験が甦り、違いを含めて関心が高まりました。

 本作は、吉村さんが雑誌連載のため1970〜翌年にかけて取材し、猟師たちから聞き取った話をもとにした短編小説集です。全7編のうち富山の1編を除き、6編が北海道が舞台の実話(登場人物も実在)とのこと。1篇ずつ独立し、各話の熊撃ちもそれぞれ個性的です。
 上述の『羆嵐』は本作取材後に着手したようで、留萌の苫前村三毛別で起きた最悪の羆事件(7名死亡、3名重症)に基づいた作品で、本作とスタンスが違いどこまでも恐ろしい話でした。

 本作のあとがきで、「短編という制約の中で、できる限り簡潔な筆致と構成を意図した、人間と土の匂いを描きたかった」と吉村さんは記しています。
 確かに緻密な光景がリアリティを生み、無駄な主観的感情表現を削ぎ落として、事件の実態を淡々と記述している印象です。しかし各短編の中に、悲惨な状況、マタギの勇姿と人間の弱さなどが、臨場感たっぷりに展開されます。

 単なる熊被害の羅列やホラー要素の強調でなく、自然や熊への畏敬の念、厳しさとの闘い、生と死、共生など、大自然の懐に抱かれて暮らす人々の生の声を掬い上げ、今の時代に伝える硬質で良質な短編集でした。

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2024年03月24日

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最近秋田県で山菜採りに行った人が熊に襲われ、すでに3人が亡くなっているというニュースを見て、未読のままになっていたこの本を手に取り読み始めた。
熊にまつわる実際の事件を題材に、熊撃ち猟師の名前をそれぞれのタイトルにした7編からなる短編集。
熊に襲われた被害者の家族にとって熊撃ち猟師は仇討ちを託する刺客であり、猟師にとって熊は現金収入と名誉の対象であり、熊にとって人間は単なる獲物のひとつに過ぎない、そういう三者の関係を背景にして、それぞれの事情や葛藤を有する猟師と熊との命を懸けたドラマが展開する。人を襲った後の熊の生態や、襲われた人間の無惨な姿など、ニュースでは知ることのできない現実が描かれている。

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2016年06月01日

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三毛別羆事件を描いた「羆(ひぐま)嵐」を書いた際に、猟師に取材した話から着想した、熊退治の半小説短篇集。あくまでも内容は小説である。

収録されている7作とも、熊(1篇だけツキノワグマ、その他はヒグマ)を退治しなければならない動機が有り、最後に熊を討つ、それだけの話といえばそうなのだが、半分はドキュメンタリーというところもあって、展開がスリリングでリアリティーを伴う。正直なところ、4作目くらいで「どうせまた、熊を撃つ作品じゃないか」と考えたが、そんなこんなで一瞬で読み終えてしまった。

熊を退治するだけの話という風に読めば、日本昔ばなしになるわけだが、熊に襲われた人の死体(死骸)の表現などで、ぐっと現実の怖さまで引き戻されるところは、見どころであります。

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2015年05月25日

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色んな人間がいるように、色んな熊撃ちがある。それぞれの熊撃ち。背景は勿論、心理状態も違う。よく描写されており、読者としておそるおそる参加してみた。それぞれのケースに熊撃ちという言葉に括ることが出来ない独自性と共通性を見出すことができた。

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2018年03月23日

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北海道に住んでいたことがあるので、他人事とは思えない。羆の対処法を聞いた時に、助かるかどうかは運しかないんだ、と思ったことを思い出した。

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2016年05月24日

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 クマ(主に北海道のヒグマ)を撃つ猟師を題材とする短編集。すべて実在の猟師・事件に取材したという。非情さにの中に漂う抒情性が特色。

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2013年02月13日

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