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疫病に荒れた世を建て直す救国の英雄か、
古代社会を破壊する稀代の逆賊か。
謎多き人物の実像に、直木賞作家の筆が迫る。
時は天平。都には天然痘が蔓延し、朝廷にて我が世の春を謳歌していた藤原一族も権勢に陰りを見せていた。その中において、ひとり異彩を放つ男がいた。藤原仲麻呂(恵美押勝)。祖父・不比等や父・武智麻呂の血を色濃く受け継いだこの男は、叔母の光明皇后や次代の天皇である阿倍内親王の寵愛を受け、急激に頭角を現していく。だが仲麻呂は、祖父や父も持ちえなかった、危険な野望を胸に宿していた。北辰の門――この国の皇帝となる道を開こうとした男の、鮮烈なる一生。
Posted by ブクログ 2024年01月28日
藤原不比等に始まった藤原家も3代目、いよいよ仲麻呂の物語。歴史をなぞるように、物語は淡々と進む。
「仲麻呂の乱」はどのように起こったのか、孝謙天皇(称徳天皇)と道鏡との関係は・・・。
阿倍内親王が孤独のうちに天皇となり、道鏡との共謀関係によって次第に力を発揮していく物語は読み応えがある。
歴史の教科...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月21日
かつて、黒岩重吾氏がライフワーク?とした時代。氏の作品は好みだったが,白鳳飛鳥天平の絵巻物は好きでなかった。
古代は文献があるとはいえ、正史の時代。勝者が綴るフィクションは、読みこなす知力もないし、その陰にあった事を推し量る文筆力ってどんなものなんだろうと思ったこともあって、手が伸びなかった。
馳...続きを読む
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