海外の動向分析の雑誌を発行している会社に勤務する男性の、海外で出くわした出来事の連作短編ミステリ
海外の動向分析を主な内容とする雑誌を発行する会社に勤務する青年 斉木
NPOや政府関係機関も一目置く情報誌の質を維持するためには相応の取材が必要なめ
多言語を操る彼は海外を飛び回る生活を送っている
...続きを読む年間百日以上を海外で過ごす彼が巻き込まれた、様々な出来事の謎解きのお話
収録は5編
・砂漠を走る船の道
・白い巨人
・凍れるルーシー
・叫び
・祈り
砂漠のキャラバンに同行した際の連続殺人事件
風車に入って消えた人の謎
朽ちない聖人の遺骸調査への同行
エボラ出血熱と思われる感染症で滅びかかっている南米の部族
療養施設らしき場所に入院させられている「男の子」とその子を見舞う「青年」とのちょっとした推理ゲーム
ミステリなので、フーダニット、ハウダニットも描かれているけれども
この作品の特筆すべきところはホワイダニット
海外を舞台にしているのにもちゃんと理由があり
日本とは異なる文化、その価値観でしか成立しない意外性
部外者には理解できない、内なる人だからこその理由
そして連作短編集たらしめている繋がり
完成度高いなぁ