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生れる仔馬が牡馬でありますように。風の申し子のように速く、嵐みたいに烈しく、名馬の天命をたずさえて生れますように……。若者の祈りに応(こた)えて、北海道の小さな牧場に、一頭のサラブレッドが誕生した。オラシオン(祈り)と名づけられた仔馬は、緑と光の原野のなかで育ち、順調に競走馬への道を歩みはじめるが、それと共に、登場人物ひとりひとりの宿命的な劇(ドラマ)が、幕を開けた――。
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Posted by ブクログ
冒頭で産まれた仔馬を軸に、様々な登場人物が多重構造になって物語を重ねていく。 馬に関わる人々の生い立ちや心情が細やかに描かれている。 競馬に全く興味がなくてもスラスラと読み進める。 上巻ラストの、突然の事件が衝撃的。下巻は一気読みしそう。
友人の薦め。ミラクルバード第3戦の描写は圧巻。北海道の牧場や競馬場の情景が目の前に出てくるようで面白く読めた。「ウマ娘。」で競馬を知った人にも読んで欲しいな。
馬券という紙切れ一枚に詰まった人間模様。 泥臭い中にも、馬ゆえの神秘的な雰囲気も醸し出す名作。続きが気になります。
1987年吉川英治文学賞受賞 個人的宮本作品金字塔。 人物の主観が章ごとに変わり2回転ほどする。 どの章も生への執着が強く感じられとても良かった。
面白くどんどん読めた。久々の宮本輝、やっぱりいい。騎手も大変な稼業だな。引き込まれて読んだ。勝ち負けの世界に身を置くのは厳しい。強くないと生きていけない。人間のイヤなところ、汚いところ、あぶり出されています。
全五章からなるが、各章で1冊の本ができそうなぐらい、エピソードが詰め込まれている。個人的には第5章、奈良騎手のエピソードが一番好き。
言わずと知れたヒット映画「優駿」の原作を、約四半世紀過ぎてから読んでみた。名馬オラシオン(上巻ではまだ仔馬だが)を巡り、様々な人間関係が複雑に絡み合う。宮本輝さんが競馬を愛しているということがとても良くわかる。現在の馬主界とのギャップ(馬の価格など)もヒシヒシと感じる一冊だった。下巻も楽しみ。
映像化もされている競馬ファンなら言わずとも知れた不朽の名作。と言いながら、学生時代は野球バカだった自分が、競馬が好きになって、小説が好きになって、競馬の小説ってどんなのがあるんだろう、とようやくたどり着いた作品。 内容は競馬ファンじゃなくても受け入れられていることからも分かるように、競馬が織りなす...続きを読むドラマと人間模様が書かれた文句なしの内容。 この本をきっかけに、宮本輝氏の作品にも多く手を出していくことになりました。
"恋愛"をテーマとした読書会に持って行こうかと、久々に再読。 軽い復習のつもりだったのですが、ついつい読み込んでしまいました、秋は危険です。 結構忘れているもので、改めて読むと家族愛の要素の方が強いようにも感じました。 ん、一番愛情が向けられていたのは、"サラブレッド...続きを読む"だと思いますけども。 で、"馬(サラブレッド)"に対する想いが、愛情が、これでもかというくらいに綴られていきます。 そして、たまらなく夢を追いかけたくなりますが、冷徹な現実も立ちはだかって。 人の世は有為転変、それでも自分の"芯"を見失うことが無ければ、 どこかで一つに結実していくのでしょうか、"祈り"とともに、、なんて。 多頭立てのダービーの時代ですから、舞台としては大分古いハズなのですが、 今読んでも普通に情景が浮かんできます、東京競馬場のラスト3ハロンなど、たまらない。 そういった意味では、時代をも超越しているのでしょうか、競馬というスポーツは。 そうそう、結局読書会には『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』+αを持参したのですが、 そのどちらでも"社台ファーム"をネタにしているのは、日本競馬界への影響の大きさが伺いしれます。 ノーザンテーストにサンデーサイレンス、今の日本競馬の血統の土台を作ったこの2頭ですが、 ここにメジロマックイーンを加えた、日本の血統の集大成ともいえる馬が、今年凱旋門を走ります。 リアルタイムで見れるかどうかはわかりませんが、"祈り"を込めて結果を待ちたいと思います。 そういえば『風の王』もまだ未読でした、、探してみようかなぁ。
宮本輝の名作「優駿」。吉川英治文学賞作品であり、映画化もされているので、ご存知の方も多いと思います。 そのストーリーは、読んで字のごとく、一頭のサラブレッドを誕生に始まり、そのサラブレットを取り巻く牧場主や馬主、調教師、厩務員、騎手などさまざまな人々の生き様を描いていく・・・といったものなんですが...続きを読む、後半はストーリー展開がちょっと早い感じもしたけど、おいしいご飯を食べているときのように、とにかく次のページを貪り読みたくなる感じの本でした その理由は、自分が単に馬好きだから・・・といった単純なものではなく、人間の内面に潜む強さや弱さ、そして人生における「運」や「夢」、さらにそれらを掴むための「勝負」とは何か?そういったことについても深く考えさせられ、読んだ後にものすごく前向きな気分にさせてくれたからだと思います 誰の人生の中でも、その成功と失敗の中に、運や不運という流れは確かに存在すると思います。しかし、その運を手繰り寄せ、不運をより回避していくため・・・つまり成功を掴むためには、自分の長短を冷静に判断し、日頃からたゆまぬ努力を続け、知識や経験を積み重ね、人との繋がりを大切にする…そういったことを地道に継続することが一番の近道なのだと思います。 「チャンスを掴むためには、いざという時、それに応えるための準備をしておくことが大切だ」。学生時代、とある友達がふと言っていた単純な言葉ですが、この本を読んで改めてそのとおりだなぁ・・・と思い返す良い機会となりました。
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