凋落 木村剛と大島健伸

凋落 木村剛と大島健伸

1,584円 (税込)

7pt

4.5

「振興銀・SFCG事件」は何を物語るのか
破綻した日本振興銀行の木村剛と、SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸の人生を辿り、「振興銀・SFCG事件」が意味するものをえぐりだすノンフィクション。金融史上かつてない特異な事件の全容を描く。
日本振興銀行は木村の超個人主義的な独自の思考によって破綻し、わずか6年ちょっとというその浅い業歴に比べればあまりに巨額の損失をあとに残した。日本振興銀行の経営破綻から3カ月後、無惨な廃墟の後片付けに入った預金保険機構が取りまとめた数字によれば、同行の債務超過は6700億円という途方もない金額であった。
大島が一代で築き上げたSFCG(旧商工ファンド)が経営破綻したのは2009年2月のことである。当時の公表額だけでも負債は3380億円に上った。SFCGの資金繰りが綱渡りの状態に陥っていた最中、大島は自らの報酬を月額2000万円から9700万円へと大幅に引き上げている。混乱するばかりだった現場で呻吟する従業員を尻目に、倒産間際の会社からひと月に1億円近い報酬を受け取ることができる神経は並大抵の図太さではない。
2010年に逮捕・起訴されたこの二人の成功と転落を通じて、日本の戦後経済社会史を透視する。東大卒・日銀出身でバブル崩壊後の不良債権処理に強い影響力を持っていた金融エリートの木村と、在日・帰化人で商工ローンという金融の辺境から世界的な富豪にのし上がった大島という二人の人間の異なった人生が一瞬だが交錯し、ともに奈落の底に落ちていく様を描写する。

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凋落 木村剛と大島健伸 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     

    社会人1年目に半年で辞めた会社。
    良くも悪くも自分の人生なのでしょうがない。
    (勉強になったと。。あのとき就職氷河期だったし)

    という意味で振り返りで購入。
    最後の3文で評価★�に。

    ともすれば人々は自らのちっぽけな不運を嘆きがちだ。
    持てる者と持たざる者、勝者と敗者が背中合わ

    1
    2011年08月30日

    Posted by ブクログ

     丁寧な取材の積み上げをもとに書かれた、一級の経済ドキュメントです。この手の本は書き手が上手で題材が良くても取材が足りなければ消化不良になってしまい、ごろつきジャーナリズムの記事と大差なくなってしまいます。また取材が丁寧でも分析力や筆力が不足していれば読み物としての面白みがなくなります。
     SFCG

    0
    2011年03月31日

    Posted by ブクログ

    いけすの外を泳いでると、こーゆー景色を見かけることもある。それの特大のやつって感じ。自分が見かけたやつと突き合わせて考えてみるのも面白い。

    0
    2021年08月01日

    Posted by ブクログ

    破綻した日本振興銀行の木村剛と、SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸の人生を巡るノンフィクション。
    みんな強欲だねぇ。
    高金利だけに目がくらみ日本振興銀行に預金した人たち。
    その人たちから預かったお金を怪しげなグループ企業に還流させた木村剛。
    日本振興銀行を欺き、お金を引き出した大島健伸。
    みんな紙

    0
    2011年06月08日

    Posted by ブクログ

    レピュテーションとういう個人益の追求。持てるものとと持たざるもの、社会に多くの人々が不満を抱きつつも、その不満さえも豊かさのなかで消費されていく。今日人々は何ら疑問を感じることなく、ひたすら個人益を求め、それゆえ半径50センチの世界しかもっぱらの関心は向けられない。(あとがき抜粋)
     「2人の登場人

    0
    2011年05月03日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    バブル後の不況と続くミニバブルのなか、数々のブラックな噂を撒き散らし、やっぱりな感じで破綻した商工ローンと、庶民の味方をうたいながら、あらびっくり、ブラック商工ローンと、実はズブズブの関係にあって、日本初のペイオフ発動を伴い、お国のなけなしの引当金の大半を引き剥がしつつ、ど派手に潰れた日本振興銀行。

    0
    2011年05月11日

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