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Posted by ブクログ
有吉佐和子さんの短編は初めて。どの話もごくごく短いものだが流石に読ませる。
昭和の作品なので時代背景が各所に窺える。派手さはない。描かれているのは登場人物達の日常とそれにともなう細やかな喜怒哀楽。そしてそこに青い壺がある。
第一話で生み出された壺が様々な人の手を経て最後の第十三話で生み出した省造のもとに戻ってくる。「いつの間にあんなにいい古色がついたのであろう」と省造は思う。素敵な終わりかただと思う。
個人的には第九話の高齢女性達の同窓会の話が好きだった。高齢女性の心理描写とか登場人物に言わせる言葉とか有吉さんは本当にウマイ。その場面が目に浮かぶようだった。
Posted by ブクログ
ある高齢の平凡な陶芸家・省造が焼き上げた青磁の青い壺。あまりにも清澄で美しく高貴な気品がある作品となったことから、この壺が数奇な変転を経ていく、そして再び100数年後に省造の目の前に。この壺が、13章の中で次々に渡っていくその経緯がまたいろんな人生を感じさせるという楽しい物語の構造である。ある定年後の呆けてきた定年退職者が妻と百貨店で入手し、かつての上司に持参するところから、その娘…。そして70歳の老女・弓香が京都での女子大時代の同窓会に出席した時の雰囲気が楽しいし、その時に安売りされている青い壺を入手という場面が印象的。弓香の孫からなんとスペインへ渡り、そしてまた日本へ。
多くの人々を魅する「美しい物」の魅力を感じさせられるとともに、その鑑識眼を揶揄するような場面も皮肉。若い日から50数年を経て変わらない人間関係など、面白い材料に富んでいた。
Posted by ブクログ
初出は昭和51年~52年なんですね。
まだ戦後30年程度で、この物語の中でも当たり前のように、日常の延長のように元気な老人たちが戦時中のことを語っていて。
そのような時代の家庭の様子なども今とはだいぶ違っていて、そこが文化史や社会史を見ているようで面白かった。家父長制がまだまだ残る、専業主婦が当たり前の世代。
13話から成るオムニバス形式の短編集で、どの話にも青い壺が登場する。同窓会を兼ねた京都旅行に行ったおばあさん軍団の話が面白かった。定年退職したあのご主人の奥様のその後が気になって仕方ない。
それにしても文体が相変わらず上品で美しい。それでいて読みやすい。たまに有吉作品読みたくなる。次は何読もうかな。
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