本気で誰かを好きになったことのある女性には、刺さるなんて言葉では足りないほど、心が抉られる作品でした。
それでいて、シリーズの中でも読み進めやすい部類に入ると思います。
嫉妬を表に出すまいとするエレノアに対して、そんなに自分を殺さないで欲しいと思わずにいられませんでした。
気高くて、情熱的な女の子
...続きを読むなのに、婚約者のロディがそういう女を好まないという理由で、いつも冷静に振る舞ってきたのかと思うと、ロディに石ぶつけてやりたくなりました。
メアリイも実はとんだ腹黒なのかと思いきや、健気で優しい女の子で、どちらもただただ可哀想…。
ホプキンズが「ピンクのバラが刺さってしまった」という腕の傷を見つけた時の、エレノアが幼少期を思い出す場面で、自分でも引くくらい泣いてしまいました。
これまでの憎しみが嘘のように消えていく心情も、ロディと過ごした楽しい日々も、とても美しい描写でした。
読み進めると、腕の傷は真相を紐解く重要な鍵だということが分かるのですが、それも踏まえて、私の中で最も大好きな名場面になりました。
星5つしか付けられないのが悔しいくらいです。
悲しい物語ですが…1番愛する作品となりました。