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勅許を待つことなく、幕府が日米通商条約に調印したのは安政5年(1858)6月。新しい政治に踏み出した大老井伊直弼に対して、攘夷派の人々は開国不可を説き続けるが、全く受け入れられず、対立の溝は深まるばかりだった。直弼の恐怖政治を、なんとかおさえなければと焦る一橋慶喜ではあったが……。
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Posted by ブクログ
一橋慶喜がどういう評価のもと、江戸城に入りつつ、14代将軍にならなかったのかの事情がわかります。また、安政の大獄前夜の、幕府内の動きもよく分かります。 それから、尊王攘夷が表面的なものではなく、開国後の自国の精神的独立を維持するための高遠な考えに基づく政治的スタンスであったことが学べます。 小学...続きを読む校のころに教科書で学ぶ知識が、いかに表面的で薄っぺらいものであるかを自覚させてくれます。 加えて、本論とは関係ありませんが、いまでいう茨城県が、これほど日本の中心的な時期があったのかと驚きでした(笑)
読んだ本 徳川慶喜(2)山岡荘八 20230705 安政の大獄に至る井伊直弼を軸に、慶喜が水戸派と紀伊派の対立を防ごうとする話。ここでは攘夷派と開国派というものは存在せず、全てが開国派。それをしなければいけない状況を、どういう体制で乗り切るかで争っている。こうして読み進めていると、水戸の尊王も覇...続きを読む権争いの道具でしかないし、単なる派閥争いが高じて、安政の大獄→明治維新って風にエスカレートしていったと読むのが素直ですね。これが、欧米列強の思惑を阻むほどのエネルギーに転化していくのかと思うと、幸運というか志士という下級武士がいかに優秀だったかと感心させられます。なんせ、革命のような階級闘争のないまま、殿様の時代を終わらせて、今に通ずる国体を作ったんですからね。最後の将軍慶喜がどういう役回りを演じていくのか、楽しみです。
微妙に執筆当時の政治にモノ申す的な説教臭が漂っちょる。これで嫌気がさしてしまったのかもしれない、青二才の当方は。って今もテンションが微妙に下がってるんですが。 まぁともかく作家の立ち位置というか、今となっては珍しくて新鮮かも。とにかく統治者たる徳川の目線からのお話ですからなぁ。
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