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教訓
「天災は忘れた頃にやって来る」という言葉がありますが、私も含めて今住んでいる場所にかつてどのような災害が有ったのかを調べて準備していた方は多くなかったのでは無いかと思います。自らの身に降りかからなければ、実感することは出来なかった多くの事。幾度となく繰り返される災害に対し先人は伝えようと石碑等を残していましたが、時が立つにつれてそれを意識する人は少なくなりまた多くの人が同じ様に被害を被る。とても残念なことです。現代は過去よりも映像等も含めて伝えていくことが容易になっているかと思いますが、それをどの様に受け止めて備え、起こった時にどの様な行動をするかで運命が分かれるのではないかと。
Posted by ブクログ
事実が淡々と書かれているところがいい。三陸海岸の自然やそこに住む人々の暮らしが好きって著者が話しているところも好感が持てる。
チリ地震津波について被害があったことは知っていたけど実際の様子は初めて知った。私自身は自分の地域にも他の地域にも知り合いの古老となる人はいないので、たとえ悲惨なものだったとしても過去にあった体験を教えてもらえる話は有り難い。明治、昭和の三陸地震の住民の声を基に短かめにまとめられていて被害の様相を比べながら読んでいくのにも分かりやすくてよかった。
嫌な予感がして起きるんだけど「冬の日や晴れてる日は津波はこない」という迷信を信じて、それで安心してもう一度眠りにつく部分もとても気持ちが解る。
真夜中だし暗いし寒いし明日もあるし、と思うと実際やりかねない。そして普通にありそうな行動一つで生死が決まってしまう。
Posted by ブクログ
この地の古今の資料、関連する海外の災害記録、生き残った方々の生の声。
丁寧に集められ誠実に書いた本書からは、長い間隔をとりながらも繰り返し襲う津波と人知との攻防の様子が迫ってくる。
本書が世に出たのは、東日本大震災発生の40年も前。これほどの経験をしてきた三陸海岸に、なぜ住み続けるのか?という傍観者の疑問にも、一定の答えを提示してくれている。
官民一体となって懸命に施してきた対策を易々と凌駕し、数々の漁村を壊滅させた、あの大津波。その後引き起こされた、ある意味人災とも言われている大きな事故。今後も三陸海岸に生きていく人々はどうすれば良いのか?同じ国土に生きる我々は何をしたらよいのか?
いつ来るか分からない恐怖に備えるためにも、読みつがれるべき一冊だと思う。
Posted by ブクログ
知らなければならない。知って正しく恐れなければならないことがある。
南三陸海岸大津波。
この言葉ですぐに思い出すのは衝撃的な3.11の圧倒的な自然の猛威とそれによってもたらされた甚大な被害。
あれだけでなく、過去に幾度となく襲ってきた津波。そしてその度に壊され失われる家や船やひと。人間関係や仕事。
自然の激しさと人間の無力さを痛感しながら、それでも生きる、その土地を選び生き抜く人々の覚悟に言葉を無くす。
記録文学の持つ力をまざまざと感じた。
昭和の桃の節句に襲った津波を生き抜いた子どもたちの作文が胸を打つ。
日本人として必読の書のリストがあるとしたら、必ず入れなくてはならない一冊だと思う。
祈り届かず
筆者は祈りにも似た気持ちで、連綿と続いてきた防災意識が人々を守ってくれると信じていたのだろう。しかし現実には、その象徴である田老町の防潮堤をあざ笑うかのように、津波は遙か上を越えていった。期せずして、筆者の詳細な記録が平成の大震災の恐ろしさを際立たせる結果となっていることが、唯々つらい。
Posted by ブクログ
出身地では、子供の頃から30年おきに津波は来ると言われていた。えー、本当?と友達と言い合っていた。東日本大震災が起きて、未曾有の大津波が起きたとき、いや本当だったんだ…とそれを教えてくれた塾の先生の顔が浮かんだ。
本書では明治、昭和8年とチリ沖地震の3つの記録が書かれている。懐かしい地名がたくさん出てくるし、淡々とした表現なのだが、津波の威力がこれでもかと伝わってくる。
チリ沖地震が、本書では一番最近の津波で被害も他の2回と比べて小さかっただけに、充分な対策で津波の被害は減っていくだろうというような締めくくり方だったが、後書にある講演会からわずか数年後にまた凄まじい津波が襲ったことを吉村昭先生が知っていたら、どう記しただろうと思う。
しかしこれだけ高頻度で津波が襲ってくる土地に、よく住んでいたものだとちょっと呆れた。明日も同じ日が続くと思うバイアスってすごい。
Posted by ブクログ
明治29年(1896年)、昭和8年(1933年)、そして平成23年(2011年)。
改めて巨大津波の恐怖を感じるとともに、巨大津波は数十年~百数十年と日本列島を割かし頻繁に襲っていることに気づかされた。
(後でネットで調べると、平安、室町、江戸時代等、過去にも巨大津波が日本を襲っていることが分かった。)
自然の予兆(急に豊漁になったり井戸水が枯れたり)ってゆうのは、大事なメッセージだなあって本当に思った。
そういった過去の貴重な証言がとてつもなく貴重な情報だということに気づいて、自分の足で津々浦々足を運んで情報を集めてしっかりとまとめ上げた吉村昭、流石!信頼できるなあ!
(なんせ東日本大震災の前にこの本を書き上げている。本当にすごいと思う。)
一方で、では海から離れた高台住居と巨大な防潮堤が津波の解決策なのか、というと必ずしもそうではなく、多様な意見があると思うので、時間は遅れるだろうけど、短期間での決断は分断を生むだろう..............、と思い、色々大変な問題だなあと考えさせられた。
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