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時は元禄――旗本の息・徳山五兵衛(幼名・権十郎)は、妾腹の子ゆえに父から疎まれていた。剣の修行に明け暮れる十四歳の初夏、侍女への無謀な振舞いがもとで、父子の不和は決定的となった。四年後、道場主の他界を機に、一介の剣士として生きようと同門の浪人剣客・佐和口忠蔵を慕って江戸を出た。父はこの出奔を利用して、執拗なまでにわが子廃嫡の策謀をつづけていた。
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Posted by ブクログ
誰にもいえない趣味を持っていますか?剣客として武士として生きた盗賊改方・徳山五兵衛。私は持っています。(笑)
池波正太郎は 鬼平犯科帳、真田太平記、剣客商売などで映画化、テレビドラマ化されている大衆に支持されている大作家です。 私の持っている「おとこの秘図」は文春文庫版でして、昭和50年代の初めに発行されたものです。 「鬼平」の前の8代将軍徳川吉宗の時代に盗賊改方長官を務めた「徳山五兵衛」を主人公に、若い...続きを読むころの放蕩な生活と、絵(秘図)に没頭した生活から、将軍吉宗との係わり、そして盗賊改方長官としての縦横無尽の活躍など本当に面白い作品に仕上がっています。 第1巻の途中ではちょっと変な本かな?と思う人もいるかもしれませんが、読み終わったときは、やっぱり面白かったと思ってしまう本だと 思います。 新刊本では入手しにくい本かもしれませんが、第1巻を読んでしまうと どうしても続きが読みたいと思ってしまう本です。 どちらかというと男性向けかなと思う本ですが、鬼平ファン、池波ファンの方には男女問わず、お奨めの長編作品だと思います。
「何事も、己のことは己ではわからぬもの。(中略)なればこそ、人は他人のいうことに耳を傾けなければならぬのでございます。他人の目に映るわが身を忘れてはなりますまい」。 元禄時代、旗本の妾腹の子として生まれ、父から疎まれ、剣の修行をし、剣士として生きようと決めた男の物語。
この本ではないが大活字版の短編集で秘図として衆力されているもので、この文庫の源泉となった短編ではないかと思う。登場人物が同姓同名で波乱の人生を送った者である。 また大活字版には刺客というものも掲載されていた。こちらも真田家の徳川で生きた末裔たちの話で面白かった。
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