日本史の謎は「地形」で解ける【日本人の起源篇】

日本史の謎は「地形」で解ける【日本人の起源篇】

789円 (税込)

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5.0

日本語は世界の中で異常といっていいほど特異な言語である。まず発声音数が少ない。日本語の発声音数は、母音と子音の組み合わせで、せいぜい120個前後である。それに対し、韓国語はおよそ500、英語はおよそ2000、そして中国語は強弱の変化も含めて何千あるか数えきれないという。もちろんその発声音数はほぼ子音で占めている。さらに日本語には異様に語彙が多い。普通の米国人の大人が会話するのに必要な語彙は5000語で十分足りるという。それに対して日本の小学6年生の児童が知識として必要な語彙は約3万語である。日本語の発生音数が少なくなったことの背景には、日本人が異民族に襲撃されることが少なかったためだと著者は分析する。そのため「おおらかで無防備な、母音中心の言語」が醸成されたのだ。そして異民族に侵略されなかった理由の一つに、日本列島とユーラシア大陸の間に、流れの強い幅約200kmの対馬海流の壁が立ちはだかったことが挙げられる。いわば対馬海流が、日本語の「特殊さ」を守ってきたといえよう。なぜ、異民族からの襲撃が少ないと母音中心の言語になるのかは、本書を読んでいただきたい。一方、日本語の語彙がかなり増えたことの要因は、全国に張り巡られた「水運ネットワーク」だと指摘している。日本語の起源に地形の観点から迫る論考のほか、「ヒトはなぜ、直立二足歩行したのか?――サバンナ説とアクア説」「日本人は12万年前からの氷河期を、どうやって生き延びたのか?」といった日本人の起源に関わる謎解きや、著者がずっと追いかけてきた「赤穂浪士の討ち入りの謎」の完結篇などを収録。長年ダムや河口堰の建設に携わり、日本の地形を熟知する著者が、「気宇壮大だけど地に足が着いた謎解き(養老孟司氏)」を展開する。

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日本史の謎は「地形」で解ける【日本人の起源篇】 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月13日

    全く新しい視点を持った歴史学。治水という観点から太古の昔から現代に至るまで街や都市が発展していったかを解き明かす。
    ピラミッドは、ナイル側の氾濫を守るためにからみという手法で建設された。そしてその手法は日本から流れて行ったとの説に驚かされた。

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    Posted by ブクログ 2023年12月28日

     この本は面白い!
     ホモサピエンスの出アフリカは7万年から6万年前と考えられているのに、日本には砂原遺跡(約12から11万年前)や金取遺跡(9万年前から8万年前)の遺跡があり、サピエンスの日本上陸には、12万年前説と4万年前説がある。
    これについては人類学的見地からは、4万年前以前の石器を遺したの...続きを読む

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